今大会で最も成功を修めたのは、ボロスミッドレンジに違いない。ベスト8に2人、オポ落ちとなった9位も同アーキタイプであり、デックの細部に違いこそあれど、3マナの良質クリーチャーを軽量火力、ファッティに対する《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でバックアップしていく構成に、なんら変わりはない。
ここでは奇しくも同じ赤白のミッドレンジ対決となった椎野と市川の対決をお送りしたい。
Game1
スイスラウンド1位抜けの椎野の先手でマッチは始まり、先手の利も相まって、椎野は攻め続ける。
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》キャストすると、市川の《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》し、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》と行動回数を増やし、クリーチャー数で大きく上回る。
市川が除去を引けず、椎野の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》が生き残ってしまったために、毎ターンゴブリントークンが生成され、一方的な場になってしまう。
形振り構っていられないため、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》でターンを稼ぎながらなんとか延命措置を図る。
その努力が実を結び、市川は《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》へとたどり着く。
この1枚を野放しに出来ず、椎野はプレインズウォーカーへと不利なアタックをせざるを得なくなり、僅かずつ傾いた天秤が水平へと戻りつつある。ライフ5が、遠い。
息切れ気味な椎野を尻目に、市川は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》2枚で戦力を補充し、攻撃に転じる。5点というライフは多くはないが、火力等1枚では削りきられない。その前に、相手のライフを0にすれば良いだけだ。
椎野は、ドローしたカードを伏せ、トークンだけでアタックし、2点を与え残り3。
弟2メインフェイズに入ると運命再編からの新カード、《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》をキャストし、力強く「カン」を宣言する。
そして宣言は「カン」でもデック内から『龍』である《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》が捲れると、長い長い1本目に終止符を打った。
椎野 1-0 市川
Game2
今度は市川が先手よろしく《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》をキャストするが、椎野の手から生まれ変わった《ショック/Shock(_BD)》こと《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》がテンポ良くキャストされ、返す刀で《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》と攻守を再び入れ替える。
この《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》こそがキーポイントであった。
市川の手札には《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》はあれども《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》が邪魔であるため、キャスト出来ない。奇襲性も考慮し、5マナをフルオープンで返さざるを得なかったのだ。
椎野の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》こそ《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》し、市川自身が《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》で殴り返す。ダメージが先行している分、椎野が有利か。
僅かな有利を確かなものにするため、椎野は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》と一気に展開する。
だが、それでも。それでも市川は諦めない。
《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》で癌である《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を封じ込めると、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》で防御網を敷きながら《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》を再び上空へと走らせる。
まだ、間に合うと。
椎野、ダメージは与えられずとも、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》の能力で自身のライフを引き上げ、ターンを稼ぎ、稼いだターンで《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》を占術ランドでライブラリートップへ積み込むことに成功する。
市川の最後のターン。最低限のブロッカーを残し、攻撃し、相手の残りライフを7とした。
ドローした《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》を提示すると、市川のライフは0を割った。
椎野 2-0 市川
椎野Win!
ここでは奇しくも同じ赤白のミッドレンジ対決となった椎野と市川の対決をお送りしたい。
Game1
スイスラウンド1位抜けの椎野の先手でマッチは始まり、先手の利も相まって、椎野は攻め続ける。
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》キャストすると、市川の《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》し、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》と行動回数を増やし、クリーチャー数で大きく上回る。
市川が除去を引けず、椎野の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》が生き残ってしまったために、毎ターンゴブリントークンが生成され、一方的な場になってしまう。
形振り構っていられないため、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》でターンを稼ぎながらなんとか延命措置を図る。
その努力が実を結び、市川は《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》へとたどり着く。
この1枚を野放しに出来ず、椎野はプレインズウォーカーへと不利なアタックをせざるを得なくなり、僅かずつ傾いた天秤が水平へと戻りつつある。ライフ5が、遠い。
息切れ気味な椎野を尻目に、市川は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》2枚で戦力を補充し、攻撃に転じる。5点というライフは多くはないが、火力等1枚では削りきられない。その前に、相手のライフを0にすれば良いだけだ。
椎野は、ドローしたカードを伏せ、トークンだけでアタックし、2点を与え残り3。
弟2メインフェイズに入ると運命再編からの新カード、《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》をキャストし、力強く「カン」を宣言する。
そして宣言は「カン」でもデック内から『龍』である《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》が捲れると、長い長い1本目に終止符を打った。
椎野 1-0 市川
Game2
今度は市川が先手よろしく《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》をキャストするが、椎野の手から生まれ変わった《ショック/Shock(_BD)》こと《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》がテンポ良くキャストされ、返す刀で《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》と攻守を再び入れ替える。
この《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》こそがキーポイントであった。
市川の手札には《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》はあれども《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》が邪魔であるため、キャスト出来ない。奇襲性も考慮し、5マナをフルオープンで返さざるを得なかったのだ。
椎野の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》こそ《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》し、市川自身が《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》で殴り返す。ダメージが先行している分、椎野が有利か。
僅かな有利を確かなものにするため、椎野は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》と一気に展開する。
だが、それでも。それでも市川は諦めない。
《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》で癌である《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を封じ込めると、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》で防御網を敷きながら《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》を再び上空へと走らせる。
まだ、間に合うと。
椎野、ダメージは与えられずとも、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》の能力で自身のライフを引き上げ、ターンを稼ぎ、稼いだターンで《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》を占術ランドでライブラリートップへ積み込むことに成功する。
市川の最後のターン。最低限のブロッカーを残し、攻撃し、相手の残りライフを7とした。
ドローした《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》を提示すると、市川のライフは0を割った。
椎野 2-0 市川
椎野Win!
長かったスイスラウンドも終わり、8名のプレイヤーが出揃った。
1 椎野 雅生/ボロスミッドレンジ
2 林 隆智/スゥルタイコントロール
3 堤 雅貴/シディシウィップ
4 西澤 康英/グルールミッドレンジ
5 市川 達也/ボロスミッドレンジ
6 真下 竜也/4cシディシ
7 清水 恭爾/シディシウィップ
8 岩上 裕治/雲変化ビート
ここでは、スイスラウンド7位の清水と2位の林の対戦を取り上げるが、林はスイスラウンドでも取り上げたため、ここでは清水を紹介したい。
◆清水 恭爾
群馬、ことBooksながしまでは存在感を示す清水であるが、それは単純に彼自身の人柄だとか性格だとか、マジックのプレイが巧みであるとか、デック自体が独創的で輝きがあり、常に周囲を飽きさせないということだけではない。
Booksながしまというコミュニティー自体を作り上げ、引率し今日まで維持しているのが清水に他ならないからだ。
時が経ち、人が入れ替わっても、変わらない。常連だろうと、初めてのプレイヤーだろうと訳隔てなく接し、共に遊び、共に笑い、そうして新たなコミュニティーの一員へと迎え入れる。
清水自身が、清水のカリスマが、人を引き寄せ、魅了しているに違いない。
だから昨日1月31日に清水が結婚式を挙げた際、多くのながしま関係者が祝いと寂しさから式場へと駆けつけた。
結婚にあたり、
「清水、マジック辞める」てよ
と、情報元は不明だが、実しやかに囁かれていたからだ。
しかし、清水は来た。この予備予選へと。
「まだ、やり残したことがある」
仕事よりも、絆よりも、そして愛よりも尊いものがそこにはある。
Game1
互いにスゥルタイカラーなるも、その構成は大きく異なる。
クリーチャーを軸に、墓地を肥やしながらゲームを進めるシナジーの塊シディシウィップ。
スペルを軸に墓地を利用し、高速でスペルを使い回す、現在の王者のコントロール・スゥルタイコントロール。
互いに序盤は、占術や《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》といったカードでマナベースを拡張しながら、ゆっくりと墓地を肥やし続ける。
シディシ側はクリーチャーによるビートダウンを敢行したいが、キーカードである《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が誘発型能力スタック中に除去されてしまうとトークンが生成されないため、中々キャスト出来ない。
清水は7枚目の土地を置くと《女王スズメバチ/Hornet Queen(M15)》をキャスト。林はこれを《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》し、返すターン《啓示の解読/Interpret the Signs(JOU)》が《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》を捲り8ドローと一気に突き放す。
清水も《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》という新たなエンジンをキャストするも、そこへ《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret(KTK)》と《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が合わさると、清水の場は土地のみ。
悪夢の織り手の名に恥じず、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》が清水を絶望へと誘う。
清水 0-1 林
Game2
清水 恭爾は動かない。
例え相手が《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》をキャストしようが、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》しようが、手札を隠し通すと、動かない。
必ず流れがもう一度自分へと来るのを知っているかのように。
じっくりと相手が痺れを切らし、動く、隙が最大限に出来るまでは。
だから清水 恭爾は動かない。
1戦目同様占術でマナベースを作り、今回も林が《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》でペースを握る。
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》は《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》を捲りクロックを作り上げる。
清水は牽制気味に《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を除去させ、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》を通す。
起死回生の《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》と《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》のコンボも凌がれると、流石に敗色が濃厚になってくる。
しかしそれは、唐突にやってきた。
そう、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》だ。
能力でスペルを回収するのは勿論、林がここまで稼いだリソースを失ってまで《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》のリムーヴ能力で場を一掃させたのだ。
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》さえ引ければ、いける。
しかし、
林 隆智はミスをしない。
どんなに有利な状況でも、逆転の目潰すため。
手なりにならず、油断せず、甘えない。
だから林 隆智はミスをしない。
だが、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》がある林はリカバリースピードが速く、清水に時間を与えず、《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》で止めをさした。
マジック自体は、競技であるから勝敗がついてしまうが、互いに読み合い指し合いから導きだされるその解は、尊く、また美しい。
互いが高め合うからこそ、読み合いが生まれ、そこにマジックの面白さ、そして辞めに辞めれぬ情熱が、沸いてくるのではないか。
清水 0-2 林
林 Win!
