Round1:浅海 大貴(カードショップONE★PACK)vs.清水 恭爾(Booksながしま)
Booksながしまにおいて毎月第4日曜日に開催されているながしま杯。その半年間の締めくくりである上半期ながしま杯が、今、開催されようとしている。
参加者12名によるスイスラウンド4回戦、最後に残るのは一体誰なのか。
ここではフィーチャーマッチとして、浅海と清水の対戦をお送りしたい。
◆浅海 大貴
カードショップONE★PACKを拠点に、MO、そしてPPTQ遠征と精力的に遠征を行っている。
BMO(Big Magic Open)でも複数の入賞を誇り、今後が期待されるプレイヤーの一人である。
今回は、モダン環境である次期PPTQを見据え、ドレッジを使用している。
◆清水 恭爾
Booksながしまでプレイヤーだけでなく、ジャッジとしても活動している。
今回は赤白ノリンという珍しいデックを持ち込んでいる。
Game1
先手の浅海は、《傲慢な新生子/Insolent Neonate(SOI)》を召喚し、清水が《教区の勇者/Champion the Parish(ISD)》を召喚しターンエンドを宣言する前に、
「そちらの第2メインに、」
と前置きをすると、新生子を生贄に捧げ、《壌土からの生命/Life from the Loam》を墓地に送り、発掘の下準備を行う。
ドローを置換すると、《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》が墓地に落ち、《信仰無き物あさり/Faithless Looting(DKA)》が発掘速度を加速させる。
インプが《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を落とし、回収場が《ナルコメーバ/Narcomoeba》を捲ると、ターンを終了する頃には、
《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》×2、《ナルコメーバ/Narcomoeba》、《恐血鬼/Bloodghast》
と一挙に4体のクリーチャーを確保する。
清水は、《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》を召喚し、サイズアップした《教区の勇者/Champion the Parish(ISD)》で攻撃し、土地からのダメージ以外で初めてライフが動き、浅海15-18清水。
浅海は、次々と発掘を続け、発掘過程によりクリーチャーを増やし、場に出たクリーチャーでダメージレースを仕掛ける。
勿論墓地には、《燃焼/Conflagrate》も準備済みだ
清水は、《起源室/Genesis Chamber》から《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate(M11)》に繋げ、ブロッカーを確保すると共に、フィニッシャーを確保する。
しかしいくら巨大なクリーチャーを確保しようとも、ブロックできる数は1体のみ。
浅海は、《起源室/Genesis Chamber》で出たトークンをブロッカーとして最低限残しつつ、残りを攻撃へ送り出す。
《壌土からの生命/Life from the Loam》で手札に土地を確保し、《燃焼/Conflagrate》をX=3でキャストしブロッカーを除去すると、墓地から戻った《災いの悪魔/Scourge Devil(ALA)》が清水のライフを削りきった。
浅海1-0清水
Game2
《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》を《暗黒破/Darkblast》すると、《起源室/Genesis Chamber》の返しに発掘と、互いにキーカードを引き動き出す。
《安堵の再会/Cathartic Reunion(KLD)》で《悪臭のインプ/Foul Imp》を捨てながらすぐに発掘し、《ナルコメーバ/Narcomoeba》、《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》×2へと繋がり、場に出たトークンは3体。
それでも1体の縫合体を《流刑への道/Path to Exile(MMA)》し、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos(ALA)》を召喚し、《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》と《二の足踏みのノリン/Norin the Wary》を手札に加える。
そのまま《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》キャストから、《二の足踏みのノリン/Norin the Wary》とキーカードは揃えるが、シナジーが発生する前に、《起源室/Genesis Chamber》は《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》されてしまう。
そして《暗黒破/Darkblast》構えながら、《壌土からの生命/Life from the Loam》で手札を増やすと、ブロッカーを一掃する《燃焼/Conflagrate》。
再び全てのブロッカーが排除され、清水のライフは0を割った。
浅海2-0清水
浅海 Win!
Booksながしまにおいて毎月第4日曜日に開催されているながしま杯。その半年間の締めくくりである上半期ながしま杯が、今、開催されようとしている。
参加者12名によるスイスラウンド4回戦、最後に残るのは一体誰なのか。
ここではフィーチャーマッチとして、浅海と清水の対戦をお送りしたい。
◆浅海 大貴
カードショップONE★PACKを拠点に、MO、そしてPPTQ遠征と精力的に遠征を行っている。
BMO(Big Magic Open)でも複数の入賞を誇り、今後が期待されるプレイヤーの一人である。
今回は、モダン環境である次期PPTQを見据え、ドレッジを使用している。
◆清水 恭爾
Booksながしまでプレイヤーだけでなく、ジャッジとしても活動している。
今回は赤白ノリンという珍しいデックを持ち込んでいる。
Game1
先手の浅海は、《傲慢な新生子/Insolent Neonate(SOI)》を召喚し、清水が《教区の勇者/Champion the Parish(ISD)》を召喚しターンエンドを宣言する前に、
「そちらの第2メインに、」
と前置きをすると、新生子を生贄に捧げ、《壌土からの生命/Life from the Loam》を墓地に送り、発掘の下準備を行う。
ドローを置換すると、《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》が墓地に落ち、《信仰無き物あさり/Faithless Looting(DKA)》が発掘速度を加速させる。
インプが《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を落とし、回収場が《ナルコメーバ/Narcomoeba》を捲ると、ターンを終了する頃には、
《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》×2、《ナルコメーバ/Narcomoeba》、《恐血鬼/Bloodghast》
と一挙に4体のクリーチャーを確保する。
清水は、《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》を召喚し、サイズアップした《教区の勇者/Champion the Parish(ISD)》で攻撃し、土地からのダメージ以外で初めてライフが動き、浅海15-18清水。
浅海は、次々と発掘を続け、発掘過程によりクリーチャーを増やし、場に出たクリーチャーでダメージレースを仕掛ける。
勿論墓地には、《燃焼/Conflagrate》も準備済みだ
清水は、《起源室/Genesis Chamber》から《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate(M11)》に繋げ、ブロッカーを確保すると共に、フィニッシャーを確保する。
しかしいくら巨大なクリーチャーを確保しようとも、ブロックできる数は1体のみ。
浅海は、《起源室/Genesis Chamber》で出たトークンをブロッカーとして最低限残しつつ、残りを攻撃へ送り出す。
《壌土からの生命/Life from the Loam》で手札に土地を確保し、《燃焼/Conflagrate》をX=3でキャストしブロッカーを除去すると、墓地から戻った《災いの悪魔/Scourge Devil(ALA)》が清水のライフを削りきった。
浅海1-0清水
Game2
《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》を《暗黒破/Darkblast》すると、《起源室/Genesis Chamber》の返しに発掘と、互いにキーカードを引き動き出す。
《安堵の再会/Cathartic Reunion(KLD)》で《悪臭のインプ/Foul Imp》を捨てながらすぐに発掘し、《ナルコメーバ/Narcomoeba》、《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》×2へと繋がり、場に出たトークンは3体。
それでも1体の縫合体を《流刑への道/Path to Exile(MMA)》し、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos(ALA)》を召喚し、《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》と《二の足踏みのノリン/Norin the Wary》を手札に加える。
そのまま《魂の管理人/Soul Warden(EXO)》、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》キャストから、《二の足踏みのノリン/Norin the Wary》とキーカードは揃えるが、シナジーが発生する前に、《起源室/Genesis Chamber》は《古えの遺恨/Ancient Grudge(TSP)》されてしまう。
そして《暗黒破/Darkblast》構えながら、《壌土からの生命/Life from the Loam》で手札を増やすと、ブロッカーを一掃する《燃焼/Conflagrate》。
再び全てのブロッカーが排除され、清水のライフは0を割った。
浅海2-0清水
浅海 Win!