1 椎野 雅生/ボロスミッドレンジ
2 林 隆智/スゥルタイコントロール
3 堤 雅貴/シディシウィップ
4 西澤 康英/グルールミッドレンジ
5 市川 達也/ボロスミッドレンジ
6 真下 竜也/4cシディシ
7 清水 恭爾/シディシウィップ
8 岩上 裕治/雲変化ビート
ここでは、スイスラウンド7位の清水と2位の林の対戦を取り上げるが、林はスイスラウンドでも取り上げたため、ここでは清水を紹介したい。
◆清水 恭爾
群馬、ことBooksながしまでは存在感を示す清水であるが、それは単純に彼自身の人柄だとか性格だとか、マジックのプレイが巧みであるとか、デック自体が独創的で輝きがあり、常に周囲を飽きさせないということだけではない。
Booksながしまというコミュニティー自体を作り上げ、引率し今日まで維持しているのが清水に他ならないからだ。
時が経ち、人が入れ替わっても、変わらない。常連だろうと、初めてのプレイヤーだろうと訳隔てなく接し、共に遊び、共に笑い、そうして新たなコミュニティーの一員へと迎え入れる。
清水自身が、清水のカリスマが、人を引き寄せ、魅了しているに違いない。
だから昨日1月31日に清水が結婚式を挙げた際、多くのながしま関係者が祝いと寂しさから式場へと駆けつけた。
結婚にあたり、
「清水、マジック辞める」てよ
と、情報元は不明だが、実しやかに囁かれていたからだ。
しかし、清水は来た。この予備予選へと。
「まだ、やり残したことがある」
仕事よりも、絆よりも、そして愛よりも尊いものがそこにはある。
Game1
互いにスゥルタイカラーなるも、その構成は大きく異なる。
クリーチャーを軸に、墓地を肥やしながらゲームを進めるシナジーの塊シディシウィップ。
スペルを軸に墓地を利用し、高速でスペルを使い回す、現在の王者のコントロール・スゥルタイコントロール。
互いに序盤は、占術や《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》といったカードでマナベースを拡張しながら、ゆっくりと墓地を肥やし続ける。
シディシ側はクリーチャーによるビートダウンを敢行したいが、キーカードである《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が誘発型能力スタック中に除去されてしまうとトークンが生成されないため、中々キャスト出来ない。
清水は7枚目の土地を置くと《女王スズメバチ/Hornet Queen(M15)》をキャスト。林はこれを《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》し、返すターン《啓示の解読/Interpret the Signs(JOU)》が《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》を捲り8ドローと一気に突き放す。
清水も《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》という新たなエンジンをキャストするも、そこへ《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret(KTK)》と《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が合わさると、清水の場は土地のみ。
悪夢の織り手の名に恥じず、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》が清水を絶望へと誘う。
清水 0-1 林
Game2
清水 恭爾は動かない。
例え相手が《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》をキャストしようが、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》しようが、手札を隠し通すと、動かない。
必ず流れがもう一度自分へと来るのを知っているかのように。
じっくりと相手が痺れを切らし、動く、隙が最大限に出来るまでは。
だから清水 恭爾は動かない。
1戦目同様占術でマナベースを作り、今回も林が《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》でペースを握る。
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》は《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》を捲りクロックを作り上げる。
清水は牽制気味に《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を除去させ、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》を通す。
起死回生の《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》と《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》のコンボも凌がれると、流石に敗色が濃厚になってくる。
しかしそれは、唐突にやってきた。
そう、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》だ。
能力でスペルを回収するのは勿論、林がここまで稼いだリソースを失ってまで《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》のリムーヴ能力で場を一掃させたのだ。
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》さえ引ければ、いける。
しかし、
林 隆智はミスをしない。
どんなに有利な状況でも、逆転の目潰すため。
手なりにならず、油断せず、甘えない。
だから林 隆智はミスをしない。
だが、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》がある林はリカバリースピードが速く、清水に時間を与えず、《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》で止めをさした。
マジック自体は、競技であるから勝敗がついてしまうが、互いに読み合い指し合いから導きだされるその解は、尊く、また美しい。
互いが高め合うからこそ、読み合いが生まれ、そこにマジックの面白さ、そして辞めに辞めれぬ情熱が、沸いてくるのではないか。
清水 0-2 林
林 Win!
スイスドロー最終戦となり、7位の市川と9位の蔵下の対戦をお届けしたい。
このマッチは、勝った方のみがトップ8へ抜けるという残酷なバブルマッチだ。
◆蔵下 慎治
普段はイエローサブマリン横浜ムービル店でFNM等へ参加し遊んでいるとのことであるが、国内グランプリだけでなく、グランプリ台北2014と海外の大会へも積極的に参加しているマジック好き。
「偶々車に同乗出来ただけです。」
謙虚に、それでいて淡々と蔵下は答えている。しかし『楽しみたいから』だとか『好きなカードを使いたいから』といったカジュアルな言葉は似つかわしくない。
『プレイは、その人の人柄を映し出す』、試合でその本心は聞けるだろう。
デックは、『アブザンアグロ』。メインは優良なクリーチャーをハンデスと除去でサポートビートダウンであるが、アブザンというカラーコンビネーション故のサイドボードの多様性が魅力の一つでもある。
◆市川 達也
埼玉県熊谷市所在の熊谷ワールドで友人達とマジックに勤しむプレイヤーであるが、その鋭い眼光は、対戦の流れ、勝負の流れ、惹いてはプロツアーを見据えているようである。
良いカードを引いても決して手なりでプレイせず、最適解を導き出そうと自分の中に存在する60枚へと思慮に沈み、放たれる一手一手は潔い。
デックは、「赤白ミッドレンジ」。強力無比な3マナクリーチャー達を火力や、現環境の《剣を鍬に/Swords to Plowshares(V13)》コト《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でサポートする。
Game1
とあるプレイヤーは言った。
この環境の鍵は「2回行動である」と。
先手の蔵下が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作りだし、軽快にダメージを刻みだす。3枚目の土地として《静寂の神殿/Temple of Silence(THS)》をセットしたことで、環境の大本命のアブザンビートと明らかになる。
淡々とセットランドするだけだった市川も、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去すると、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》と一気に展開してくる。
そう、ここで市川は「2回行動」。つまりは1ターンに《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》と《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を同時にキャストし、先手後手を入れ替えてみせたのだ。
アブザンはカード1枚1枚の質は申し分ないが、除去に関しては3マナがほとんどであり、受けに回ると1ターンに2回行動が取り辛く、押し切られやすい。
先手と後手が入れ替わると、市川は、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を流れるようにキャストし、蔵下がブロッカーとしてキャストしたクリーチャーを丁寧に除去し続け、そのまま削りきった。
蔵下 0-1 市川
Game2
今度はアブザン側の蔵下がその強さを見せ付ける。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を皮切りに、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とマナカーブ通りにクリーチャーを展開する。
市川も《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》を展開しているが、「先手だと強いが後手だと・・・」と言われる通り、そのサイズから攻撃にも防御にも回れず、まさに棒立ち状態である。
それでも《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、召集コストでの《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動でクリーチャーを排除するも、代償は大きくライフは残り2。
蔵下は、機を逃さず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
蔵下 1-1 市川
Game3
ここでアブザン側の蔵下が後手番となってしまう。そう、複数行動がし辛いアブザン側がだ。
更に間が悪いことに先手なら強い《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》から、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》へと繋がってしまい、クロックは尋常ならざる5点。
蔵下は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で押しとどめようとするも、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動を許し、間の悪いことに土地が3枚で止まってしまう。
事故った。引きが悪かった。しょうがない。1ターン、2ターン時間は経てども土地を引かない。運が悪い。
見ていた誰もが投げ出したい、諦めたい対戦であったことに間違いない。
でも、それでも蔵下は、諦めない。ライフを犠牲にしてでも除去を使い、勝利への細い細い道を手繰り寄せる。
デックも呼応するように、《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》と2回行動を可能とし、市川側のクリーチャーの大半がゴブリントークンだったこともあり、ライフを3残して一掃に成功する。
後、1枚。1枚の土地で手札の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》はキャストできる。
力強く引いたカードを横向きでセットし、ターンを返すと、市川の手から《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》が舞い降り、長い長い最終戦へ、終止符を打った。
蔵下 1-2 市川
市川 Win!
このマッチは、勝った方のみがトップ8へ抜けるという残酷なバブルマッチだ。
◆蔵下 慎治
普段はイエローサブマリン横浜ムービル店でFNM等へ参加し遊んでいるとのことであるが、国内グランプリだけでなく、グランプリ台北2014と海外の大会へも積極的に参加しているマジック好き。
「偶々車に同乗出来ただけです。」
謙虚に、それでいて淡々と蔵下は答えている。しかし『楽しみたいから』だとか『好きなカードを使いたいから』といったカジュアルな言葉は似つかわしくない。
『プレイは、その人の人柄を映し出す』、試合でその本心は聞けるだろう。
デックは、『アブザンアグロ』。メインは優良なクリーチャーをハンデスと除去でサポートビートダウンであるが、アブザンというカラーコンビネーション故のサイドボードの多様性が魅力の一つでもある。
◆市川 達也
埼玉県熊谷市所在の熊谷ワールドで友人達とマジックに勤しむプレイヤーであるが、その鋭い眼光は、対戦の流れ、勝負の流れ、惹いてはプロツアーを見据えているようである。
良いカードを引いても決して手なりでプレイせず、最適解を導き出そうと自分の中に存在する60枚へと思慮に沈み、放たれる一手一手は潔い。
デックは、「赤白ミッドレンジ」。強力無比な3マナクリーチャー達を火力や、現環境の《剣を鍬に/Swords to Plowshares(V13)》コト《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でサポートする。
Game1
とあるプレイヤーは言った。
この環境の鍵は「2回行動である」と。
先手の蔵下が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作りだし、軽快にダメージを刻みだす。3枚目の土地として《静寂の神殿/Temple of Silence(THS)》をセットしたことで、環境の大本命のアブザンビートと明らかになる。
淡々とセットランドするだけだった市川も、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去すると、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》と一気に展開してくる。
そう、ここで市川は「2回行動」。つまりは1ターンに《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》と《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を同時にキャストし、先手後手を入れ替えてみせたのだ。
アブザンはカード1枚1枚の質は申し分ないが、除去に関しては3マナがほとんどであり、受けに回ると1ターンに2回行動が取り辛く、押し切られやすい。
先手と後手が入れ替わると、市川は、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を流れるようにキャストし、蔵下がブロッカーとしてキャストしたクリーチャーを丁寧に除去し続け、そのまま削りきった。
蔵下 0-1 市川
Game2
今度はアブザン側の蔵下がその強さを見せ付ける。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を皮切りに、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とマナカーブ通りにクリーチャーを展開する。
市川も《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》を展開しているが、「先手だと強いが後手だと・・・」と言われる通り、そのサイズから攻撃にも防御にも回れず、まさに棒立ち状態である。
それでも《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、召集コストでの《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動でクリーチャーを排除するも、代償は大きくライフは残り2。
蔵下は、機を逃さず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
蔵下 1-1 市川
Game3
ここでアブザン側の蔵下が後手番となってしまう。そう、複数行動がし辛いアブザン側がだ。
更に間が悪いことに先手なら強い《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》から、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》へと繋がってしまい、クロックは尋常ならざる5点。
蔵下は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で押しとどめようとするも、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動を許し、間の悪いことに土地が3枚で止まってしまう。
事故った。引きが悪かった。しょうがない。1ターン、2ターン時間は経てども土地を引かない。運が悪い。
見ていた誰もが投げ出したい、諦めたい対戦であったことに間違いない。
でも、それでも蔵下は、諦めない。ライフを犠牲にしてでも除去を使い、勝利への細い細い道を手繰り寄せる。
デックも呼応するように、《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》と2回行動を可能とし、市川側のクリーチャーの大半がゴブリントークンだったこともあり、ライフを3残して一掃に成功する。
後、1枚。1枚の土地で手札の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》はキャストできる。
力強く引いたカードを横向きでセットし、ターンを返すと、市川の手から《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》が舞い降り、長い長い最終戦へ、終止符を打った。
蔵下 1-2 市川
市川 Win!
ここで勝利すればトップ8がぐっと近くなるRound4。
全勝しているプレイヤーはThe Last Sun2014チャンピオンの林 隆智と本日3人目となる新潟からの刺客、椎野 雅生。
◆林 隆智
埼玉、東京、神奈川、静岡の一都三県からなる広域コミュニティー『White House』で、週末に集まり腕を磨いている。
その成果がThe Last Sun2014チャンピオンであり、ここまで全勝(全マッチ2-0)という形で証明されている。
「ああ言えば、カウンター」、「そう言えば、カウンター」と周囲から揶揄される程のパーミッション好きであり、最強コントロール『スゥルタイコントロール』を使用している。
◆椎野 雅生
新潟県新発田市所在のカードショップデュエルガルドで友人達とプレイし、切磋琢磨している。
冒頭で述べた『プロツアーへ行きたいか!!』という問いに対し、力強く「はい」と答えたその瞳には、決意とここまでの練習に裏打ちされた自信が伺える。
椎野が持ち込んだのは、赤白ミッドレンジ。《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》ではなく、《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》が特徴的なレシピだが、その力はどうだろう。
Game1
椎野は、ボロスカラーのマナベースから《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》をキャストし、林も呼応するように《胆汁病/Bile Blight(BNG)》を連打する。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》が最初のダメージを刻みだすも、後続の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》は《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》を合わせる。
《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と合わさり、一時的に林のライフは6まで減少するが、《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》から《荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave(BNG)》で鉄壁の場を作り上げる。
序盤の猛攻を凌がれても1枚1枚のカードパワーは高く、盤面を再構築していきたい椎野だが、マナフラッド気味であり、林の2枚目3枚目の《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が、絶望を与えていく。
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》をキャストし、後続を《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》でカウンターすると、奥義へと繋ぐと王者のマジック。
林 1-0 椎野
Game2
《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》エンド、メインと緩急をつけながら攻める椎野に対し、林は多少ダメージを受けようとも、コントロール宜しくエンドステップに慎重に除去っていく。
椎野は5枚目の土地をセットするや否や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》で勝負に出るが、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》を、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を重ねられ、墓地と合わせて《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》と複数行動を許してしまう。
『1ターンに複数行動できるデックが強い。それがコントロールなら尚更強い。』
林の言葉通り、鉄壁な手札を作り上げると、椎野へ《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret(KTK)》を突きつけ、手札を攻める。
ここで火力2枚を奪ったのは大きいが、さらに削ったライブラリーが探索の血肉となって、動きを加速させる。
何とかダメージを継続したい椎野に対し、《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》の召喚から《部族養い/Feed the Clan(KTK)》をキャストすると、ライフは二桁まで引き上げられ、圏外へ。
それでも諦めない椎野の心を折るかのように林の手札からは、
「ああ言えばカウンター」の《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》
林 2-0 椎野
林 Win!
全勝しているプレイヤーはThe Last Sun2014チャンピオンの林 隆智と本日3人目となる新潟からの刺客、椎野 雅生。
◆林 隆智
埼玉、東京、神奈川、静岡の一都三県からなる広域コミュニティー『White House』で、週末に集まり腕を磨いている。
その成果がThe Last Sun2014チャンピオンであり、ここまで全勝(全マッチ2-0)という形で証明されている。
「ああ言えば、カウンター」、「そう言えば、カウンター」と周囲から揶揄される程のパーミッション好きであり、最強コントロール『スゥルタイコントロール』を使用している。
◆椎野 雅生
新潟県新発田市所在のカードショップデュエルガルドで友人達とプレイし、切磋琢磨している。
冒頭で述べた『プロツアーへ行きたいか!!』という問いに対し、力強く「はい」と答えたその瞳には、決意とここまでの練習に裏打ちされた自信が伺える。
椎野が持ち込んだのは、赤白ミッドレンジ。《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》ではなく、《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》が特徴的なレシピだが、その力はどうだろう。
Game1
椎野は、ボロスカラーのマナベースから《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》をキャストし、林も呼応するように《胆汁病/Bile Blight(BNG)》を連打する。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》が最初のダメージを刻みだすも、後続の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》は《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》を合わせる。
《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と合わさり、一時的に林のライフは6まで減少するが、《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》から《荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave(BNG)》で鉄壁の場を作り上げる。
序盤の猛攻を凌がれても1枚1枚のカードパワーは高く、盤面を再構築していきたい椎野だが、マナフラッド気味であり、林の2枚目3枚目の《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が、絶望を与えていく。
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》をキャストし、後続を《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》でカウンターすると、奥義へと繋ぐと王者のマジック。
林 1-0 椎野
Game2
《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》エンド、メインと緩急をつけながら攻める椎野に対し、林は多少ダメージを受けようとも、コントロール宜しくエンドステップに慎重に除去っていく。
椎野は5枚目の土地をセットするや否や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》で勝負に出るが、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》を、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を重ねられ、墓地と合わせて《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》と複数行動を許してしまう。
『1ターンに複数行動できるデックが強い。それがコントロールなら尚更強い。』
林の言葉通り、鉄壁な手札を作り上げると、椎野へ《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret(KTK)》を突きつけ、手札を攻める。
ここで火力2枚を奪ったのは大きいが、さらに削ったライブラリーが探索の血肉となって、動きを加速させる。
何とかダメージを継続したい椎野に対し、《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》の召喚から《部族養い/Feed the Clan(KTK)》をキャストすると、ライフは二桁まで引き上げられ、圏外へ。
それでも諦めない椎野の心を折るかのように林の手札からは、
「ああ言えばカウンター」の《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》
林 2-0 椎野
林 Win!
ここではタルキールからマジックに復帰した群馬の清水と、新潟から遠征してきた『元祖スタンダードの神』木原という、奇しくもRound1同様群馬vs新潟のプレイヤーの対戦をフューチャーしたい。
◆清水 駿也
群馬県高崎市所在のトレジャーキャッツを中心に、Booksながしま等色々なコミュニティーへ足を運び、着々と実力をつけつつある。
「練習が人を強くする」とは彼自身の言葉であり、前環境から愛用する『アブザンビート』をアップデートし、本大会に望んでいる。
◆木原 惇希
新潟在住の彼に対し「プレイ場所は?」という質問してところ、「我が家(木原家)」と答えてくれた元祖神木原。どうやら神を中心としたマジックコミュニティが形成されているようだ。
コントロール好きとの印象が強く、デックを確認したところ、今回も相棒に『スゥルタイコントロール』を選択している。
Game1
先手の清水はアブザンカラーのトライランドから《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、更に《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》の2ドローを挟んで新カード《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》をキャストするも、木原は落ち着いた様子で除去スペルを重ね、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》で攻めに転じる。
清水は《思考囲い/Thoughtseize(THS)》をキャストするも、スタックして《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》でカードを揃え、
《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、《信者の沈黙/Silence the Believers(JOU)》、《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》
を公開し、清水は《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》を選択した。
続けて《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》で《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》を狙い盤面こそ優位になるが、木原は《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で回答策を次々と引き寄せる。
このまま続けても無駄と悟り、清水はサイドボードへと手を伸ばした。
清水 0-1 木原
Game2
後手の木原はマリガン。
清水の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》を奪い、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作り出す。
木原は2枚目の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》は許さず《否認/Negate(M15)》し、一時は《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》で盤面を一掃するも、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》の連打には、単発除去が足らず、勝負の行方はGame3へ
清水 1-1 木原
Game3
ここまでの試合経過でキーポイントが判明している。
清水は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》から軽量のクロックを用意出来るか。
他方木原は、軽量除去から《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》といったドローカードへと繋げられるかが焦点となっている。
清水は、後手ながら2ターン目にキーポイントである《思考囲い/Thoughtseize(THS)》を打ち
《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》、《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》
から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を捨てさせる。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》でクロックは用意できたが、木原が召喚した《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》が除去できなかったため、手札に《否認/Negate(M15)》、《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》と軽量カウンターを残したままライフを削れない状況になってしまう。
だが苦しいのは清水だけではない。木原は、ライブラリートップを捲れど土地が伸びない。カウンターを使い切るやメインで《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で強引に土地を伸ばしにくる。
清水がこの隙を見逃すはずはなく、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》でクロックアップを図るが、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》が土地とスペルとを交互に供給していく。
3枚目の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は通し、木原は2枚目の《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で回答を探しにいく。
そう、サイと、次の脅威へ備えて。
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》し、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》で攻め手を奪い、逆にフリーコストでクロックを生成する。
清水は、最後の望みである《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》まで繋ぎ、《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》が土地をどんどんクリーチャー化させ、戦力を枯渇させない。
木原は、《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15) 》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》でハンドを整えると、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》で最後の砦《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》を対処する。
盤面に並ぶパワー4は4体なれど、木原の手には2枚の《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》。
勝った。
しかし勝ちすぎた。
盤面は王者なれども、時間が足りない。時間は止められない。
そう、マジックならね。
清水 1-1-1 木原
◆清水 駿也
群馬県高崎市所在のトレジャーキャッツを中心に、Booksながしま等色々なコミュニティーへ足を運び、着々と実力をつけつつある。
「練習が人を強くする」とは彼自身の言葉であり、前環境から愛用する『アブザンビート』をアップデートし、本大会に望んでいる。
◆木原 惇希
新潟在住の彼に対し「プレイ場所は?」という質問してところ、「我が家(木原家)」と答えてくれた元祖神木原。どうやら神を中心としたマジックコミュニティが形成されているようだ。
コントロール好きとの印象が強く、デックを確認したところ、今回も相棒に『スゥルタイコントロール』を選択している。
Game1
先手の清水はアブザンカラーのトライランドから《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、更に《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》の2ドローを挟んで新カード《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》をキャストするも、木原は落ち着いた様子で除去スペルを重ね、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》で攻めに転じる。
清水は《思考囲い/Thoughtseize(THS)》をキャストするも、スタックして《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》でカードを揃え、
《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、《信者の沈黙/Silence the Believers(JOU)》、《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》
を公開し、清水は《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》を選択した。
続けて《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》で《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》を狙い盤面こそ優位になるが、木原は《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で回答策を次々と引き寄せる。
このまま続けても無駄と悟り、清水はサイドボードへと手を伸ばした。
清水 0-1 木原
Game2
後手の木原はマリガン。
清水の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》を奪い、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作り出す。
木原は2枚目の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》は許さず《否認/Negate(M15)》し、一時は《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》で盤面を一掃するも、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》の連打には、単発除去が足らず、勝負の行方はGame3へ
清水 1-1 木原
Game3
ここまでの試合経過でキーポイントが判明している。
清水は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》から軽量のクロックを用意出来るか。
他方木原は、軽量除去から《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15)》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》といったドローカードへと繋げられるかが焦点となっている。
清水は、後手ながら2ターン目にキーポイントである《思考囲い/Thoughtseize(THS)》を打ち
《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》、《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》
から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を捨てさせる。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》でクロックは用意できたが、木原が召喚した《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》が除去できなかったため、手札に《否認/Negate(M15)》、《果敢な一撃/Defiant Strike(KTK)》と軽量カウンターを残したままライフを削れない状況になってしまう。
だが苦しいのは清水だけではない。木原は、ライブラリートップを捲れど土地が伸びない。カウンターを使い切るやメインで《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で強引に土地を伸ばしにくる。
清水がこの隙を見逃すはずはなく、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》でクロックアップを図るが、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》が土地とスペルとを交互に供給していく。
3枚目の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は通し、木原は2枚目の《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で回答を探しにいく。