準決勝 宮守 潤也(群馬) vs 清水 駿也(群馬)
◆宮守 潤也
Booksながしまに足繁く通う宮守は、どちらかといえば、リミテッドを中心にプレイしている。
前日行われたFNMドラフトでも、対戦相手が首をひねるようなカードを上手く使い、3-0している。
構築よりもリミテッド派、それが宮守の印象であった。
だが、彼はトップ4まで勝ち進んでいる。
リミテッドには、マジックの基本が詰まっているとは誰の言葉だったか。
思い返してみれば、モダンでは親和、今回もジェスカイとクリーチャーを中心としたデックを選択している。
◆清水 駿也
群馬県高崎市所在のトレジャーキャッツを中心に、Booksながしま等色々なコミュニティーへ足を運び、練習に励む。
「練習が人を強くする」とは彼自身の言葉であり、新プレインズウォーカー《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を擁する『アブザンコントロール』を使用している。
Game1
プレインズウォーカーとしての覚醒が描かれし物語“オリジン”。
その物語の中だけに留まらず、トーナメントシーンをも賑わす1枚の若きプレインズウォーカーがいる。
その名は、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》。
2マナという軽いマナコスト、容易な変身条件、変身後の制圧力とどれをとっても一級品のこのカードは、コンボやコントロールといった様々なデックで使用されているが、一つの最適解としてあげられれているのは、“ジェスカイウィンズ”である。
前述の“ジェスカイウィンズ”を使用する宮守は、2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》をキャストする。
清水は、単発除去で即応することこそ叶わなかったが、こちらも新戦力である《衰滅/Languish(ORI)》で2対1交換するも、続く5ターン目にはクリーチャーをキャストすることなく、ターンを返す。
清水の脳裏には、ある1枚のカードがチラついていた。
宮守は、清水のエンドフェイズに4マナから《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》をキャストし、1ドローとジェイスを場に戻すことを選択する。
1枚でテンポとアドバンテージを得る《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》こそ、清水がクリーチャーをキャストすることが出来なかった理由に他ならない。
だが清水とて、ただターンを返した訳ではない。
予定調和的にキャストされた《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》へ《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》をキャストし、ライフを守る。
クリーチャーによるダメージクロックが遅くなればなるほど、天秤はカードパワーで勝るアブザン側へと傾いていく、、、はずだった。
宮守は、フェッチランドとルーティング能力により、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》を終に覚醒させることに成功する。
清水は、カードパワーにはカードパワーで対抗するしかないと《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》でトークンを生成、ジェイスこそ討ち取るが、フラッシュバックを得た《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》が相打ちを要求する。
清水は、《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》をドローモードでキャストし、不確定的なカードアドバンテージを得るしかない一方、宮守は、《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》をカウンター+リアニメイトモードで使用し、確定的なアドバンテージを得ていく。
現状兵士トークンしかコントロールしていない清水がトップデックしたのは、新たなプレインズウォーカー《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》。
このカードがカウンターされることなく着地すると、即変身から4/4トークンを生成する。
しかし宮守は、《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》がトークンを、《層雲の踊り手/Stratus Dancer(DTK)》がニッサを討ち取り、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を探し出すと、ジェイスの-能力で《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》の対象から外すという徹底ぶり。
度重なるペイライフとダメージランドで清水のライフは9。
ようやく《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をトップデックするも、宮守のライフは14と遠い。
宮守は、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を表に返し、踊り手と一緒にレッドゾーンへ送り込み、清水の残ライフを3とする。
兵士トークン、サイ、棲み家の防御者だけではクロックが足らず、清水はカードを畳んだ。
宮守 1-0 清水
Game2
どちらが先にクロックを形成し、また対処するかが争点となるこのマッチアップ。
だから宮守は、土地と火力しかない手札をマリガンすることを選択した。
上々ともいえる2ターン目にジェイスをキャストするも、今度はターンが返ることなく《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》が打ち込まれる。
悪いことは重なるもので宮守の土地が3枚で止まり、仕方なくキャストした《魂火の大導師/Soulfire Grand Master(FRF)》や変異が《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》で打ち落とされてしまう。
清水は+1カウンターが3個乗った《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》という不可侵クロックを生み出すと、カウンターされることを厭わず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストし、その隙にダメージを与えていく。
防御者こそ《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》で除去したが、残り8のライフを削るため、ダメ押しとばかりに3/3の《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》がキャストされる。
4マナを揃えた宮守は、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を連続キャストし、なんとか防御網を構築する。
後手に回り、除去1枚で崩壊する宮守の場であるが、清水にも勝ちきれない理由があった。
宮守とは逆に土地を引きすぎてしまっている。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》で置けども土地が止まらず、《思考囲い/Thoughtseize》が見えるに際して、意を決しフルアタックを敢行する。
宮守のライフは8、それに対し自分はまだ12。フェニックスのダメージによる自滅も考慮にいれてのことだろう。
歩行機械(カウンター4)、狩猟者をフェニックスがそれぞれ相打ち、エンドフェイズに1枚を表返し宮守6-10清水。
返すターン、ライフも追加戦力もない宮守は、土地を立たせエンドするしかない。
ライフを詰める重要なこのターン、ここで清水は弱気なプレイに出てしまう。
トークン2体だけのアタック。フルアタックではなく、2体だけをレッドゾーンへと送り込んだ。
当然宮守は、フェニックスでブロックし、エンド時に再び表返す。この過程でライフは、宮守3-8清水。
宮守は、フェニックスと変異で迷わず攻撃し、トークン1体がブロックに参加し、宮守3-6清水。
それでもまだ、トークン2の攻撃でフェニックスのフェイスアップを止めることができる。
だが清水は、目に見える事実よりも、未だ見ぬ虚実を恐れ、一時の安心を得るために《思考囲い/Thoughtseize》をキャストしてしまう。
後続を引くことが出来ず、清水は、土地の海に沈んだ。
宮守 2-0 清水
宮守 Win!
◆宮守 潤也
Booksながしまに足繁く通う宮守は、どちらかといえば、リミテッドを中心にプレイしている。
前日行われたFNMドラフトでも、対戦相手が首をひねるようなカードを上手く使い、3-0している。
構築よりもリミテッド派、それが宮守の印象であった。
だが、彼はトップ4まで勝ち進んでいる。
リミテッドには、マジックの基本が詰まっているとは誰の言葉だったか。
思い返してみれば、モダンでは親和、今回もジェスカイとクリーチャーを中心としたデックを選択している。
◆清水 駿也
群馬県高崎市所在のトレジャーキャッツを中心に、Booksながしま等色々なコミュニティーへ足を運び、練習に励む。
「練習が人を強くする」とは彼自身の言葉であり、新プレインズウォーカー《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を擁する『アブザンコントロール』を使用している。
Game1
プレインズウォーカーとしての覚醒が描かれし物語“オリジン”。
その物語の中だけに留まらず、トーナメントシーンをも賑わす1枚の若きプレインズウォーカーがいる。
その名は、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》。
2マナという軽いマナコスト、容易な変身条件、変身後の制圧力とどれをとっても一級品のこのカードは、コンボやコントロールといった様々なデックで使用されているが、一つの最適解としてあげられれているのは、“ジェスカイウィンズ”である。
前述の“ジェスカイウィンズ”を使用する宮守は、2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》をキャストする。
清水は、単発除去で即応することこそ叶わなかったが、こちらも新戦力である《衰滅/Languish(ORI)》で2対1交換するも、続く5ターン目にはクリーチャーをキャストすることなく、ターンを返す。
清水の脳裏には、ある1枚のカードがチラついていた。
宮守は、清水のエンドフェイズに4マナから《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》をキャストし、1ドローとジェイスを場に戻すことを選択する。
1枚でテンポとアドバンテージを得る《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》こそ、清水がクリーチャーをキャストすることが出来なかった理由に他ならない。
だが清水とて、ただターンを返した訳ではない。
予定調和的にキャストされた《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》へ《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》をキャストし、ライフを守る。
クリーチャーによるダメージクロックが遅くなればなるほど、天秤はカードパワーで勝るアブザン側へと傾いていく、、、はずだった。
宮守は、フェッチランドとルーティング能力により、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》を終に覚醒させることに成功する。
清水は、カードパワーにはカードパワーで対抗するしかないと《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》でトークンを生成、ジェイスこそ討ち取るが、フラッシュバックを得た《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》が相打ちを要求する。
清水は、《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》をドローモードでキャストし、不確定的なカードアドバンテージを得るしかない一方、宮守は、《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》をカウンター+リアニメイトモードで使用し、確定的なアドバンテージを得ていく。
現状兵士トークンしかコントロールしていない清水がトップデックしたのは、新たなプレインズウォーカー《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》。
このカードがカウンターされることなく着地すると、即変身から4/4トークンを生成する。
しかし宮守は、《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》がトークンを、《層雲の踊り手/Stratus Dancer(DTK)》がニッサを討ち取り、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を探し出すと、ジェイスの-能力で《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》の対象から外すという徹底ぶり。
度重なるペイライフとダメージランドで清水のライフは9。
ようやく《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をトップデックするも、宮守のライフは14と遠い。
宮守は、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を表に返し、踊り手と一緒にレッドゾーンへ送り込み、清水の残ライフを3とする。
兵士トークン、サイ、棲み家の防御者だけではクロックが足らず、清水はカードを畳んだ。
宮守 1-0 清水
Game2
どちらが先にクロックを形成し、また対処するかが争点となるこのマッチアップ。
だから宮守は、土地と火力しかない手札をマリガンすることを選択した。
上々ともいえる2ターン目にジェイスをキャストするも、今度はターンが返ることなく《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》が打ち込まれる。
悪いことは重なるもので宮守の土地が3枚で止まり、仕方なくキャストした《魂火の大導師/Soulfire Grand Master(FRF)》や変異が《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》で打ち落とされてしまう。
清水は+1カウンターが3個乗った《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》という不可侵クロックを生み出すと、カウンターされることを厭わず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストし、その隙にダメージを与えていく。
防御者こそ《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》で除去したが、残り8のライフを削るため、ダメ押しとばかりに3/3の《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》がキャストされる。
4マナを揃えた宮守は、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》を連続キャストし、なんとか防御網を構築する。
後手に回り、除去1枚で崩壊する宮守の場であるが、清水にも勝ちきれない理由があった。
宮守とは逆に土地を引きすぎてしまっている。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》で置けども土地が止まらず、《思考囲い/Thoughtseize》が見えるに際して、意を決しフルアタックを敢行する。
宮守のライフは8、それに対し自分はまだ12。フェニックスのダメージによる自滅も考慮にいれてのことだろう。
歩行機械(カウンター4)、狩猟者をフェニックスがそれぞれ相打ち、エンドフェイズに1枚を表返し宮守6-10清水。
返すターン、ライフも追加戦力もない宮守は、土地を立たせエンドするしかない。
ライフを詰める重要なこのターン、ここで清水は弱気なプレイに出てしまう。
トークン2体だけのアタック。フルアタックではなく、2体だけをレッドゾーンへと送り込んだ。
当然宮守は、フェニックスでブロックし、エンド時に再び表返す。この過程でライフは、宮守3-8清水。
宮守は、フェニックスと変異で迷わず攻撃し、トークン1体がブロックに参加し、宮守3-6清水。
それでもまだ、トークン2の攻撃でフェニックスのフェイスアップを止めることができる。
だが清水は、目に見える事実よりも、未だ見ぬ虚実を恐れ、一時の安心を得るために《思考囲い/Thoughtseize》をキャストしてしまう。
後続を引くことが出来ず、清水は、土地の海に沈んだ。
宮守 2-0 清水
宮守 Win!