そう、サイと、次の脅威へ備えて。
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》し、《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》で攻め手を奪い、逆にフリーコストでクロックを生成する。
清水は、最後の望みである《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》まで繋ぎ、《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》が土地をどんどんクリーチャー化させ、戦力を枯渇させない。
木原は、《ジェイスの創意/Jace’s Ingenuity(M15) 》、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》でハンドを整えると、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》で最後の砦《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker(M15)》を対処する。
盤面に並ぶパワー4は4体なれど、木原の手には2枚の《霊気渦竜巻/AEtherspouts(M15)》。
勝った。
しかし勝ちすぎた。
盤面は王者なれども、時間が足りない。時間は止められない。
そう、マジックならね。
清水 1-1-1 木原
『プロツアーへ行きたいか!!』
その問いに答えるべく、県内外から39名ものプレイヤーがここ群馬のBooksながしまで開催されるプロツアー予備予選・バンクーバー2015へ参加を表明している。
『運命再編』の発売直後ということもあり、様々なカードがデックへと散りばめられている。
発売前から噂されていた《魂火の大導師/Soulfire Grand Master(FRF)》や《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》、《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》といったカード達が環境を支配するのか、はたまた予期せぬカードが環境を変えるのか。
まさに、今、スタンダード環境から目が離せない。
Round1ではそれぞれの地方で『運命再編』の与えた影響を検証すべく、地元群馬県在住の井田と、プロツアー京都2009トップ8の実績を持つ構築の雄、新潟在住の棚橋の試合をお送りしたい。
◆井田 隆雅
群馬県を拠点に活動しており、休日になれば友人を集めBooksながしまでドラフトをしている姿をよく目にする。カード単体のパワーよりも、それぞれの噛み合わせによって真価を発揮させる傾向にある。
そのため今回のデックは、シナジーの塊『シディシウィップ』
◆棚橋 雅康
プロツアー京都2009ではカードパワーとシナジーとが絶妙なバランスで構成されたフェアリーを使いトップ8に残った経歴を持つ、「新潟といえば、たなー」コト棚橋 雅康。
現在は、長岡市のコミュニティーを中心に活動しており、今回もプロツアーの権利のため、群馬県まで遠征している。
使用デックは、『ボロスミッドレンジ』。
カラーコンビネーションこそ違えど、コストパフォーマンスの良いクリーチャーを並べ、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去し、効率よくダメージを稼いでいくこのデックは、現環境の『青黒フェアリー』となり得るかもしれない。
さあ、プロツアーへの第一歩を歩み始めよう。
Game1
ボロスミッドレンジを使用する棚橋の先手でゲームがスタートし、前環境同様に占術ランドでドローを操作し、ゲームを進行していく。
先にダメージソースを展開したのは井田の《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》であり、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》と合わせ、墓地とライブラリーを操作し続ける。
長引かせれば不利と分かっている棚橋は、赤と白のマナベースから《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》をキャストし、ミッドレンジ宜しく横綱相撲へもっていく。
《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》は《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、井田の《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》は《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》交換が続き、ゲームが膠着しつつある。
次の一手を打ったのは井田。《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が暴くのは、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》2枚。
ここからドラゴンを1枚捨てさせる。井田の手札には《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》が握られている。
棚橋はそこから強引に《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》2枚目を積もって戦線を維持してくる。
《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》の+1と±0を交互に使いアドバンテージを稼ぐも、ここで井田もシディシのダイナモ、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》がキャストし、すぐさま《女王スズメバチ/Hornet Queen(M15)》をリアニメートしてくる。
棚橋は単発除去を惜しまずトークンへ使い、《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》を維持し、墓地が肥えない井田は苦しいところ。
だがここでキャストされた《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が墓地と場へどんどんリソースを補充してくる。
1枚目は対処しても墓地を削る能力で2枚目、3枚目の《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が増えてくる。
棚橋は《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》と地上は捨て、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》に最後の望みをかけるも、一度回りだした《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》と《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》のシナジーを凌駕することは不可能であった。
井田 1-0 棚橋
Game2
後手の井田はダブルマリガン。
《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を捨てさせるも、棚橋は《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》が強烈なクロックを形成してくる。
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》は《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》で止められ、あっという間に星を取り返す。
井田 1-1 棚橋
Game3
井田の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》1枚と《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》という強烈なハンドから《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》を捨てさせ、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》は《悲哀まみれ/Drown in Sorrow(BNG)》と、試合をコントロールしていく。
小さいながらも《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》コツコツ殴り始めると、トークン対して抜群の効果がある《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》が追加のクロックとして登場する。
追い討ちをけkるように《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》をキャストし、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》を2枚使わせるとドロー手段のない棚橋は息切れ気味に。
2枚目の白マナを用意すると《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》と展開し、逆転を図るも、《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》は止まらない。
《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が更なる《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》を導くと作り上げたトークンも吹き飛び、そのまま棚橋のライフは0を割った。
井田 2-1 棚橋
井田 Win!
2009/10/12 GPT板橋2次 シールドデック構築:棚橋 雅康(新潟)
2009年10月25日 カバレージ コメント (1)
来週行われるGP新潟のために、82人ものプレイヤーが参加しているGPT大山。今回は3byeを取りに新潟から遠征してきたプロプレイヤー、棚橋 雅康(新潟)のシールド構築を追ってみた。この環境はまだ数回しかシールドはしていないと語るが、その練習から見つけたストラテジーとは一体何だろうか?
◆いざ、構築
パックをチェックし、すぐさま黒いカードをレイアウトし始めた。《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》、《湿地での被災/Marsh Casualties》、といった爆弾カードのオンパレードなのだ。クリーチャーも綺麗なマナカーブを描いており、黒は確定のようである。そうなると問題はもう1色。残り4色から一体どうやって、どの色を選択するのだろうか。
先ず手に取ったのは有効色である赤。足りないマナ域のクリーチャーといくつかの追加の除去呪文があり。3マナ域こそないが、相性は良さそうに見える。だがこれで決めるのは早計と、別の色を並べ始める。
次に取ったのは緑。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》、《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》といった優秀な3マナ域に加え、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》といったゲームエンド級のファッティもある。シールドは多少遅いゲームであるため、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》、《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》もキッカー込みでプレイし易い。
青白は一瞥しただけで、ポイ。2色目は赤と緑のどちらかになりそうである。
クリーチャー、呪文のバランスを見て、赤を選んだ。バランスを見てカードいくつかのカード(《尖塔の連射/Spire Barrage》、《カルニの宝石/Khalni Gem》)といったカードをサイドボードに落とし、お試しカード《電撃力/Electropotence》を入れ、デック完成。
1色を巡る構築。最終的に決めてはなんだったのだろうか?
◆棚橋の考えるシールド論
最もやりたい色は何かと聞くと、即答で黒と帰ってきた。一体なぜだろう?
棚橋「やっぱりテンポで押したいんですよね。軽いクリーチャーに除去、理想的ですね。クリーチャーもただ序盤に強い軽いものだけでなく、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》や《血の求道者/Blood Seeker》のような後半でも強いカード、シナジーを生むカードが揃っているんです。」
実際棚橋のパックには《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》、《血の求道者/Blood Seeker》が2枚ずつ入っていたのだ。爆弾カードだけでなく、脇を固めるカードもある。納得の選択である。
では2色目はどうやって決めたのだろう?
棚橋「黒を生かす組み合わせは赤か青だと思うんです。赤にも優秀なクリーチャーや除去がありますからね。押し切りやすいです。青は回避持ち(飛行などのブロックが困難な能力)が多く《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》などの条件が満たしやすいです。それだけでゲームに勝てる可能性もありますから。」
練習から見つけ出した彼のストラテジーに狂いはない。最終的にレアパワーしかない青は諦めた形となった。
デックの出来としては80点。予選は抜けるのには十分過ぎるように感じるが、本人は
棚橋「関東のプレイヤーはレベル高いって聞きますからね。どうでしょう。0-2ドロップとか嫌だなぁ。」
と謙遜している様子。
これにて棚橋プロのシールド講座は終了となる。願わくはこのデックでもって決勝へと勝ち進んでもらいたいが、どうだろうか。
デックリスト
18土地
10《沼/Swamp》
7《山/Mountain》
1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
14クリーチャー
2《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
1《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
2《血の求道者/Blood Seeker》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
1《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
1《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》
1《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
1《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》
1《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
1《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》
8呪文
1《信頼おける山刀/Trusty Machete》
1《見栄え損ない/Disfigure》
1《湿地での被災/Marsh Casualties》
1《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
1《罰する火/Punishing Fire》
1《電撃力/Electropotence》
1《マグマの裂け目/Magma Rift》
1《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
サイドボード
1《勇敢な防御/Bold Defense》
1《精霊への挑戦/Brave the Elements》
2《隊商のハルダ/Caravan Hurda》
1《未達への旅/Journey to Nowhere》
1《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3《命拾い/Narrow Escape》
1《雨雲の翼/Nimbus Wings》
1《気高き面影/Noble Vestige》
1《落とし穴の罠/Pitfall Trap》
1《世界を鎮める者/World Queller》
2《突風の統率者/Caller of Gales》
1《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》
1《無気力の罠/Lethargy Trap》
1《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》
1《古き秘密の探索/Quest for Ancient Secrets》
1《無謀な識者/Reckless Scholar》
1《海門の伝承師/Sea Gate Loremaster》
1《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《広がりゆく海/Spreading Seas》
1《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
1《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
2《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
1《愚鈍な虚身/Mindless Null》
2《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1《吸血鬼の一噛み/Vampire’s Bite》
2《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
1《尖塔の連射/Spire Barrage》
1《不安定な足場/Unstable Footing》
1《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
1《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》
1《開拓地の先達/Frontier Guide》
1《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
1《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
1《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen》
1《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》
1《原初の怒声/Primal Bellow》
1《秘宝の破壊/Relic Crush》
1《野蛮な影法師/Savage Silhouette》
1《タジュールの射手/Tajuru Archer》
1《絡め汁/Tanglesap》
1《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》
1《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger》
1《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
1《カルニの宝石/Khalni Gem》
2《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》
1《灰色革の隠れ家/Graypelt Refuge》
1《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
◆1日を終えて
長かった7回戦も終わり、上位8名はこれから決勝ドラフトがあるわけだが、果たして棚橋の名は、そこにあるのだろうか?
棚橋「4-3でポンでした。」
カード自体は強そうに見えたが、残念ながら予選敗退となってしまった棚橋。傷をえぐるようで申し訳ないが、感想・反省等を聞いてみた。
棚橋「負けた原因は色事故ですかね。ボム(強力なレア)はそこまで重要ではなく、本当にスピード勝負だった感じがします。互いにノーガードの殴り合いで、気が付いたら死んでいる。だから序盤にダメージレースで後れを取ってしまうと、挽回するのは大変ですね。」
シールドにも関わらず、先手を選ぶプレイヤーは少なくないこの環境。先手の理を生かすためにも、安定したマナベースが重要なようだ。
そういえば《電撃力/Electropotence》はどうだったのだろうか?
棚橋「《電撃力/Electropotence》は空気!!すぐ抜きましたよ。」
赤マナを含む3マナを余分に払いながら、クリーチャーをキャストするには、少し環境が速すぎたようだ。やはりレアは使ってみなければ、わからない。
そういった点も含めて、家で再び構築し直してみます、と真摯な態度で去って行った棚橋。
これをバネに、彼の北九州での活躍に期待したい。
◆いざ、構築
パックをチェックし、すぐさま黒いカードをレイアウトし始めた。《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》、《湿地での被災/Marsh Casualties》、といった爆弾カードのオンパレードなのだ。クリーチャーも綺麗なマナカーブを描いており、黒は確定のようである。そうなると問題はもう1色。残り4色から一体どうやって、どの色を選択するのだろうか。
先ず手に取ったのは有効色である赤。足りないマナ域のクリーチャーといくつかの追加の除去呪文があり。3マナ域こそないが、相性は良さそうに見える。だがこれで決めるのは早計と、別の色を並べ始める。
次に取ったのは緑。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》、《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》といった優秀な3マナ域に加え、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》といったゲームエンド級のファッティもある。シールドは多少遅いゲームであるため、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》、《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》もキッカー込みでプレイし易い。
青白は一瞥しただけで、ポイ。2色目は赤と緑のどちらかになりそうである。
クリーチャー、呪文のバランスを見て、赤を選んだ。バランスを見てカードいくつかのカード(《尖塔の連射/Spire Barrage》、《カルニの宝石/Khalni Gem》)といったカードをサイドボードに落とし、お試しカード《電撃力/Electropotence》を入れ、デック完成。
1色を巡る構築。最終的に決めてはなんだったのだろうか?
◆棚橋の考えるシールド論
最もやりたい色は何かと聞くと、即答で黒と帰ってきた。一体なぜだろう?
棚橋「やっぱりテンポで押したいんですよね。軽いクリーチャーに除去、理想的ですね。クリーチャーもただ序盤に強い軽いものだけでなく、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》や《血の求道者/Blood Seeker》のような後半でも強いカード、シナジーを生むカードが揃っているんです。」
実際棚橋のパックには《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》、《血の求道者/Blood Seeker》が2枚ずつ入っていたのだ。爆弾カードだけでなく、脇を固めるカードもある。納得の選択である。
では2色目はどうやって決めたのだろう?
棚橋「黒を生かす組み合わせは赤か青だと思うんです。赤にも優秀なクリーチャーや除去がありますからね。押し切りやすいです。青は回避持ち(飛行などのブロックが困難な能力)が多く《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》などの条件が満たしやすいです。それだけでゲームに勝てる可能性もありますから。」
練習から見つけ出した彼のストラテジーに狂いはない。最終的にレアパワーしかない青は諦めた形となった。
デックの出来としては80点。予選は抜けるのには十分過ぎるように感じるが、本人は
棚橋「関東のプレイヤーはレベル高いって聞きますからね。どうでしょう。0-2ドロップとか嫌だなぁ。」
と謙遜している様子。
これにて棚橋プロのシールド講座は終了となる。願わくはこのデックでもって決勝へと勝ち進んでもらいたいが、どうだろうか。
デックリスト
18土地
10《沼/Swamp》
7《山/Mountain》
1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
14クリーチャー
2《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
1《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
2《血の求道者/Blood Seeker》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
1《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
1《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》
1《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
1《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》
1《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
1《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》
8呪文
1《信頼おける山刀/Trusty Machete》
1《見栄え損ない/Disfigure》
1《湿地での被災/Marsh Casualties》
1《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
1《罰する火/Punishing Fire》
1《電撃力/Electropotence》
1《マグマの裂け目/Magma Rift》
1《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
サイドボード
1《勇敢な防御/Bold Defense》
1《精霊への挑戦/Brave the Elements》
2《隊商のハルダ/Caravan Hurda》
1《未達への旅/Journey to Nowhere》
1《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3《命拾い/Narrow Escape》
1《雨雲の翼/Nimbus Wings》
1《気高き面影/Noble Vestige》
1《落とし穴の罠/Pitfall Trap》
1《世界を鎮める者/World Queller》
2《突風の統率者/Caller of Gales》
1《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》
1《無気力の罠/Lethargy Trap》
1《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》
1《古き秘密の探索/Quest for Ancient Secrets》
1《無謀な識者/Reckless Scholar》
1《海門の伝承師/Sea Gate Loremaster》
1《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《広がりゆく海/Spreading Seas》
1《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
1《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
2《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
1《愚鈍な虚身/Mindless Null》
2《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1《吸血鬼の一噛み/Vampire’s Bite》
2《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
1《尖塔の連射/Spire Barrage》
1《不安定な足場/Unstable Footing》
1《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
1《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》
1《開拓地の先達/Frontier Guide》
1《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
1《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
1《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen》
1《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》
1《原初の怒声/Primal Bellow》
1《秘宝の破壊/Relic Crush》
1《野蛮な影法師/Savage Silhouette》
1《タジュールの射手/Tajuru Archer》
1《絡め汁/Tanglesap》
1《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》
1《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger》
1《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
1《カルニの宝石/Khalni Gem》
2《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》
1《灰色革の隠れ家/Graypelt Refuge》
1《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
◆1日を終えて
長かった7回戦も終わり、上位8名はこれから決勝ドラフトがあるわけだが、果たして棚橋の名は、そこにあるのだろうか?
棚橋「4-3でポンでした。」
カード自体は強そうに見えたが、残念ながら予選敗退となってしまった棚橋。傷をえぐるようで申し訳ないが、感想・反省等を聞いてみた。
棚橋「負けた原因は色事故ですかね。ボム(強力なレア)はそこまで重要ではなく、本当にスピード勝負だった感じがします。互いにノーガードの殴り合いで、気が付いたら死んでいる。だから序盤にダメージレースで後れを取ってしまうと、挽回するのは大変ですね。」
シールドにも関わらず、先手を選ぶプレイヤーは少なくないこの環境。先手の理を生かすためにも、安定したマナベースが重要なようだ。
そういえば《電撃力/Electropotence》はどうだったのだろうか?
棚橋「《電撃力/Electropotence》は空気!!すぐ抜きましたよ。」
赤マナを含む3マナを余分に払いながら、クリーチャーをキャストするには、少し環境が速すぎたようだ。やはりレアは使ってみなければ、わからない。
そういった点も含めて、家で再び構築し直してみます、と真摯な態度で去って行った棚橋。
これをバネに、彼の北九州での活躍に期待したい。
菅谷とのトップデック合戦を制し、決勝まで勝ち上がってきた佐々木。
彼の対戦相手は2008年日本選手権トップ8仙波 恒太郎。今回のデックは青白で、オーソドックスにして王道の地上を止め、空中から勝利するものとなっている。
Game1
佐々木の手札:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》、《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》、《森/Forest》、2《沼/Swamp》
佐々木が《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》とお決まりのビートダウンスタイルでスタートをきり、仙波は《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》から《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》でなんとかゲームをスローダウンさせようとする。
《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》の能力で毎ターン1点失っているため、ライフカウントは16-16。だが盤面は2枚目の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》から《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》をキャストした佐々木が大分有利である。
この4/4、3/3の2体の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》で攻撃に出るが、待ち受けていたのは《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》。4/4まで育てた方が討ち取られてしまう。
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を含む3体のクリーチャーで攻撃するも、そこには2枚目の《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》がキャストされ、場は壊滅。仙波にクロックがないのは唯一の救いといえる。
このフルタップの隙に《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》をキャストすることに成功するが、これには予定調和的に《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》。
遂に仙波は《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》をキャストし、クロックを作る。毎ターン2点のダメージを与え、次のターン勝負が決まるというところまで追い詰める。
佐々木は手札から土地をセットし、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》でライフを14に引き上げる。そう、仙波は一気に削り切るか、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》を破壊しなければ、いくらクロックがあろうと意味がないのだ。
仙波は《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》をキャスト、クロックを7点までアップすることで、毎ターンセットランドを強いる。
だが佐々木の手札は土地に溢れており、減っては増えのイタチゴッコ。《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》によって仙波のライブラリーは数枚になっており、打開策を引けぬまま終わってしまうのかと思われたが、試合は意外な決着を見せる。
ジャッジ「今《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》の能力、宣言しました?この能力はmayだから。」
なんとセットランドした際、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》の誘発を宣言しなかったという裁定が下され、ライフ7の佐々木は削り切られてしまったのだ。
仙波1-0佐々木
両者数枚をサイドボード。
Gam2
佐々木の手札:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》、《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger(ZEN)》、2《沼/Swamp(ZEN)》、《森/Forest(ZEN)》
佐々木は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》に加え、このマッチのキーカードといってもいい《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》を召喚することに成功した。
《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》でクロックは作れるも、守りが全くなく、ダメージレースにすらならない。何より《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》が止まらないのだ。
結局そのまま押し切る形となった。
仙波1-1佐々木
Game3
佐々木の手札:《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》、《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》、2《森/Forest(ZEN)》、《沼/Swamp(ZEN)》
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》に《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove(ZEN)》を使い3点削りながら《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》と、いつも通りよい展開。
仙波は土地が2枚で一度止まってしまい、先手後手が入れ替わった形となった。
佐々木はすぐさま《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》2体目により、サイズアップを図り、ブロックした《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate(ZEN)》に対しても《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》をキャストし、盤面の優位を保とうとする。ライフは佐々木20-15仙波。
《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》がキャストされた時、仙波のライフは10。僅か5ターンの命となってしまう。
《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を考え、3体以下のクリーチャーで攻撃を繰り返す佐々木。
青マナの2枚目を引いた仙波は5マナ確保し、ターンを返した。
現在の場は
佐々木
ライフ:20
場 :《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》、《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》(サイズは2/2)、《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》
仙波
ライフ:6
場 :《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、3《平地/Plains(ZEN)》、2《島/Island(ZEN)》
《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》で《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》を3/3とし、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を警戒し、3体のみで攻撃するも、ここでキャストされたのは《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》ではなく、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》と《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》をバウンス、大きくテンポを崩されてしまう。2点のダメージが入り残り4。
ドローゴーでターンを返した仙波に対し、佐々木は《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》4/4、《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》で攻撃。今度は《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》がキャストされ、ブロックも合わせ盤面は一掃。《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》で残り2とし、第2メインに《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》を勢いよくキャスト。これは勝負ありだろうか?
静かにドローすると、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》で《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》を排除。
《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》も《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》+《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》で裁き、ギリギリ踏みとどまる。
2枚目の《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》には《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》し、《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake(ZEN)》の加護の元《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》がキャストされる。
クリーチャーならばなんでもいい、祈るようにカードを引くも土地ばかり。
カウンターが4つになったエンドに、4体の天使トークンが降臨し、ゲームは終了。仙波の勝利となった。
仙波2-1佐々木
bye3獲得おめでとう、仙波 垣太郎!
彼の対戦相手は2008年日本選手権トップ8仙波 恒太郎。今回のデックは青白で、オーソドックスにして王道の地上を止め、空中から勝利するものとなっている。
Game1
佐々木の手札:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》、《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》、《森/Forest》、2《沼/Swamp》
佐々木が《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》とお決まりのビートダウンスタイルでスタートをきり、仙波は《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》から《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》でなんとかゲームをスローダウンさせようとする。
《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》の能力で毎ターン1点失っているため、ライフカウントは16-16。だが盤面は2枚目の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》から《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》をキャストした佐々木が大分有利である。
この4/4、3/3の2体の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》で攻撃に出るが、待ち受けていたのは《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》。4/4まで育てた方が討ち取られてしまう。
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を含む3体のクリーチャーで攻撃するも、そこには2枚目の《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》がキャストされ、場は壊滅。仙波にクロックがないのは唯一の救いといえる。
このフルタップの隙に《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》をキャストすることに成功するが、これには予定調和的に《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》。
遂に仙波は《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》をキャストし、クロックを作る。毎ターン2点のダメージを与え、次のターン勝負が決まるというところまで追い詰める。
佐々木は手札から土地をセットし、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》でライフを14に引き上げる。そう、仙波は一気に削り切るか、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》を破壊しなければ、いくらクロックがあろうと意味がないのだ。
仙波は《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》をキャスト、クロックを7点までアップすることで、毎ターンセットランドを強いる。
だが佐々木の手札は土地に溢れており、減っては増えのイタチゴッコ。《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》によって仙波のライブラリーは数枚になっており、打開策を引けぬまま終わってしまうのかと思われたが、試合は意外な決着を見せる。
ジャッジ「今《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》の能力、宣言しました?この能力はmayだから。」
なんとセットランドした際、《永遠の器/Eternity Vessel(ZEN)》の誘発を宣言しなかったという裁定が下され、ライフ7の佐々木は削り切られてしまったのだ。
仙波1-0佐々木
両者数枚をサイドボード。
Gam2
佐々木の手札:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》、《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger(ZEN)》、2《沼/Swamp(ZEN)》、《森/Forest(ZEN)》
佐々木は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》に加え、このマッチのキーカードといってもいい《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》を召喚することに成功した。
《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》でクロックは作れるも、守りが全くなく、ダメージレースにすらならない。何より《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》が止まらないのだ。
結局そのまま押し切る形となった。
仙波1-1佐々木
Game3
佐々木の手札:《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》、《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》、2《森/Forest(ZEN)》、《沼/Swamp(ZEN)》
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》に《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove(ZEN)》を使い3点削りながら《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》と、いつも通りよい展開。
仙波は土地が2枚で一度止まってしまい、先手後手が入れ替わった形となった。
佐々木はすぐさま《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》2体目により、サイズアップを図り、ブロックした《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate(ZEN)》に対しても《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》をキャストし、盤面の優位を保とうとする。ライフは佐々木20-15仙波。
《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》がキャストされた時、仙波のライフは10。僅か5ターンの命となってしまう。
《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を考え、3体以下のクリーチャーで攻撃を繰り返す佐々木。
青マナの2枚目を引いた仙波は5マナ確保し、ターンを返した。
現在の場は
佐々木
ライフ:20
場 :《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》、《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》(サイズは2/2)、《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》
仙波
ライフ:6
場 :《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、3《平地/Plains(ZEN)》、2《島/Island(ZEN)》
《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》で《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》を3/3とし、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を警戒し、3体のみで攻撃するも、ここでキャストされたのは《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》ではなく、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》と《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》をバウンス、大きくテンポを崩されてしまう。2点のダメージが入り残り4。
ドローゴーでターンを返した仙波に対し、佐々木は《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》4/4、《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》で攻撃。今度は《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》がキャストされ、ブロックも合わせ盤面は一掃。《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》で残り2とし、第2メインに《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》を勢いよくキャスト。これは勝負ありだろうか?