決勝 望月 広太(埼玉) vs サイトウ タカヤ(新潟)
残すところ2人のプレインズウォーカーのみとなった。
アブザンジャンクの望月と青白コントロールのサイトウだ。
◆望月 広太
望月は、アブザンジャンクを使用し、ここまで勝ち上がってきているが、自身が想定していたメタゲームはどのようなものだったろうか。
親和、バーン、ジャンド、双子といったメタゲームの産物を食い物にし、勝利してきた。
高コストパフォーマンスのクリーチャーとユーティリティースペルの塊であるアブザンを武器に。
だが、想定していただろうか。最後の相手が自身のデックよりもゲームコントロール力に長けた青白コントロールだと。
◆サイトウ タカヤ
新潟市の“カードオブパラダイス桜木店”に通うサイトウは、青白コントロールを使用している。
その支配力から“フェアデックに滅法強い”という安定性が売りであるだけでなく、相手が出遅れれば《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《修復の天使/Restoration Angel》といったクロックによるビートダウンも狙える隙のないデックである。
Game1
望月がレッドゾーンへ送り出した《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》へ、サイトウが《糾弾/Condemn》をキャストするという静かな立ち上がり。
サイトウは、懸念材料であった4枚目の土地と2枚目の白マナを同時に兼ねる《氷河の城砦/Glacial Fortress》をセットすると、攻防の要となる《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をキャストする。
望月は、《流刑への道/Path to Exile》をキャストするが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》以降クリーチャーはなく、サイトウのライフは無傷の20。
続くターン、望月のドローは《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》。
現状手札にクリーチャーはないが、取り合えず手札を確認しておこう、そう思ったのかキャストする。
そして公開されたサイトウの手札を見て、笑うしかなかった。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》、《修復の天使/Restoration Angel》、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》、《至高の評決/Supreme Verdict》×2
何と高カロリーな!更にマナコストが3以上であったため、審問自体がディスアドバンテージとなってしまう。
追い詰める側のアブザンが、先に《修復の天使/Restoration Angel》というクロックを用意されてしまう。
サイトウは、クロックパーミッションが如く、天使をレッドゾーンに送り込み、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》も《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》。
更に《至高の評決/Supreme Verdict》に合わせ能力を起動するために、5マナ揃うまでキャストしなかった《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》がボトムへと送る。
望月は、最後の抵抗と《急速な衰微/Rapid Decay》をキャストするが、サイトウは、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を引かれた時を想定し、2枚目の《修復の天使/Restoration Angel》をキャストしない。
再びレッドゾーンへと置かれた天使が、ライフを削りきった。
望月 0-1 サイトウ
Game2
望月の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》がGame2が始まる。
《流刑への道/Path to Exile》、《糾弾/Condemn》、《至高の評決/Supreme Verdict》×2、土地3
この中から《糾弾/Condemn》を捨てさせるも、かなりヘビーな対クリーチャーハンド。
望月は、3ターン目にして緑マナを引き込むと、先ずはといった感じで《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》から入る。
続くターンに《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》もキャストするが、《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》の能力は起動せず、《至高の評決/Supreme Verdict》を打たせ、返すターンでの《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》の着地を目論んでいるようであった。
4マナからキャスされたのは、スタンダードでも猛威を振るった《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》であった。
忠誠値をプラス1することでクロックを減らし、と同時にターンを得て、続くターンに《至高の評決/Supreme Verdict》。
《前兆の壁/Wall of Omens》、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》と鉄壁の布陣を築かれてしまうと、望月も虎の子の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストせざるを得ない。
《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》が、《嘘か真か/Fact or Fiction(CNS)》のようにライブラリーを公開すると、
《修復の天使/Restoration Angel》、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
と高カロリー。
後者2枚を手に入れると、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》へ《流刑への道/Path to Exile》をキャスト、イニシアチブを手放さない。
望月も勝負を諦めない。
トップデックした《未練ある魂/Lingering Souls》で場を固め、《至高の評決/Supreme Verdict》を引き出す。
手札に眠る《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》が、今度こそ着地すれば、まだ分からない。
だが、サイトウは望月の手札が分かっているかのように、メインで《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を起動し、探査コストを封じてしまう。
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》でライフレースを引き戻すも蓄積したダメージは大きく、サイトウは地上を無視し、クリーチャー化した《天界の列柱/Celestial Colonnade》で2度攻撃を行うと、望月のライフは0を割った。
望月 0-2 サイトウ
サイトウタカヤ、優勝おめでとう!
残すところ2人のプレインズウォーカーのみとなった。
アブザンジャンクの望月と青白コントロールのサイトウだ。
◆望月 広太
望月は、アブザンジャンクを使用し、ここまで勝ち上がってきているが、自身が想定していたメタゲームはどのようなものだったろうか。
親和、バーン、ジャンド、双子といったメタゲームの産物を食い物にし、勝利してきた。
高コストパフォーマンスのクリーチャーとユーティリティースペルの塊であるアブザンを武器に。
だが、想定していただろうか。最後の相手が自身のデックよりもゲームコントロール力に長けた青白コントロールだと。
◆サイトウ タカヤ
新潟市の“カードオブパラダイス桜木店”に通うサイトウは、青白コントロールを使用している。
その支配力から“フェアデックに滅法強い”という安定性が売りであるだけでなく、相手が出遅れれば《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《修復の天使/Restoration Angel》といったクロックによるビートダウンも狙える隙のないデックである。
Game1
望月がレッドゾーンへ送り出した《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》へ、サイトウが《糾弾/Condemn》をキャストするという静かな立ち上がり。
サイトウは、懸念材料であった4枚目の土地と2枚目の白マナを同時に兼ねる《氷河の城砦/Glacial Fortress》をセットすると、攻防の要となる《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をキャストする。
望月は、《流刑への道/Path to Exile》をキャストするが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》以降クリーチャーはなく、サイトウのライフは無傷の20。
続くターン、望月のドローは《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》。
現状手札にクリーチャーはないが、取り合えず手札を確認しておこう、そう思ったのかキャストする。
そして公開されたサイトウの手札を見て、笑うしかなかった。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》、《修復の天使/Restoration Angel》、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》、《至高の評決/Supreme Verdict》×2
何と高カロリーな!更にマナコストが3以上であったため、審問自体がディスアドバンテージとなってしまう。
追い詰める側のアブザンが、先に《修復の天使/Restoration Angel》というクロックを用意されてしまう。
サイトウは、クロックパーミッションが如く、天使をレッドゾーンに送り込み、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》も《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》。
更に《至高の評決/Supreme Verdict》に合わせ能力を起動するために、5マナ揃うまでキャストしなかった《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》がボトムへと送る。
望月は、最後の抵抗と《急速な衰微/Rapid Decay》をキャストするが、サイトウは、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を引かれた時を想定し、2枚目の《修復の天使/Restoration Angel》をキャストしない。
再びレッドゾーンへと置かれた天使が、ライフを削りきった。
望月 0-1 サイトウ
Game2
望月の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》がGame2が始まる。
《流刑への道/Path to Exile》、《糾弾/Condemn》、《至高の評決/Supreme Verdict》×2、土地3
この中から《糾弾/Condemn》を捨てさせるも、かなりヘビーな対クリーチャーハンド。
望月は、3ターン目にして緑マナを引き込むと、先ずはといった感じで《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》から入る。
続くターンに《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》もキャストするが、《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》の能力は起動せず、《至高の評決/Supreme Verdict》を打たせ、返すターンでの《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》の着地を目論んでいるようであった。
4マナからキャスされたのは、スタンダードでも猛威を振るった《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》であった。
忠誠値をプラス1することでクロックを減らし、と同時にターンを得て、続くターンに《至高の評決/Supreme Verdict》。
《前兆の壁/Wall of Omens》、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》と鉄壁の布陣を築かれてしまうと、望月も虎の子の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストせざるを得ない。
《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》が、《嘘か真か/Fact or Fiction(CNS)》のようにライブラリーを公開すると、
《修復の天使/Restoration Angel》、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
と高カロリー。
後者2枚を手に入れると、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》へ《流刑への道/Path to Exile》をキャスト、イニシアチブを手放さない。
望月も勝負を諦めない。
トップデックした《未練ある魂/Lingering Souls》で場を固め、《至高の評決/Supreme Verdict》を引き出す。
手札に眠る《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》が、今度こそ着地すれば、まだ分からない。
だが、サイトウは望月の手札が分かっているかのように、メインで《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を起動し、探査コストを封じてしまう。
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》でライフレースを引き戻すも蓄積したダメージは大きく、サイトウは地上を無視し、クリーチャー化した《天界の列柱/Celestial Colonnade》で2度攻撃を行うと、望月のライフは0を割った。
望月 0-2 サイトウ
サイトウタカヤ、優勝おめでとう!