静かにドローすると、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》で《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》を排除。
《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》も《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》+《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》で裁き、ギリギリ踏みとどまる。
2枚目の《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》には《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》し、《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake(ZEN)》の加護の元《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》がキャストされる。
クリーチャーならばなんでもいい、祈るようにカードを引くも土地ばかり。
カウンターが4つになったエンドに、4体の天使トークンが降臨し、ゲームは終了。仙波の勝利となった。
仙波2-1佐々木
bye3獲得おめでとう、仙波 垣太郎!
佐々木は元D-0プレイヤーであり、マジックでいうところのGPで3度トップ8に残っている強豪である。
マジックは始めてまだ半年。短いキャリアにも関わらず、初のリミテッドGPである新潟では2日目に進出している。
D-0の経験があるとはいえ、短期間にこれほど強くなるには一体どんな練習をしているのか。そのことを聞いてみると、
佐々木「いや、週末の大会だけっす。実践が一番の練習になるんで。」
この一言からも、彼の勝負師たる一面が垣間見える。とても真面目な硬い印象を受けたが、すぐ後に、
佐々木「自分まだまだ若いすから(17歳)、悪いこといっぱいしますよ(笑)。」
と茶目っ気たっぷりに宣言。
そんな佐々木の言葉を聞いて
菅谷「若さ、感じるね。」
と対戦相手の菅谷、小堺が思わず呟く。
だが菅谷にだって「魔界の貴公子」としてのプライドが、これまでの経験がある。彼だって神経をすり減らし、五感を研ぎ澄ませ、いくつもの試練を超えてきたのだ。
新鋭だとか、古豪だとか、そんなことは関係ない。どちらがより勝利を欲しているか、勝負師としての意地と意地のぶつかり合いをおとどけしたい。
Game1
菅谷の手札:《石造りのピューマ/Stonework Puma》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》、《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《沸騰する小湖/Scalding Tarn》、《山/Mountain》。色マナに不安はあるも、2ターン目からクリーチャーが展開出来る非常に良い手札である。
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》を経て菅谷は《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》と連続してキャストし、強烈なプレッシャーをかける。
これに対し佐々木は1マリガン後、2ターンに渡り土地が1枚でストップし、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》をディスカードすることになってしまう。菅谷の手札を知っている手前、『このまま軽いクリーチャーに攻撃されGame1は終了か。』と思ってしまった。
・・・なんと菅谷もマナスクリュー。相手の事故に乗じて攻めたい所で、3点のクロックしかかけることが出来ない。やっと3枚目の《山/Mountain》を引き《石造りのピューマ/Stonework Puma》をキャストした頃には、佐々木の場には大量のクリーチャーが。残り10点が非常に遠い。
佐々木は《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》を皮切りに、同盟者を続々とキャストしサイズアップを図る。《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》といった普段見かけないカードが、攻防を支える頼もしい存在に感じられるとは。シナジーさえキチンと汲めれば、点数だけでなく戦略をもってドラフトすることの重要性を再確認出来る一場面である。
慎重に1体の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》(サイズは4/4)で攻撃を始める。
菅谷は一度はダメージを受け16となったところで待望の黒マナを引き、《巨大蠍/Giant Scorpion》をキャストする。《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》とこちらも同盟者を続け、膠着の一途をたどるばかり。
盤面は複雑を極め、これはもう何かボム(爆弾カード)引く以外ない。そう感じた直後、菅谷は2枚目の《沼/Swamp》をセットし、1枚のカードをキャストする。
それは《湿地での被災/Marsh Casualties》。
準々決勝と全く同じ、幸先の良い決まり手で菅谷が先勝した。
菅谷1-0佐々木
Game2
菅谷の手札:《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《精神ヘドロ/Mind Sludge》、《沸騰する小湖/Scalding Tarn》、《山/Mountain》
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》の返しで《板金鎧の土百足/Plated Geopede》と、互いに早いスタートを切る。ダメージレースのタイトな、見ていてワクワクする試合を期待出来る。筆者だけでなく、ギャラリーもそう感じていたはずだった。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》で4ターン目にして5/5、3/3、3/3とし、5ターン目には《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》で警戒を持たせながらもう1サイズアップし、攻撃する。
初手からわかるように、菅谷も悪い回りではないのだが、如何せん相手の動きが良すぎる。
チャンプブロックを挟みながら、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《罰する火/Punishing Fire》で必死に延命措置を試みる。
だがそれは文字通り延命でしかなく、敗北からは逃れられないのであった。
菅谷&小堺「ドローが若い!!」
菅谷1-1佐々木
Game3
菅谷の手札:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》、《忌まわしい最期/Hideous End》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》、2《山/Mountain》、《沼/Swamp》
事故れという佐々木の願いが通じたのか、菅谷はすぐさまマリガン。
「考えます。」と一言断りを入れてから、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》、《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》、《森/Forest》、《沼/Swamp》をキープする決断を下す。
ファーストドローの《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》と展開し、相変わらず若さを感じさせる佐々木。菅谷の《巨大蠍/Giant Scorpion》も《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》でダメージを通しにかかる。菅谷もこの要求を受け入れ、ライフは菅谷15-18。
フルタップで《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》をキャストした菅谷に対し、今度は3体全てのクリーチャーで攻撃する。
菅谷「《見栄え損ない/Disfigure》か、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》か。1枚はしょうがなかったですね。」
後にそう語ってくれた菅谷だが、ここで佐々木の手札はその両方であったのである。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》をブロックしている《巨大蠍/Giant Scorpion》と、《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》にブロックされている《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》へそれぞれの呪文がキャストされる。
この戦闘で菅谷は全てのクリーチャーを失い、ライフは13になる。
《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》を成長させることで、守勢を維持しようとするが、今度は《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》が強烈なプレッシャーを放つ。例え一方的に討ち取られたとしても、カウンターを溜められるため、波状攻撃を繰り返す。
ライフが押されている菅谷はブロックにいかざるを得ず、あっという間にカウンターの数は3個。
トークンを2体のクリーチャーで相打ちに取り、スルーしたクリーチャーには除去を打ち、なんとかライフ1点で留まる菅谷。もう1枚《沼/Swamp》を引けば、手札の《忌まわしい最期/Hideous End》がキャスト出来きだいぶ楽になるのだが、一向に引かない。
僅か1点であるため、佐々木のクリーチャー数が、菅谷のクリーチャー数を上回った瞬間敗北が決定してしまう。それが《さまようもの/Wandering Ones》であったとしてもだ。
シビアなトップデック合戦、先にクリーチャーを引いたのは佐々木。幸いそれが緑のクリーチャーであったため、《沼/Swamp》を引けば《忌まわしい最期/Hideous End》で除去することが出来る。
菅谷が祈りを込めて引いたカード。それは本当に《忌まわしい最期/Hideous End》であった。
菅谷1-2佐々木
マジックは始めてまだ半年。短いキャリアにも関わらず、初のリミテッドGPである新潟では2日目に進出している。
D-0の経験があるとはいえ、短期間にこれほど強くなるには一体どんな練習をしているのか。そのことを聞いてみると、
佐々木「いや、週末の大会だけっす。実践が一番の練習になるんで。」
この一言からも、彼の勝負師たる一面が垣間見える。とても真面目な硬い印象を受けたが、すぐ後に、
佐々木「自分まだまだ若いすから(17歳)、悪いこといっぱいしますよ(笑)。」
と茶目っ気たっぷりに宣言。
そんな佐々木の言葉を聞いて
菅谷「若さ、感じるね。」
と対戦相手の菅谷、小堺が思わず呟く。
だが菅谷にだって「魔界の貴公子」としてのプライドが、これまでの経験がある。彼だって神経をすり減らし、五感を研ぎ澄ませ、いくつもの試練を超えてきたのだ。
新鋭だとか、古豪だとか、そんなことは関係ない。どちらがより勝利を欲しているか、勝負師としての意地と意地のぶつかり合いをおとどけしたい。
Game1
菅谷の手札:《石造りのピューマ/Stonework Puma》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》、《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《沸騰する小湖/Scalding Tarn》、《山/Mountain》。色マナに不安はあるも、2ターン目からクリーチャーが展開出来る非常に良い手札である。
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》を経て菅谷は《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《高地の狂戦士/Highland Berserker》と連続してキャストし、強烈なプレッシャーをかける。
これに対し佐々木は1マリガン後、2ターンに渡り土地が1枚でストップし、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》をディスカードすることになってしまう。菅谷の手札を知っている手前、『このまま軽いクリーチャーに攻撃されGame1は終了か。』と思ってしまった。
・・・なんと菅谷もマナスクリュー。相手の事故に乗じて攻めたい所で、3点のクロックしかかけることが出来ない。やっと3枚目の《山/Mountain》を引き《石造りのピューマ/Stonework Puma》をキャストした頃には、佐々木の場には大量のクリーチャーが。残り10点が非常に遠い。
佐々木は《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》を皮切りに、同盟者を続々とキャストしサイズアップを図る。《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》といった普段見かけないカードが、攻防を支える頼もしい存在に感じられるとは。シナジーさえキチンと汲めれば、点数だけでなく戦略をもってドラフトすることの重要性を再確認出来る一場面である。
慎重に1体の《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》(サイズは4/4)で攻撃を始める。
菅谷は一度はダメージを受け16となったところで待望の黒マナを引き、《巨大蠍/Giant Scorpion》をキャストする。《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》とこちらも同盟者を続け、膠着の一途をたどるばかり。
盤面は複雑を極め、これはもう何かボム(爆弾カード)引く以外ない。そう感じた直後、菅谷は2枚目の《沼/Swamp》をセットし、1枚のカードをキャストする。
それは《湿地での被災/Marsh Casualties》。
準々決勝と全く同じ、幸先の良い決まり手で菅谷が先勝した。
菅谷1-0佐々木
Game2
菅谷の手札:《板金鎧の土百足/Plated Geopede》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《精神ヘドロ/Mind Sludge》、《沸騰する小湖/Scalding Tarn》、《山/Mountain》
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》の返しで《板金鎧の土百足/Plated Geopede》と、互いに早いスタートを切る。ダメージレースのタイトな、見ていてワクワクする試合を期待出来る。筆者だけでなく、ギャラリーもそう感じていたはずだった。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》で4ターン目にして5/5、3/3、3/3とし、5ターン目には《ジョラーガの吟遊詩人/Joraga Bard》で警戒を持たせながらもう1サイズアップし、攻撃する。
初手からわかるように、菅谷も悪い回りではないのだが、如何せん相手の動きが良すぎる。
チャンプブロックを挟みながら、《巨大蠍/Giant Scorpion》、《罰する火/Punishing Fire》で必死に延命措置を試みる。
だがそれは文字通り延命でしかなく、敗北からは逃れられないのであった。
菅谷&小堺「ドローが若い!!」
菅谷1-1佐々木
Game3
菅谷の手札:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》、《忌まわしい最期/Hideous End》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》、2《山/Mountain》、《沼/Swamp》
事故れという佐々木の願いが通じたのか、菅谷はすぐさまマリガン。
「考えます。」と一言断りを入れてから、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》、《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》、《森/Forest》、《沼/Swamp》をキープする決断を下す。
ファーストドローの《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》と展開し、相変わらず若さを感じさせる佐々木。菅谷の《巨大蠍/Giant Scorpion》も《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》でダメージを通しにかかる。菅谷もこの要求を受け入れ、ライフは菅谷15-18。
フルタップで《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》をキャストした菅谷に対し、今度は3体全てのクリーチャーで攻撃する。
菅谷「《見栄え損ない/Disfigure》か、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》か。1枚はしょうがなかったですね。」
後にそう語ってくれた菅谷だが、ここで佐々木の手札はその両方であったのである。
《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》をブロックしている《巨大蠍/Giant Scorpion》と、《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》にブロックされている《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》へそれぞれの呪文がキャストされる。
この戦闘で菅谷は全てのクリーチャーを失い、ライフは13になる。
《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》を成長させることで、守勢を維持しようとするが、今度は《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》が強烈なプレッシャーを放つ。例え一方的に討ち取られたとしても、カウンターを溜められるため、波状攻撃を繰り返す。
ライフが押されている菅谷はブロックにいかざるを得ず、あっという間にカウンターの数は3個。
トークンを2体のクリーチャーで相打ちに取り、スルーしたクリーチャーには除去を打ち、なんとかライフ1点で留まる菅谷。もう1枚《沼/Swamp》を引けば、手札の《忌まわしい最期/Hideous End》がキャスト出来きだいぶ楽になるのだが、一向に引かない。
僅か1点であるため、佐々木のクリーチャー数が、菅谷のクリーチャー数を上回った瞬間敗北が決定してしまう。それが《さまようもの/Wandering Ones》であったとしてもだ。
シビアなトップデック合戦、先にクリーチャーを引いたのは佐々木。幸いそれが緑のクリーチャーであったため、《沼/Swamp》を引けば《忌まわしい最期/Hideous End》で除去することが出来る。
菅谷が祈りを込めて引いたカード。それは本当に《忌まわしい最期/Hideous End》であった。
菅谷1-2佐々木
2009/10/12 GPT板橋1次準々決勝 菅谷 裕信(千葉)vs佐藤 嶺(神奈川)
2009年10月12日 カバレージデックカラーは菅谷が赤黒、佐藤が青緑タッチ赤。菅谷のデックはピック譜でご存じであると思うので、ここでは佐藤のデックを紹介したい。
彼のデックの軸は2枚の《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》と3枚の《砕土/Harrow(ZEN)》。これらを起点にダメージレースを有利に進めたり、マナ加速からファッティ、上陸をインスタントで誘発させたりすることが出来る。ドローソースもあり、長引けば、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》が生き残れば佐藤が有利となる。
Game1
菅谷の手札:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》、《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》、《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《沼/Swamp(ZEN)》
《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》を《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》でパンプアップし、4点。《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》と展開した先手菅谷。
対し佐藤は《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》から《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》とゆっくりとしたもの。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》がいるためライフには多少余裕があるも、盤面は不利である。追加のクリーチャーなり、除去スペルなりでなんとか挽回したい所。