準々決勝 石橋 祥多(栃木) vs 熊谷 昂亮(栃木)
◆石橋 祥多
普段プレイしているコミュニティーについて聞いた時、石橋は、“MOで”と答えた。
現代のマジックを取り巻く環境は、良い方向へと改善されている。
数多の数の店舗が、プレイヤーを待ちうけ、趣向を凝らした大会を開催している。
また、仲の良い友人同士で集まって、わいわい楽しみながら、時にはシビアな指摘が飛びつつも切磋琢磨していくことだろう。
だが、時間に余裕のある学生なら兎も角、社会人となるとそうもいかない。中々予定を合わせ、充実した練習はできない。
MOとは、時間効率を最大限まで高めた練習方法に他ならない。練習したいときはいつでも、どのフォーマットでも、対戦が可能である。
全方位戦略を取り、新戦力《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》がマスターピースとなって復権したジャンド。
手札破壊、除去、クロックが三位一体となったジャンドを操りこの場に立つ石橋には、練習量に裏打ちされた確かな自信と論理がある。
◆熊谷 昂亮
栃木県宇都宮市の“一刻館”でプレイする熊谷。
予選ラウンドを5-0-1と圧倒的スコアで突破している。
その原動力となっているのは、モダン黎明期から活躍し、先日もグランプリ優勝を飾った親和。
デックパワーはありながらも、キラーカードが多く、メタられると弱い、メタられなければ最強と言われるデックである。
そのデックを息するように、自分の体の一部であるかのように使いこなすのが、熊谷だ。冷静に盤面でライフを詰め、必要なカードをトップデックしてくる勝負強さ。
親和使いに必要な要素を全て兼ね備えているようだ。
誤解しないでいただきたいのは、決して“熊谷の引きが強い”と言いたいのではないということだ。
コンバット計算に始まり、ライフと毒の絡めて、面と点での突破、と親和と一口に言っても、様々な攻め手、場面がある。
その一つ一つを判断し、取捨選択していくことで、トップデックへと繋がっていく。
熊谷とデックは、親和している。
Game1
2マリガンの熊谷、2ターン目に《溶接の壺/Welding Jar》から入り《鋼の監視者/Steel Overseer》という立ち上がり。勿論《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》はセットランド済みだ。
対する石橋であるが、1マリガンからクリーチャーのみの手札をキープしているため、除去はない。こうなるとシステムクリーチャーである監視者が力を発揮してくる。
ドローするも、石橋の引いたカードは、除去呪文ではない。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》の強さとは、軽さ、クロックの高さに違いはないが、手札破壊、除去、カウンター等々の援護射撃があって、初めて真価を発揮する。
3ターン目、石橋がキャストしたのは、1/2の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》。
対照的に熊谷は《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》をトップデックし、《鋼の監視者/Steel Overseer》の援護のもと、波状攻撃を仕掛ける。
ここまで防戦一方だった石橋が、オリジンからのニューカマー《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar(ORI)》をキャストしたことで、盤面を五分とするが、熊谷のトップデックは止まらない。
金属術を達成しての《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》。
《鋼の監視者/Steel Overseer》と《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》のタッグが、16となった石橋のライフを攻め立てる。
なおも除去スペルの引けない石橋は、《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》とクリーチャーを追加するしかできない。
都合4度目の監視者の能力が起動されると、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》と合わせて一度のアタックで、石橋のライフは0を割った。
石橋 0-1 熊谷
Game2
互いに7枚キープのGame2。
熊谷は、《呪文滑り/Spellskite(NPH)》から《信号の邪魔者/Signal Pest》とゆっくりとした立ち上がり。
親和キラーと名高い《古えの遺恨/Ancient Grudge》で《呪文滑り/Spellskite(NPH)》は除去されるが、小粒のクリーチャーを展開し続け、コツコツとライフと毒の二通りの攻めを続ける。
石橋の土地が2枚で止まってしまったこともあり、豊富な除去呪文を生かしきれずにいたが、5ターン目にして3枚目の土地を引くと、2枚目の《古えの遺恨/Ancient Grudge》が《呪文滑り/Spellskite(NPH)》を再び除去し、手札に眠る除去祭りがスタートする。
石橋は、丁寧に1枚づつ除去していくが、すこしずつ漏れたクリーチャーがダメージを蓄積させていく。
熊谷は、フルタップの隙を見逃さず、《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》へ《頭蓋囲い/Cranial Plating》を装備し、一気に6点のダメージをたたき出すことで残ライフを一気に6とする。
石橋に《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》への対処手段はないが、《急速な衰微/Rapid Decay》で《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》を破壊し、ターンを稼ごうとするが、熊谷には2点で十分だった。
金属術を達成しての《感電破/Galvanic Blast》
石橋 0-2 熊谷
熊谷 Win!
◆石橋 祥多
普段プレイしているコミュニティーについて聞いた時、石橋は、“MOで”と答えた。
現代のマジックを取り巻く環境は、良い方向へと改善されている。
数多の数の店舗が、プレイヤーを待ちうけ、趣向を凝らした大会を開催している。
また、仲の良い友人同士で集まって、わいわい楽しみながら、時にはシビアな指摘が飛びつつも切磋琢磨していくことだろう。
だが、時間に余裕のある学生なら兎も角、社会人となるとそうもいかない。中々予定を合わせ、充実した練習はできない。
MOとは、時間効率を最大限まで高めた練習方法に他ならない。練習したいときはいつでも、どのフォーマットでも、対戦が可能である。
全方位戦略を取り、新戦力《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》がマスターピースとなって復権したジャンド。
手札破壊、除去、クロックが三位一体となったジャンドを操りこの場に立つ石橋には、練習量に裏打ちされた確かな自信と論理がある。
◆熊谷 昂亮
栃木県宇都宮市の“一刻館”でプレイする熊谷。
予選ラウンドを5-0-1と圧倒的スコアで突破している。
その原動力となっているのは、モダン黎明期から活躍し、先日もグランプリ優勝を飾った親和。
デックパワーはありながらも、キラーカードが多く、メタられると弱い、メタられなければ最強と言われるデックである。
そのデックを息するように、自分の体の一部であるかのように使いこなすのが、熊谷だ。冷静に盤面でライフを詰め、必要なカードをトップデックしてくる勝負強さ。
親和使いに必要な要素を全て兼ね備えているようだ。
誤解しないでいただきたいのは、決して“熊谷の引きが強い”と言いたいのではないということだ。
コンバット計算に始まり、ライフと毒の絡めて、面と点での突破、と親和と一口に言っても、様々な攻め手、場面がある。
その一つ一つを判断し、取捨選択していくことで、トップデックへと繋がっていく。
熊谷とデックは、親和している。
Game1
2マリガンの熊谷、2ターン目に《溶接の壺/Welding Jar》から入り《鋼の監視者/Steel Overseer》という立ち上がり。勿論《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》はセットランド済みだ。
対する石橋であるが、1マリガンからクリーチャーのみの手札をキープしているため、除去はない。こうなるとシステムクリーチャーである監視者が力を発揮してくる。
ドローするも、石橋の引いたカードは、除去呪文ではない。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》の強さとは、軽さ、クロックの高さに違いはないが、手札破壊、除去、カウンター等々の援護射撃があって、初めて真価を発揮する。
3ターン目、石橋がキャストしたのは、1/2の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》。
対照的に熊谷は《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》をトップデックし、《鋼の監視者/Steel Overseer》の援護のもと、波状攻撃を仕掛ける。
ここまで防戦一方だった石橋が、オリジンからのニューカマー《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar(ORI)》をキャストしたことで、盤面を五分とするが、熊谷のトップデックは止まらない。
金属術を達成しての《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》。
《鋼の監視者/Steel Overseer》と《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》のタッグが、16となった石橋のライフを攻め立てる。
なおも除去スペルの引けない石橋は、《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》とクリーチャーを追加するしかできない。
都合4度目の監視者の能力が起動されると、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》と合わせて一度のアタックで、石橋のライフは0を割った。
石橋 0-1 熊谷
Game2
互いに7枚キープのGame2。
熊谷は、《呪文滑り/Spellskite(NPH)》から《信号の邪魔者/Signal Pest》とゆっくりとした立ち上がり。
親和キラーと名高い《古えの遺恨/Ancient Grudge》で《呪文滑り/Spellskite(NPH)》は除去されるが、小粒のクリーチャーを展開し続け、コツコツとライフと毒の二通りの攻めを続ける。
石橋の土地が2枚で止まってしまったこともあり、豊富な除去呪文を生かしきれずにいたが、5ターン目にして3枚目の土地を引くと、2枚目の《古えの遺恨/Ancient Grudge》が《呪文滑り/Spellskite(NPH)》を再び除去し、手札に眠る除去祭りがスタートする。
石橋は、丁寧に1枚づつ除去していくが、すこしずつ漏れたクリーチャーがダメージを蓄積させていく。
熊谷は、フルタップの隙を見逃さず、《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》へ《頭蓋囲い/Cranial Plating》を装備し、一気に6点のダメージをたたき出すことで残ライフを一気に6とする。
石橋に《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》への対処手段はないが、《急速な衰微/Rapid Decay》で《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》を破壊し、ターンを稼ごうとするが、熊谷には2点で十分だった。
金属術を達成しての《感電破/Galvanic Blast》
石橋 0-2 熊谷
熊谷 Win!