だが佐藤は4枚目の土地を置くと、《森/Forest(ZEN)》3枚、《島/Island(ZEN)》1枚を立てたままターンを返した。
クリーチャーを持っていないのか、色事故なのか、それともコンバットスペルをもっているためなのか。はたまたそれを意識させることが狙いの、所謂“ブラフ”なのか。
明らかに怪しいこの行動に菅谷も小考。が、勢いよく3体のクリーチャーをレッドゾーンに置いた。《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》が《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》にブロックされたため、《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》をキャスト。それに合わせる形で佐藤も《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》をキャスト。戦闘が解決し、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》が墓地置かれた。
6点のダメージが入り佐藤のライフは7となったが、2対1交換が実現した。そして、ここから佐藤のための時間がスタートする。
ターン終了時に《砕土/Harrow(ZEN)》をキャスト。カウンターが3つになった《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》で2枚ドロー。自身のターンに2枚目の《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》から再び《砕土/Harrow(ZEN)》とアドバンテージな動き。ライフは15点まで回復し、溢れんばかりの手札が。
邪魔な《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》をキッカー込みの《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》で破壊すると、次々にクリーチャーを召喚していく。
菅谷もクリーチャーこそ並ぶが、色の性質上サイズが小さく、攻撃にいけない。
ライフは20点を超え、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》が2点のクロックを刻みだす。手札の枚数を考えても、このまま佐藤が押し切りそうである。
菅谷は破れかぶれでとっておきの呪文をキャストした。
《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
菅谷本人も、筆者もてっきり《取り消し/Cancel(ZEN)》されるものと思ったが、あっさりと通った。残ったのは《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》のみ。数の暴力に任せ攻撃を繰り返すと、20点以上あったライフはあっという間に0になった。
それもそのはず。最後まで、佐藤のドローは全て、土地だったのだ。
菅谷1-0佐藤
Game2
菅谷の手札:《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》、土地3枚。
マナカーブ通りにクリーチャーが引けており、非常に良い手札である。ただ軽い除去がないため、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》が出てくると厳しいか。
Game2は菅谷が《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》と展開した所に、佐藤が《砕土/Harrow(ZEN)》から《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder(ZEN)》をキャストするビックプレイで始まった。
そのまま《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》(これはすぐさま《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》で除去)、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》2枚と次々にクリーチャーを召喚。佐藤有利で試合が進むかと思いきや、なんと今度は土地が引けない。Game1では嫌というほど引いた土地が、1枚も来ないのである。
《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》なんて土地がなければ、ただの《スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies(10E)》である。いくらなんでもツンツン過ぎる。
菅谷は《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》といった重めのクリーチャーで攻撃をしかけ、佐藤は本体で受けるしかない。ライフは減っても、土地さえ引ければすぐに回復出来るためである。
だが、土地は来なかった。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》2体が《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》と相打つまで全くといっていいほど来なかったのである。
菅谷的にはガンとなる《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》を2枚も排除出来、万々歳であるが、逆に土地を引きすぎのため、最後の1点が削れない。
互いに噛み合わない動きであったが、佐藤がクリーチャーを召喚した直後に《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》をトップデックし、そのままキャスト。
佐藤「ランドツンデレだなぁ」
菅谷2-0佐藤
彼のデックの軸は2枚の《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》と3枚の《砕土/Harrow(ZEN)》。これらを起点にダメージレースを有利に進めたり、マナ加速からファッティ、上陸をインスタントで誘発させたりすることが出来る。ドローソースもあり、長引けば、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》が生き残れば佐藤が有利となる。
Game1
菅谷の手札:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》、《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》、《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《沼/Swamp(ZEN)》
《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》を《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》でパンプアップし、4点。《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》と展開した先手菅谷。
対し佐藤は《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》から《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》とゆっくりとしたもの。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》がいるためライフには多少余裕があるも、盤面は不利である。追加のクリーチャーなり、除去スペルなりでなんとか挽回したい所。
だが佐藤は4枚目の土地を置くと、《森/Forest(ZEN)》3枚、《島/Island(ZEN)》1枚を立てたままターンを返した。
クリーチャーを持っていないのか、色事故なのか、それともコンバットスペルをもっているためなのか。はたまたそれを意識させることが狙いの、所謂“ブラフ”なのか。
明らかに怪しいこの行動に菅谷も小考。が、勢いよく3体のクリーチャーをレッドゾーンに置いた。《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》が《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》にブロックされたため、《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》をキャスト。それに合わせる形で佐藤も《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》をキャスト。戦闘が解決し、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》が墓地置かれた。
6点のダメージが入り佐藤のライフは7となったが、2対1交換が実現した。そして、ここから佐藤のための時間がスタートする。
ターン終了時に《砕土/Harrow(ZEN)》をキャスト。カウンターが3つになった《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》で2枚ドロー。自身のターンに2枚目の《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》から再び《砕土/Harrow(ZEN)》とアドバンテージな動き。ライフは15点まで回復し、溢れんばかりの手札が。
邪魔な《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》をキッカー込みの《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》で破壊すると、次々にクリーチャーを召喚していく。
菅谷もクリーチャーこそ並ぶが、色の性質上サイズが小さく、攻撃にいけない。
ライフは20点を超え、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》が2点のクロックを刻みだす。手札の枚数を考えても、このまま佐藤が押し切りそうである。
菅谷は破れかぶれでとっておきの呪文をキャストした。
《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
菅谷本人も、筆者もてっきり《取り消し/Cancel(ZEN)》されるものと思ったが、あっさりと通った。残ったのは《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》のみ。数の暴力に任せ攻撃を繰り返すと、20点以上あったライフはあっという間に0になった。
それもそのはず。最後まで、佐藤のドローは全て、土地だったのだ。
菅谷1-0佐藤
Game2
菅谷の手札:《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》、土地3枚。
マナカーブ通りにクリーチャーが引けており、非常に良い手札である。ただ軽い除去がないため、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》が出てくると厳しいか。
Game2は菅谷が《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》と展開した所に、佐藤が《砕土/Harrow(ZEN)》から《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder(ZEN)》をキャストするビックプレイで始まった。
そのまま《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》(これはすぐさま《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》で除去)、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》2枚と次々にクリーチャーを召喚。佐藤有利で試合が進むかと思いきや、なんと今度は土地が引けない。Game1では嫌というほど引いた土地が、1枚も来ないのである。
《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》なんて土地がなければ、ただの《スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies(10E)》である。いくらなんでもツンツン過ぎる。
菅谷は《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》といった重めのクリーチャーで攻撃をしかけ、佐藤は本体で受けるしかない。ライフは減っても、土地さえ引ければすぐに回復出来るためである。
だが、土地は来なかった。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》2体が《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》と相打つまで全くといっていいほど来なかったのである。
菅谷的にはガンとなる《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》を2枚も排除出来、万々歳であるが、逆に土地を引きすぎのため、最後の1点が削れない。
互いに噛み合わない動きであったが、佐藤がクリーチャーを召喚した直後に《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》をトップデックし、そのままキャスト。
佐藤「ランドツンデレだなぁ」
菅谷2-0佐藤
2009/10/12 GPT板橋1次決勝ドラフト 菅谷 裕信(千葉)
2009年10月12日 カバレージ コメント (1) 3連休の最終日にも関わらず、会場には多くのプレインズウォーカー達が集まった。あるものは今月末に行われるGP北九州の練習として。またあるものは純粋にマジックを楽しみたくて。
参加者95人で行われた予選ラウンド7回戦。上位8人にて決勝ドラフトがおこなわれるわけだが、ここで08GPマニラチャンプ菅谷 裕信(千葉)のピックに注目したい。菅谷は前日千葉で行われたGPTも決勝に進んでいる。
◆1パック目
初手:《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
候補:《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》(フォイル)、《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
開封したパックは、「シールドでくれよ!」と言わんばかりのものだった。各色満遍なく強いカードが揃っている。考えた末《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》をピック。
2手目:《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
候補:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》
初手に合わせ黒いカードを。序盤から終盤まで攻撃に参加できる優秀な2マナクリーチャーである。
3手目:《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
候補:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
黒いカードは《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》のみ。このカードはデックの同盟者率によって強さが大きく変わる。安定パワー4上陸で飛行を得る《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》をピック。
4手目:《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
少し重いが、除去は除去である。
5手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
赤ないし黒、どちらかが被っていた時のことも考えて緑のカードをピック。白は大分カードを流してしまっているし、ドラフト前に出来れば白は避けたいと語っていた。そのため《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》ではなく《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》をピックした。
6手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》
現時点では未知数であるが、流して下に赤に参入しては欲しくない。
7手目:《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
候補:《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
我慢の時間である。返しを期待し、協調。
8手目:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
ここで《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》。悩み、結局は《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》をピックした。
9手目:《愚鈍な虚身/Mindless Null(ZEN)》
候補なし。出来れば使いたくはないが。
10手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
この順目で《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を流すのは気が重い。
順調に思われた1パック目であったが、本人は納得していない様子。というのも《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をピックするタイミングが2度あったのだが、その際別のカードをピックしていたためである。知人同士との意見交換で、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をもっと積極的にピックするべきだったと述べている。
1パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑、上(天野):白緑、下(仙波):白青、下下(斎藤):緑白というもの。
◆2パック目
初手:《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
候補:《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》、《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》
喉から手が出るほど欲しかったテンポ除去である《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》。一緒に入っていたのはサイズも能力も頼もしい《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》。考慮ののち、自身の燃え続ける心を後者に託すことに。
2手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
赤単に進むくらいの気持ちでピックしたという。単色か2色かで、強さが全く変わるカードである。
3手目:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》
4マナ域が少なかったのでちょうどよいクリーチャーである。
4手目:《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》、《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》
ここで爆弾カードが。協調が感じられる1枚である。ただこれによって赤がメインカラーのデックから、赤黒均等のデックへと意識を切り替えなければならなかった。
5手目:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
先の《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、これからピック出来るかもしれない同盟者を意識しピック。
6手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》
クリーチャーがなくてはゲームにならない。がっちりサイズである。
7手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
候補:《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper(ZEN)》
トップコモンの1枚である上陸クリーチャー。このカードは本当に止まらない。
8手目:《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
候補:《風をまとう突撃/Windborne Charge(ZEN)》
嬉しい土地カード。特に赤の土地の能力はテンポ環境と相まって、非常に強力である。