Round5 吉田 和志(栃木) vs 宮坂 翔(埼玉)
勝つしかない最終ラウンド。ここでは爆発力を持つアミュレットブルームと効率よくライフを攻め立てるバーンデックの両者がぶつかり合う。
◆吉田 和志
栃木県の“カードショップエメリア”にてプレイする吉田は、コンボデックであるアミュレットブルームを選択肢、ここまで残っている。
メインデックは、既存のレシピと大差はないが、サイドボードには《紅蓮地獄/Pyroclasm》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《炎渦竜巻/Firespout》とリセットスペルが多く取られ、また《スラーグ牙/Thragtusk》といったライフ獲得手段も用意されている。
◆宮坂 翔
群馬県の“コミかる太田”、埼玉県の“ホビステ川越”と両県で活動しているのが宮坂だ。
今となっては古の“群馬県選手権”においてトップ8に2度残っており、言わば勝ち方を知っているプレイヤーなのかもしれない。
今回は、ナヤカラーのバーンデックを使用している。ナヤカラーというと《野生のナカティル/Wild Nacatl》をタッチしたバーンがファッションであるが、宮坂のデックは赤いクリーチャーのみであり、緑色のカードはサイドボードに潜んでいる。
本日のPPTQで勝ち残っている親和対策として《古えの遺恨/Ancient Grudge》、ユーティリティースペル《破壊的な享楽/Destructive Revelry(THS)》である。
Game1
僅か2ターン目にして、宮坂は祈りながら詰め将棋を解かなければならなくなってしまった。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》は既に場におり、手札にある火力も申し分ない。
このまま進行すれば、2ターン先の4ターン目には、確実に吉田のライフを削りきれるはずだ。最高でないまでも上々といえる宮坂の悩みは、たった1枚のアーティファクトであった。
先手の吉田が2ターン目にキャストしたのは、《精力の護符/Amulet of Vigor》。
手札を7枚でキープしたところからも、高確率でコンボが決まる可能性が高い。
宮坂は手を止め、思考の海に沈む。
実際の時間にして、数十秒程度かもしれない。
宮坂は、相手のコンボが未完成であることを祈りながら、最も効率よくダメージを与える方法を模索する。
思考の結果、2枚目のフェッチランドから《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインし《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をキャスト、果敢した速槍で攻撃し吉田のライフを14とし、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機。
手札の《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》と合わせ、1マナ3点火力さえトップデックできれば、ぴったり14点削りきることができる。
宮坂は、自身のターンを終了する。後は、祈るのみ。
3ターン目、吉田はもう1枚のキーカードである《花盛りの夏/Summer Bloom》をキャストする。
これによりアンタップ状態でバウンスランドを行き来できる状態を作り上げると6マナをひねり出し、緑の大巨人を召喚する。
《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》能力で《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold》と赤白バウンスランドをサーチし能力起動、速攻を付与すると攻撃時の誘発型能力で《ヴェズーヴァ/Vesuva》と《軍の要塞、サンホーム/Sunhome, Fortress of the Legion》をサーチする。
3ターン目にして16点ものダメージがたたき出されると、開始5分で、宮坂は後がなくなった。
吉田 1-0 宮坂
Game2
宮坂は、《乾燥台地/Arid Mesa》から《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》のペイ2には力強く、キャスト《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。
ここでボーナスの土地は公開されないが、《紅蓮地獄/Pyroclasm》と少し嫌な感じ。
それでも止まったら負けだと自分自身を奮い立たせ、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》に《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を重ね、吉田のライフを11とする。
3ターン目、予定調和に《紅蓮地獄/Pyroclasm》がキャストされるが、インスタントスペルをキャストすることで《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を場に残す。
小さいながらも毎ターン1点のクロックが刻まれ、気がつけば8。
吉田もこの小煩いクリーチャーを除去するため《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をX=1で設置するが、宮坂は既に思考を終えていた。
即ちエンドに《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》、メインでも《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》をキャストし、吉田のライフを0とした。
吉田 1-1 宮坂
Game3
宮坂は、三度1ターン目にクリーチャーを走らせると、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》で吉田の動きに縛りをかける。
吉田は、《花盛りの夏/Summer Bloom》を持ちながらも十分な土地カードを持たず、《紅蓮地獄/Pyroclasm》を探すために、ダメージを厭わず《血清の幻視/Serum Visions》をキャストする。
ここでの占術で《紅蓮地獄/Pyroclasm》を発見し、ライブラリーの上段に積み込む。
《紅蓮地獄/Pyroclasm》には《頭蓋割り/Skullcrack》を合わせ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を守り、返すターンに《稲妻/Lightning Bolt(M10)》と合わせ5点をたたき出し、残りは6。
手札は、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》と土地のみだが、ドロー次第では次のターンにも勝利が見える。
しかし吉田も簡単には終わらない。
《召喚士の契約/Summoner’s Pact》から《スラーグ牙/Thragtusk》をキャストし、ライフと防御網を一気に築き上げる。
地上は止まってしまったが、バーン使いのお手本のように火力をトップデックし続ける。《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》と《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》で残りは3だ。
吉田も粘り、最善手を尽くす。《精力の護符/Amulet of Vigor》に《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》をキャストしたり、《花盛りの夏/Summer Bloom》で《光輝の泉/Radiant Fountain(M15)》をバウンスランドと組み合わせたりと、兎に角ライフを得続ける。
生き延びた分だけドローが伸び、2枚目の《スラーグ牙/Thragtusk》や《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》自体を引き込み、逆転する可能性もある。
追い風のように宮坂が土地を引き続けてしまい、減っては増え残り数点が遠い。
膠着したこの状況を打破したのは、宮坂だった。
ライフゲインを警戒し、《頭蓋割り/Skullcrack》を手札に残しながらライブラリーに手をかける。
あなたに《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》を、そして《稲妻/Lightning Bolt(M10)》!!
吉田 1-2 宮坂
宮坂 Win!
勝つしかない最終ラウンド。ここでは爆発力を持つアミュレットブルームと効率よくライフを攻め立てるバーンデックの両者がぶつかり合う。
◆吉田 和志
栃木県の“カードショップエメリア”にてプレイする吉田は、コンボデックであるアミュレットブルームを選択肢、ここまで残っている。
メインデックは、既存のレシピと大差はないが、サイドボードには《紅蓮地獄/Pyroclasm》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《炎渦竜巻/Firespout》とリセットスペルが多く取られ、また《スラーグ牙/Thragtusk》といったライフ獲得手段も用意されている。
◆宮坂 翔
群馬県の“コミかる太田”、埼玉県の“ホビステ川越”と両県で活動しているのが宮坂だ。
今となっては古の“群馬県選手権”においてトップ8に2度残っており、言わば勝ち方を知っているプレイヤーなのかもしれない。
今回は、ナヤカラーのバーンデックを使用している。ナヤカラーというと《野生のナカティル/Wild Nacatl》をタッチしたバーンがファッションであるが、宮坂のデックは赤いクリーチャーのみであり、緑色のカードはサイドボードに潜んでいる。
本日のPPTQで勝ち残っている親和対策として《古えの遺恨/Ancient Grudge》、ユーティリティースペル《破壊的な享楽/Destructive Revelry(THS)》である。
Game1
僅か2ターン目にして、宮坂は祈りながら詰め将棋を解かなければならなくなってしまった。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》は既に場におり、手札にある火力も申し分ない。
このまま進行すれば、2ターン先の4ターン目には、確実に吉田のライフを削りきれるはずだ。最高でないまでも上々といえる宮坂の悩みは、たった1枚のアーティファクトであった。
先手の吉田が2ターン目にキャストしたのは、《精力の護符/Amulet of Vigor》。
手札を7枚でキープしたところからも、高確率でコンボが決まる可能性が高い。
宮坂は手を止め、思考の海に沈む。
実際の時間にして、数十秒程度かもしれない。
宮坂は、相手のコンボが未完成であることを祈りながら、最も効率よくダメージを与える方法を模索する。
思考の結果、2枚目のフェッチランドから《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインし《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をキャスト、果敢した速槍で攻撃し吉田のライフを14とし、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機。
手札の《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》と合わせ、1マナ3点火力さえトップデックできれば、ぴったり14点削りきることができる。
宮坂は、自身のターンを終了する。後は、祈るのみ。
3ターン目、吉田はもう1枚のキーカードである《花盛りの夏/Summer Bloom》をキャストする。
これによりアンタップ状態でバウンスランドを行き来できる状態を作り上げると6マナをひねり出し、緑の大巨人を召喚する。
《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》能力で《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold》と赤白バウンスランドをサーチし能力起動、速攻を付与すると攻撃時の誘発型能力で《ヴェズーヴァ/Vesuva》と《軍の要塞、サンホーム/Sunhome, Fortress of the Legion》をサーチする。
3ターン目にして16点ものダメージがたたき出されると、開始5分で、宮坂は後がなくなった。
吉田 1-0 宮坂
Game2
宮坂は、《乾燥台地/Arid Mesa》から《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》のペイ2には力強く、キャスト《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。
ここでボーナスの土地は公開されないが、《紅蓮地獄/Pyroclasm》と少し嫌な感じ。
それでも止まったら負けだと自分自身を奮い立たせ、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》に《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を重ね、吉田のライフを11とする。
3ターン目、予定調和に《紅蓮地獄/Pyroclasm》がキャストされるが、インスタントスペルをキャストすることで《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を場に残す。
小さいながらも毎ターン1点のクロックが刻まれ、気がつけば8。
吉田もこの小煩いクリーチャーを除去するため《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をX=1で設置するが、宮坂は既に思考を終えていた。
即ちエンドに《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》、メインでも《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》をキャストし、吉田のライフを0とした。
吉田 1-1 宮坂
Game3
宮坂は、三度1ターン目にクリーチャーを走らせると、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》で吉田の動きに縛りをかける。
吉田は、《花盛りの夏/Summer Bloom》を持ちながらも十分な土地カードを持たず、《紅蓮地獄/Pyroclasm》を探すために、ダメージを厭わず《血清の幻視/Serum Visions》をキャストする。
ここでの占術で《紅蓮地獄/Pyroclasm》を発見し、ライブラリーの上段に積み込む。
《紅蓮地獄/Pyroclasm》には《頭蓋割り/Skullcrack》を合わせ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を守り、返すターンに《稲妻/Lightning Bolt(M10)》と合わせ5点をたたき出し、残りは6。
手札は、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》と土地のみだが、ドロー次第では次のターンにも勝利が見える。
しかし吉田も簡単には終わらない。
《召喚士の契約/Summoner’s Pact》から《スラーグ牙/Thragtusk》をキャストし、ライフと防御網を一気に築き上げる。
地上は止まってしまったが、バーン使いのお手本のように火力をトップデックし続ける。《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》と《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》で残りは3だ。
吉田も粘り、最善手を尽くす。《精力の護符/Amulet of Vigor》に《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》をキャストしたり、《花盛りの夏/Summer Bloom》で《光輝の泉/Radiant Fountain(M15)》をバウンスランドと組み合わせたりと、兎に角ライフを得続ける。
生き延びた分だけドローが伸び、2枚目の《スラーグ牙/Thragtusk》や《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》自体を引き込み、逆転する可能性もある。
追い風のように宮坂が土地を引き続けてしまい、減っては増え残り数点が遠い。
膠着したこの状況を打破したのは、宮坂だった。
ライフゲインを警戒し、《頭蓋割り/Skullcrack》を手札に残しながらライブラリーに手をかける。
あなたに《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》を、そして《稲妻/Lightning Bolt(M10)》!!
吉田 1-2 宮坂
宮坂 Win!
Round3 望月 広太(埼玉) vs カミヤマ マサル(群馬)
昨年の話しになるが、2014年のモダンシーズンに主要デックと呼ばれ、多くのプレイヤーが警戒していたのは、親和、双子系、緑黒系の3つのデックであった。
中でも緑黒系のデックは、《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》に始まる手札破壊、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》等の強力な2マナクリーチャー、そして環境最強のプレインズウォーカー《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を要し、コンボにもクリーチャーにも強い、隙のないデックであった。
メタゲームが進む中で、次第にミラーマッチが増えていくと、白を足し《未練ある魂/Lingering Souls》を投入するといった器用さも見せた。
だが1年が経ち、ここには緑黒系と呼ばれるデックはもはや存在しない。
僅か1年で、というよりはタルキール覇王譚に収録された1枚のカードが、緑黒系と呼ばれていたデックを、新たなデックへと作り変えている。
その名は《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》
スタンダードに留まらず、モダン環境へも侵食し、主要メタデックとして活躍している。
◆望月 広太
望月は、埼玉県大宮市の“大宮オーガ”、群馬県太田市の“コミかる堂太田”といったJR高崎線沿線に所在するショップへ精力的に通う“チーム高崎線”において活動している。
デックの選択理由ですか?《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》が強いに限りますね
力強く答えたそのデックは、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》だけで成り立っている訳ではない。
後手番からも対応できるように、またミラーマッチにおいて攻め手に回れるように《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》が採用されている。
◆カミヤマ マサル
本年6月13日にBooksながしまで行われたPPTQ、その際にカミヤマはアブザンジャンク使いながら、こう語っている(http://68648.diarynote.jp/201508061110418205/)。
本当なら、ジャンド、使いたかったんですよね
と。
前回は決勝ラウンド進出とはならなかったが、今日はその手中にジャンドがある。渇望していたそのデックが。
比較的親和が目立つ本日の大会では、安定したマナベースを持ち、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》、《古えの遺恨/Ancient Grudge》といったメタカードを搭載したジャンドは勝者とも思える。
そしてアブザンに対しても、効果抜群の《終止/Terminate》がある。
ハンデス、除去、骨太なクリーチャー達は、何もアブザンだけの特権ではない。ジャンドにも《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》が存在している。
アブザンを選んだ男と、アブザンを捨てた男。
どちらの選択が正しいとか、どちらのデックが優れているか、その答えは聞く必要はない。
マッチの終われば、証明されているから。
そう言わんばかりに、黙々とデックをシャッフルする。
Game1
キックオフよろしく、カミヤマが《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》をキャストすると、
《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》
といった2種類のタフなクリーチャーが望月の手札に残ってしまう。《寺院の庭/Temple Garden》を持ち合わせていたことでアブザンジャンクと判明すると、脳裏によぎるのは《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》だ。
望月は、《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》が鏡打っている状況で、先手の利を生かし、《急速な衰微/Rapid Decay》で除去し、すぐに能力を起動し、3点のダメージを与える。
後手に回ると挽回するのは難しい、押しの強さが売りのアブザンジャンクに対し、カミヤマは《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》で再び場に平穏をもたらす。
望月は《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》で、カミヤマは《怒り狂う山峡/Raging Ravine》でダメージレースを仕掛ける。
いや、カミヤマの手札には有効牌はなく、ダメージレースを仕掛けざるを得ない。
このゲームを自分側に引き寄せたのは望月がトップデックした《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
ライフを望月20に対しカミヤマ7とトリプルスコア近くまで離すと、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》と合わせ8点分のクロックを用意する。
カミヤマが《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をブロックに回したことで、望月は《喉首狙い/Go for the Throat》をキャストし、ライフを削りきった。
望月 1-0 カミヤマ
Game2
モダン環境における2マナ域ということを考えた際、何を思い浮かべるだろうか。
クリーチャーであるならば《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、呪文であれば《差し戻し/Remand(RAV)》や《急速な衰微/Rapid Decay》と攻守共に様々なカードの応酬が行われる。
この最重要とも言えるターンに、過去に環境最強と謳われながらモダン環境ではまだ、花を咲かせぬカードがあった。
カミヤマは、2ターン目にエンチャントする。
《苦花/Bitterblossom(MOR)》という大輪を。
望月の土地が2枚で止まってしまったことも含めて、《苦花/Bitterblossom(MOR)》は圧倒的な航空戦力を生み出す。
嘗てのスタンダード環境では、美し過ぎる花は朽ちゆくもの、と苦花死という逆転劇もありえたが、カミヤマは、美しさを失わない。
墓地に落ちたクリーチャーをコストに《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》を育て、得たライフを《苦花/Bitterblossom(MOR)》を維持し続ける、貪欲なエンジンが搭載されている。
望月は、《流刑への道/Path to Exile》等の単発除去こそ引くも、増え続けるフェアリーに対処することは不可能なのだった。
望月 1-1 カミヤマ
Game3
望月は、Game2のお返しとばかりに表裏と《未練ある魂/Lingering Souls》をキャストし、航空戦力を確保する。
カミヤマの手に《苦花/Bitterblossom(MOR)》はなく、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》、《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》と地上にクリーチャーを配置し、すれ違いのダメージレースが展開される。
望月は、打点よりもカードアドバンテージに重きを置き、《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》を除去、攻守を入れ替えるかと思われた《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》に対しても、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とイニシアチブを譲らない。
こうなってしまうとカミヤマに残されたのは、デックにたった1枚の《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》を引くしかない。
少しでも時間を稼ぐため、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》をキャストするも、望月は愚直にライフを攻める。
1枚、また1枚とライブラリーを捲るも、そこに望むカードはない。
望月がトークンをレッドゾーンへ向かわせると、カミヤマは右手を差し出した。
望月 2-1 カミヤマ
望月 Win!
昨年の話しになるが、2014年のモダンシーズンに主要デックと呼ばれ、多くのプレイヤーが警戒していたのは、親和、双子系、緑黒系の3つのデックであった。
中でも緑黒系のデックは、《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》に始まる手札破壊、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》等の強力な2マナクリーチャー、そして環境最強のプレインズウォーカー《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を要し、コンボにもクリーチャーにも強い、隙のないデックであった。
メタゲームが進む中で、次第にミラーマッチが増えていくと、白を足し《未練ある魂/Lingering Souls》を投入するといった器用さも見せた。
だが1年が経ち、ここには緑黒系と呼ばれるデックはもはや存在しない。
僅か1年で、というよりはタルキール覇王譚に収録された1枚のカードが、緑黒系と呼ばれていたデックを、新たなデックへと作り変えている。
その名は《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》
スタンダードに留まらず、モダン環境へも侵食し、主要メタデックとして活躍している。
◆望月 広太
望月は、埼玉県大宮市の“大宮オーガ”、群馬県太田市の“コミかる堂太田”といったJR高崎線沿線に所在するショップへ精力的に通う“チーム高崎線”において活動している。
デックの選択理由ですか?《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》が強いに限りますね
力強く答えたそのデックは、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》だけで成り立っている訳ではない。
後手番からも対応できるように、またミラーマッチにおいて攻め手に回れるように《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》が採用されている。
◆カミヤマ マサル
本年6月13日にBooksながしまで行われたPPTQ、その際にカミヤマはアブザンジャンク使いながら、こう語っている(http://68648.diarynote.jp/201508061110418205/)。
本当なら、ジャンド、使いたかったんですよね
と。
前回は決勝ラウンド進出とはならなかったが、今日はその手中にジャンドがある。渇望していたそのデックが。
比較的親和が目立つ本日の大会では、安定したマナベースを持ち、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》、《古えの遺恨/Ancient Grudge》といったメタカードを搭載したジャンドは勝者とも思える。
そしてアブザンに対しても、効果抜群の《終止/Terminate》がある。
ハンデス、除去、骨太なクリーチャー達は、何もアブザンだけの特権ではない。ジャンドにも《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》が存在している。
アブザンを選んだ男と、アブザンを捨てた男。
どちらの選択が正しいとか、どちらのデックが優れているか、その答えは聞く必要はない。
マッチの終われば、証明されているから。
そう言わんばかりに、黙々とデックをシャッフルする。
Game1
キックオフよろしく、カミヤマが《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》をキャストすると、
《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》
といった2種類のタフなクリーチャーが望月の手札に残ってしまう。《寺院の庭/Temple Garden》を持ち合わせていたことでアブザンジャンクと判明すると、脳裏によぎるのは《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》だ。
望月は、《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》が鏡打っている状況で、先手の利を生かし、《急速な衰微/Rapid Decay》で除去し、すぐに能力を起動し、3点のダメージを与える。
後手に回ると挽回するのは難しい、押しの強さが売りのアブザンジャンクに対し、カミヤマは《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》で再び場に平穏をもたらす。
望月は《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》で、カミヤマは《怒り狂う山峡/Raging Ravine》でダメージレースを仕掛ける。
いや、カミヤマの手札には有効牌はなく、ダメージレースを仕掛けざるを得ない。
このゲームを自分側に引き寄せたのは望月がトップデックした《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
ライフを望月20に対しカミヤマ7とトリプルスコア近くまで離すと、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》と合わせ8点分のクロックを用意する。
カミヤマが《怒り狂う山峡/Raging Ravine》をブロックに回したことで、望月は《喉首狙い/Go for the Throat》をキャストし、ライフを削りきった。
望月 1-0 カミヤマ
Game2
モダン環境における2マナ域ということを考えた際、何を思い浮かべるだろうか。
クリーチャーであるならば《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、呪文であれば《差し戻し/Remand(RAV)》や《急速な衰微/Rapid Decay》と攻守共に様々なカードの応酬が行われる。
この最重要とも言えるターンに、過去に環境最強と謳われながらモダン環境ではまだ、花を咲かせぬカードがあった。
カミヤマは、2ターン目にエンチャントする。
《苦花/Bitterblossom(MOR)》という大輪を。
望月の土地が2枚で止まってしまったことも含めて、《苦花/Bitterblossom(MOR)》は圧倒的な航空戦力を生み出す。
嘗てのスタンダード環境では、美し過ぎる花は朽ちゆくもの、と苦花死という逆転劇もありえたが、カミヤマは、美しさを失わない。
墓地に落ちたクリーチャーをコストに《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》を育て、得たライフを《苦花/Bitterblossom(MOR)》を維持し続ける、貪欲なエンジンが搭載されている。
望月は、《流刑への道/Path to Exile》等の単発除去こそ引くも、増え続けるフェアリーに対処することは不可能なのだった。
望月 1-1 カミヤマ
Game3
望月は、Game2のお返しとばかりに表裏と《未練ある魂/Lingering Souls》をキャストし、航空戦力を確保する。
カミヤマの手に《苦花/Bitterblossom(MOR)》はなく、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》、《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》と地上にクリーチャーを配置し、すれ違いのダメージレースが展開される。
望月は、打点よりもカードアドバンテージに重きを置き、《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》を除去、攻守を入れ替えるかと思われた《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》に対しても、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とイニシアチブを譲らない。
こうなってしまうとカミヤマに残されたのは、デックにたった1枚の《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》を引くしかない。
少しでも時間を稼ぐため、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》をキャストするも、望月は愚直にライフを攻める。
1枚、また1枚とライブラリーを捲るも、そこに望むカードはない。
望月がトークンをレッドゾーンへ向かわせると、カミヤマは右手を差し出した。
望月 2-1 カミヤマ
望月 Win!