9手目:《不気味な発見/Grim Discovery(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent(ZEN)》
少しでも入りそうなカードを。
カードの質では文句なしの流れであった。《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》という爆弾カードに、クリーチャー多数。ただデックが重めになりつつあるので、軽いクリーチャーまたは除去を3パック目で如何にピックするかというところである。
2パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑黒、上(天野):白黒、下(仙波):白青、下下(斎藤):白緑。
◆3パック目
初手:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
欲しかった除去がここで。相手のライフのよってはエンドカードにもなる。
2手目:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》
ここでも同じカードがピック出来た。これでデックが引き締まった。
3手目:《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》
デックの上陸カード達と相性のよいフェッチ。
4手目:《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
候補:《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》
《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》がデックに入りそうな形でない(序盤で一気に押し切る軽い形)から、カットか。
5手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》、《コーの飛空士/Kor Aeronaut(ZEN)》
クリーチャーを補充。
6手目:《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
3マナのがっちりクリーチャー。重めな構成なので、これは嬉しい。
7手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker(ZEN)》
候補:《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel(ZEN)》
少しでも軽いクリーチャーを。
8手目:《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
同じく軽い方をピックした。
9手目:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《召喚士の破滅/Summoner’s Bane(ZEN)》
10手目《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
連続して《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》がピック出来た。デックにいる同盟者とも噛み合う。
デッキリスト
18土地
8《沼/Swamp(ZEN)》
6《山/Mountain(ZEN)》
1《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
16クリーチャー
1《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
1《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
1《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
1《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
1《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
1《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
1《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
2《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
2《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
1《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
6呪文
2《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
1《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
1《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
1《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》
開口一番に「ラフター(《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》)に救われた。」と菅谷は語った。
色拘束がきつく、回避もちがいない。《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》も1枚しか取れずデックの出来としては50点だという。
「1パック目で取らなかった《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》がなど吸血鬼がもう少しピック出来ていたら《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》も使えた。勿体ない。」確かに。《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》はハードルは高いが、使えれば強力なカードである。
インタビューをしている際、菅谷は友人の小堺 透雄(神奈川)から「このアーキタイプはもっと軽くしないと。」との指摘を受けていた。《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》といったカードは大量の1~2マナ域があってこそ初めて生きるカードだというのだ。
菅谷も「わかっていたが、思うようにカードが来ず苦労した。」といい、彼の言葉を借りるなら「割り切ってカードパワーを重視した。」ということらしい。
デックは納得いかなかったかもしれないが、ドラフトはピックだけが全てではない。まだ“試合”の部分が残っている。こちらでは100点のプレイを期待したい。
以下に示すのは決勝ドラフトに進んだ8人の席順とデックカラーである。
仙波(白青)→斎藤(緑白)→山本(赤)→佐藤(緑青)
↑ ↓
菅谷(赤黒)←天野(白黒)←佐々木(緑黒)←宮下(青黒)
参加者95人で行われた予選ラウンド7回戦。上位8人にて決勝ドラフトがおこなわれるわけだが、ここで08GPマニラチャンプ菅谷 裕信(千葉)のピックに注目したい。菅谷は前日千葉で行われたGPTも決勝に進んでいる。
◆1パック目
初手:《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
候補:《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》(フォイル)、《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
開封したパックは、「シールドでくれよ!」と言わんばかりのものだった。各色満遍なく強いカードが揃っている。考えた末《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》をピック。
2手目:《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
候補:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》
初手に合わせ黒いカードを。序盤から終盤まで攻撃に参加できる優秀な2マナクリーチャーである。
3手目:《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
候補:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
黒いカードは《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》のみ。このカードはデックの同盟者率によって強さが大きく変わる。安定パワー4上陸で飛行を得る《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》をピック。
4手目:《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
少し重いが、除去は除去である。
5手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
赤ないし黒、どちらかが被っていた時のことも考えて緑のカードをピック。白は大分カードを流してしまっているし、ドラフト前に出来れば白は避けたいと語っていた。そのため《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》ではなく《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》をピックした。
6手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》
現時点では未知数であるが、流して下に赤に参入しては欲しくない。
7手目:《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
候補:《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
我慢の時間である。返しを期待し、協調。
8手目:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
ここで《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》。悩み、結局は《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》をピックした。
9手目:《愚鈍な虚身/Mindless Null(ZEN)》
候補なし。出来れば使いたくはないが。
10手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
この順目で《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を流すのは気が重い。
順調に思われた1パック目であったが、本人は納得していない様子。というのも《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をピックするタイミングが2度あったのだが、その際別のカードをピックしていたためである。知人同士との意見交換で、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をもっと積極的にピックするべきだったと述べている。
1パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑、上(天野):白緑、下(仙波):白青、下下(斎藤):緑白というもの。
◆2パック目
初手:《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
候補:《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》、《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》
喉から手が出るほど欲しかったテンポ除去である《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》。一緒に入っていたのはサイズも能力も頼もしい《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》。考慮ののち、自身の燃え続ける心を後者に託すことに。
2手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
赤単に進むくらいの気持ちでピックしたという。単色か2色かで、強さが全く変わるカードである。
3手目:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》
4マナ域が少なかったのでちょうどよいクリーチャーである。
4手目:《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》、《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》
ここで爆弾カードが。協調が感じられる1枚である。ただこれによって赤がメインカラーのデックから、赤黒均等のデックへと意識を切り替えなければならなかった。
5手目:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
先の《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、これからピック出来るかもしれない同盟者を意識しピック。
6手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》
クリーチャーがなくてはゲームにならない。がっちりサイズである。
7手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
候補:《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper(ZEN)》
トップコモンの1枚である上陸クリーチャー。このカードは本当に止まらない。
8手目:《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
候補:《風をまとう突撃/Windborne Charge(ZEN)》
嬉しい土地カード。特に赤の土地の能力はテンポ環境と相まって、非常に強力である。
9手目:《不気味な発見/Grim Discovery(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent(ZEN)》
少しでも入りそうなカードを。
カードの質では文句なしの流れであった。《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》という爆弾カードに、クリーチャー多数。ただデックが重めになりつつあるので、軽いクリーチャーまたは除去を3パック目で如何にピックするかというところである。
2パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑黒、上(天野):白黒、下(仙波):白青、下下(斎藤):白緑。
◆3パック目
初手:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
欲しかった除去がここで。相手のライフのよってはエンドカードにもなる。
2手目:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》
ここでも同じカードがピック出来た。これでデックが引き締まった。
3手目:《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》
デックの上陸カード達と相性のよいフェッチ。
4手目:《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
候補:《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》
《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》がデックに入りそうな形でない(序盤で一気に押し切る軽い形)から、カットか。
5手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》、《コーの飛空士/Kor Aeronaut(ZEN)》
クリーチャーを補充。
6手目:《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
3マナのがっちりクリーチャー。重めな構成なので、これは嬉しい。
7手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker(ZEN)》
候補:《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel(ZEN)》
少しでも軽いクリーチャーを。
8手目:《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
同じく軽い方をピックした。
9手目:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《召喚士の破滅/Summoner’s Bane(ZEN)》
10手目《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
連続して《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》がピック出来た。デックにいる同盟者とも噛み合う。
デッキリスト
18土地
8《沼/Swamp(ZEN)》
6《山/Mountain(ZEN)》
1《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
16クリーチャー
1《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
1《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
1《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
1《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
1《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
1《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
1《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
2《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
2《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
1《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
6呪文
2《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
1《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
1《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
1《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》
開口一番に「ラフター(《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》)に救われた。」と菅谷は語った。
色拘束がきつく、回避もちがいない。《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》も1枚しか取れずデックの出来としては50点だという。
「1パック目で取らなかった《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》がなど吸血鬼がもう少しピック出来ていたら《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》も使えた。勿体ない。」確かに。《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》はハードルは高いが、使えれば強力なカードである。
インタビューをしている際、菅谷は友人の小堺 透雄(神奈川)から「このアーキタイプはもっと軽くしないと。」との指摘を受けていた。《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》といったカードは大量の1~2マナ域があってこそ初めて生きるカードだというのだ。
菅谷も「わかっていたが、思うようにカードが来ず苦労した。」といい、彼の言葉を借りるなら「割り切ってカードパワーを重視した。」ということらしい。
デックは納得いかなかったかもしれないが、ドラフトはピックだけが全てではない。まだ“試合”の部分が残っている。こちらでは100点のプレイを期待したい。
以下に示すのは決勝ドラフトに進んだ8人の席順とデックカラーである。
仙波(白青)→斎藤(緑白)→山本(赤)→佐藤(緑青)
↑ ↓
菅谷(赤黒)←天野(白黒)←佐々木(緑黒)←宮下(青黒)