Round1 松村 岳彦(埼玉) vs 荻野 航平(群馬)
今から遡ること2年前、2013年の冬、群馬県桐生市に1店のカードゲームショップが誕生した。
嘗てカードゲームに明け暮れた若さ溢れる2人の従業員達は、「自分たちが経験した楽しさを他の人へも経験して欲しい」、その想いが、情熱が、具現化し、カードショップという体を成した。
32席のデュエルスペースとフォーマット毎の一押しカードを中心に並べられたショーケースは、一目見て、プレイヤー目線を強く意識している。
そして本日、オープンから僅か2年で初めてPPTQを開催するまでに至った。その名は、
“カードショップONE☆PACK”
この店からもまた1人、新たなPPTQ突破者が生まれることとなる。
自身の分身とも言えるデックを携え、32名ものプレイヤーが頂点を目指して激突する。。
Round1では、埼玉県から松村 岳彦と地元“カードショップONE☆PACK”に通う荻野 航平の対決をお送りしたい。
◆松村 岳彦
カードショップMINT神田店に勤務する松村のマジック暦は長い。
グランプリへの参加という形で開かれたトーナメントマジックの扉も、早13年。その時の流れの中でプロツアーを経験し、苦渋を飲まされ、挫折し、再び這い上がりプロツアーへ挑戦を続けている。
そこでの経験があるからこそ、松村は、マジックを続けている。
あの場所には、全てがある。勝利とか敗北、夢や希望だけじゃない。マジックの全てが、ね。だから忘れられないのさ、プロツアーという舞台がね。
◆荻野 航平
今回PPTQが開催されている“カードショップONE☆PACK”の店長や常連の方に一押しのプレイヤーを聞いた際、口を揃えて出た名前が彼だ。
先日“晴れる屋”で開催されたGPTシドニーを優勝したのも彼であり、勢いは十分。
マジックに必要なのは、経験だけじゃない。若さや勢いが強さともなり得る。
普段はリミテッドを中心にプレイしており、モダンは初めてとのことではあるが、無限コンボ内臓のアブザン・カンパニーを持ち込んでいる。
Game1
荻野は、《寺院の庭/Temple Garden》から《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》、マナクリーチャーの力をかり2ターン目に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をキャストすると賛美も相まって4点と、十分すぎるクロックを用意する。
対する松村は、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》セットランドから《テラリオン/Terrarion》と見慣れぬ動き。
2枚目の土地として場に出た《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》のお陰で青白というカラーリングこそ判明したが、その後も《予言のプリズム/Prophetic Prism》とデックの全容は不明である。
荻野は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》まで加え、8点のダメージを与え、松村のライフを10とする。
松村の場には、土地とマナ変換様のアーティファクトのみで、現状を打開するには《神の怒り/Wrath of God》等のリセットスペルでもない限りは、不可能のように見える。
返すターン、松村は1枚のアーティファクトを場に出す。それこそこのデックのキーカードである《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》だ。
松村がこれまでにキャストしたアーティファクトは、この1枚に帰結する。
場にある8アーティファクトを数えると、《テラリオン/Terrarion》を生贄に捧げ、無色2マナを生み出しながら、ドローを進める。
同様の手順でマナを生み出しながら、マナフィルター能力で白マナを生み出すと、キャストしたのは《再利用の咆哮/Roar of Reclamation》!!
ここまで生贄に捧げたアーティファクト達が再び場に戻ってくる。
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》等の2マナのアーティファクトがフリースペル同様に連鎖し、《蔵の開放/Open the Vaults》を経て、嬉々とした一人回しは続く。
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》をキャストし、更に《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas 》の奥義を構え、磐石の体制を確立したところで、荻野も最後の望み、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》をキャストする。
だが、荻野の元に、中隊が集まることはなかった。
松村 1-0 荻野
Game2
荻野は、《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》、《極楽鳥/Birds of Paradise》とマナクリーチャーは展開できたが、その後は《血の芸術家/Blood Artist》とイマイチ打点が上がらない。
松村は、これ幸いと《予言のプリズム/Prophetic Prism》、《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》とアーティファクトを増やしていく。
ここまでは順調であった両者に襲い掛かったのは荻野のキャストした《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》。
この1枚で不足していたクロックの増強と合わせて、《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》への布石とする。
なんとか《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》の能力を使わせたいところであるが、如何せん松村のドローがピリッとしない。
クロックが低かったため、ライフを二桁残した状態で土地が5枚まで伸びてはいるが、なんと残りの手札も全て土地。
2/2の熊達が少しずつダメージを与え続けると、その後も土地ばかりドローしている松村を尻目に、荻野が星を取り返す。
松村 1-1 荻野
Game3
アーティファクトを重ね順調に見えた松村に、《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》が襲い掛かる。
不運は重なるもので、アーティファクト土地を固め引いてしまい、自由に動くことができない。
更に《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》が加わることで、禍汰奇の2点が重く圧し掛かる。
せめて《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》がキャストできる4マナまで伸びればといったところだが、2枚の《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(DST)》が足かせとなり、他のアーティファクトをキャスト、維持できない。
荻野は、瞬殺コンボはなくとも小さいクロックを積み重ねることで、モダン初めてとは思えぬ落ち着いた手つきのまま松村のライフを削りきった。
松村 1-2 荻野
荻野 Win!
今から遡ること2年前、2013年の冬、群馬県桐生市に1店のカードゲームショップが誕生した。
嘗てカードゲームに明け暮れた若さ溢れる2人の従業員達は、「自分たちが経験した楽しさを他の人へも経験して欲しい」、その想いが、情熱が、具現化し、カードショップという体を成した。
32席のデュエルスペースとフォーマット毎の一押しカードを中心に並べられたショーケースは、一目見て、プレイヤー目線を強く意識している。
そして本日、オープンから僅か2年で初めてPPTQを開催するまでに至った。その名は、
“カードショップONE☆PACK”
この店からもまた1人、新たなPPTQ突破者が生まれることとなる。
自身の分身とも言えるデックを携え、32名ものプレイヤーが頂点を目指して激突する。。
Round1では、埼玉県から松村 岳彦と地元“カードショップONE☆PACK”に通う荻野 航平の対決をお送りしたい。
◆松村 岳彦
カードショップMINT神田店に勤務する松村のマジック暦は長い。
グランプリへの参加という形で開かれたトーナメントマジックの扉も、早13年。その時の流れの中でプロツアーを経験し、苦渋を飲まされ、挫折し、再び這い上がりプロツアーへ挑戦を続けている。
そこでの経験があるからこそ、松村は、マジックを続けている。
あの場所には、全てがある。勝利とか敗北、夢や希望だけじゃない。マジックの全てが、ね。だから忘れられないのさ、プロツアーという舞台がね。
◆荻野 航平
今回PPTQが開催されている“カードショップONE☆PACK”の店長や常連の方に一押しのプレイヤーを聞いた際、口を揃えて出た名前が彼だ。
先日“晴れる屋”で開催されたGPTシドニーを優勝したのも彼であり、勢いは十分。
マジックに必要なのは、経験だけじゃない。若さや勢いが強さともなり得る。
普段はリミテッドを中心にプレイしており、モダンは初めてとのことではあるが、無限コンボ内臓のアブザン・カンパニーを持ち込んでいる。
Game1
荻野は、《寺院の庭/Temple Garden》から《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》、マナクリーチャーの力をかり2ターン目に《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をキャストすると賛美も相まって4点と、十分すぎるクロックを用意する。
対する松村は、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》セットランドから《テラリオン/Terrarion》と見慣れぬ動き。
2枚目の土地として場に出た《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》のお陰で青白というカラーリングこそ判明したが、その後も《予言のプリズム/Prophetic Prism》とデックの全容は不明である。
荻野は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》まで加え、8点のダメージを与え、松村のライフを10とする。
松村の場には、土地とマナ変換様のアーティファクトのみで、現状を打開するには《神の怒り/Wrath of God》等のリセットスペルでもない限りは、不可能のように見える。
返すターン、松村は1枚のアーティファクトを場に出す。それこそこのデックのキーカードである《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》だ。
松村がこれまでにキャストしたアーティファクトは、この1枚に帰結する。
場にある8アーティファクトを数えると、《テラリオン/Terrarion》を生贄に捧げ、無色2マナを生み出しながら、ドローを進める。
同様の手順でマナを生み出しながら、マナフィルター能力で白マナを生み出すと、キャストしたのは《再利用の咆哮/Roar of Reclamation》!!
ここまで生贄に捧げたアーティファクト達が再び場に戻ってくる。
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》等の2マナのアーティファクトがフリースペル同様に連鎖し、《蔵の開放/Open the Vaults》を経て、嬉々とした一人回しは続く。
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》をキャストし、更に《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas 》の奥義を構え、磐石の体制を確立したところで、荻野も最後の望み、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》をキャストする。
だが、荻野の元に、中隊が集まることはなかった。
松村 1-0 荻野
Game2
荻野は、《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》、《極楽鳥/Birds of Paradise》とマナクリーチャーは展開できたが、その後は《血の芸術家/Blood Artist》とイマイチ打点が上がらない。
松村は、これ幸いと《予言のプリズム/Prophetic Prism》、《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》とアーティファクトを増やしていく。
ここまでは順調であった両者に襲い掛かったのは荻野のキャストした《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》。
この1枚で不足していたクロックの増強と合わせて、《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》への布石とする。
なんとか《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》の能力を使わせたいところであるが、如何せん松村のドローがピリッとしない。
クロックが低かったため、ライフを二桁残した状態で土地が5枚まで伸びてはいるが、なんと残りの手札も全て土地。
2/2の熊達が少しずつダメージを与え続けると、その後も土地ばかりドローしている松村を尻目に、荻野が星を取り返す。
松村 1-1 荻野
Game3
アーティファクトを重ね順調に見えた松村に、《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》が襲い掛かる。
不運は重なるもので、アーティファクト土地を固め引いてしまい、自由に動くことができない。
更に《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》が加わることで、禍汰奇の2点が重く圧し掛かる。
せめて《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》がキャストできる4マナまで伸びればといったところだが、2枚の《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(DST)》が足かせとなり、他のアーティファクトをキャスト、維持できない。
荻野は、瞬殺コンボはなくとも小さいクロックを積み重ねることで、モダン初めてとは思えぬ落ち着いた手つきのまま松村のライフを削りきった。
松村 1-2 荻野
荻野 Win!
決勝 棚橋 雅康 vs 林 隆智
棚橋 雅康が、このテーブルに座った時、前回のPPTQを思い出さざるを得なかった。アブザンミラーを制した棚橋が、今度はモダンでも勝利する。
群馬は、棚橋牧場と化してしまうのか、そんな冗談めいたことを思ってしまった。
今大会を見た時、棚橋という存在は、デックも含めて抜きに出ている。
棚橋のデックは、赤緑のブリーチトラップに秘匿ランドを追加した、ナヤカラーのブリーチトラップ。
初見では、どんな動きは分かりにくい。仮に動きを理解していたとしても、《裂け目の突破/Through the Breach》と《召喚の罠/Summoning Trap》、小粒なクリーチャー達と《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》に導かれる秘匿土地が織り成すシナジーを適正に対処するのは困難だ。
ミラーマッチとなった準決勝、棚橋は緑マナのみの盤面へ《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を投下し、赤マナを生成すると先手後手を入れ替え《裂け目の突破/Through the Breach》から《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》を決め、逆転勝ちしている。
勢いは十分、このままPPTQ突破となるか。
Game1
林の《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》でゲームの幕があける。
棚橋の手札は、
《巣の侵略者/Nest Invader》、《復活の声/Voice of Resurgence》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《裂け目の突破/Through the Breach》、《変わり谷/Mutavault》、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》
である。
棚橋は、見えている《復活の声/Voice of Resurgence》から入り、インスタント呪文が多い林デックに対しプレッシャーとするが、林はお構いなしに《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を召喚する。
《巣の侵略者/Nest Invader》、《極楽鳥/Birds of Paradise》と展開するが、場にセットされている秘匿土地は《苔汁の橋/Mosswort Bridge》のみであり、パワー8へは圧倒的に足りない。
林は、《復活の声/Voice of Resurgence》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去し、手札のインスタントスペルの使用制限を解く。
4ターン目、棚橋の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》に待ってましたとばかりに《マナ漏出/Mana Leak》を合わせる、ここまでは予定調和だった。
フルタップのはずの棚橋は、1枚の呪文を提示する。
《召喚の罠/Summoning Trap》
クリーチャーが打ち消された場合、0マナでキャスト可能なこのスペル。
林に残されたマナはなく、1枚1枚めくられるライブラリーを祈りながら見続けるしかない。
最後の6枚目から現れたのは、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》。
対処不能な伝説クリーチャーが場に出ると、林は、ドローも見ずに、サイドボードへと手を伸ばす。
棚橋 1-0 林
林と初めて会話したのは、Finals05の2日目、Round1(エクステンデッド)が終了した時だった。
初日を全勝で折り返した彼は、初戦を落とし、そのまま惨敗した。
そのプレイは、スタンダードの時とは打って変わり、たどたどしく、反対側から見ても初見であることは容易に知れた。
プレイヤーの意志とデックの動きがバラバラとなり、目指すべき勝利からは遠ざかる一方であった。
それから数年が経ち、林は、“The Last Sun2014”のチャンピオンとなり、PPTQも突破し、勝ち続けている。
特に“The Last Sun2014”は、林が苦手としたスタンダードとモダンの複合フォーマットであった。
『White House』というチームで活動するようになり、スタンダード一辺倒だった林から、フォーマット分け隔てなく練習し、苦手を克服し勝ちにこだわるように変わった。
“練習は特にしていないが、なんとなく勝てる”
そんな根拠のない自信は今の林にはなく、積み上げた練習が林を支えている。
林は、着実に一歩ずつ、プロツアーという目標へ向けて歩を進めている。
だから、その手に握る《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をプレイする彼は、美しい。
今、林とデックは、調和している。
Game2
林は、デックの代名詞《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》でスタートを切り、棚橋も《貴族の教主/Noble Hierarch》を出す。
ここまで均衡であったゲームバランスが崩れたのは、突然であった。
林の2体の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が、3ターン目に変身したのだ。 クロックは、突如尋常ならざる6点へと跳ね上がる。
棚橋は、クリーチャーばかり引いてしまい、2度の攻撃でライフは4。
除去も、ブリーチもなく、勝負は3ゲーム目へ。
棚橋 1-1 林
Game3
PPTQ決勝戦も3本目までもつれ込んだ。
後手1ターン目に召喚された林の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》はすぐに《思考掃き/Thought Scour》を捲り、3点クロックを刻みだす。
だが棚橋も負けてはいない。
デックのダイナモといえる《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》をキャストすると、《樹上の村/Treetop Village》と合わせて5点のクロックを生み出す。
一撃で相手を倒すコンボが揃わなくても、小粒のクリーチャーとマンランドでダメージレースを仕掛けることも可能なのだ。
林は、クリーチャーによるダメージを受け、棚橋が追加のクリーチャーはなく、ターンを返すジェスチャーをすると、迷わず《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を除去した。
3ターン目、林は1枚のカードをエンチャントする。モダン環境が始まって以来値段が高騰し続けている1枚のエンチャント、《血染めの月/Blood Moon》を置いた。
棚橋の場には特殊地形しかなく、ターンを返すことしかできない。
林も追加の呪文はキャストできないが、除去されないことを祈り、3点ずつクロックを刻み続ける。
棚橋の場に、《森/Forest》が出る。何の変哲もない基本地形だが、何よりも欲していたものだ。
しかしそこから繋がるマナクリーチャーがいない。
気がつけば8。
もう1ターン過ぎ5。
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が棚橋のライフを2とすると、林は《稲妻/Lightning Bolt(M10)》を公開し、勝利をその手に引き寄せた。
棚橋 1-2 林
林 隆智、優勝おめでとう!!
棚橋 雅康が、このテーブルに座った時、前回のPPTQを思い出さざるを得なかった。アブザンミラーを制した棚橋が、今度はモダンでも勝利する。
群馬は、棚橋牧場と化してしまうのか、そんな冗談めいたことを思ってしまった。
今大会を見た時、棚橋という存在は、デックも含めて抜きに出ている。
棚橋のデックは、赤緑のブリーチトラップに秘匿ランドを追加した、ナヤカラーのブリーチトラップ。
初見では、どんな動きは分かりにくい。仮に動きを理解していたとしても、《裂け目の突破/Through the Breach》と《召喚の罠/Summoning Trap》、小粒なクリーチャー達と《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》に導かれる秘匿土地が織り成すシナジーを適正に対処するのは困難だ。
ミラーマッチとなった準決勝、棚橋は緑マナのみの盤面へ《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を投下し、赤マナを生成すると先手後手を入れ替え《裂け目の突破/Through the Breach》から《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》を決め、逆転勝ちしている。
勢いは十分、このままPPTQ突破となるか。
Game1
林の《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》でゲームの幕があける。
棚橋の手札は、
《巣の侵略者/Nest Invader》、《復活の声/Voice of Resurgence》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《裂け目の突破/Through the Breach》、《変わり谷/Mutavault》、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》
である。
棚橋は、見えている《復活の声/Voice of Resurgence》から入り、インスタント呪文が多い林デックに対しプレッシャーとするが、林はお構いなしに《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を召喚する。
《巣の侵略者/Nest Invader》、《極楽鳥/Birds of Paradise》と展開するが、場にセットされている秘匿土地は《苔汁の橋/Mosswort Bridge》のみであり、パワー8へは圧倒的に足りない。
林は、《復活の声/Voice of Resurgence》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去し、手札のインスタントスペルの使用制限を解く。
4ターン目、棚橋の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》に待ってましたとばかりに《マナ漏出/Mana Leak》を合わせる、ここまでは予定調和だった。
フルタップのはずの棚橋は、1枚の呪文を提示する。
《召喚の罠/Summoning Trap》
クリーチャーが打ち消された場合、0マナでキャスト可能なこのスペル。
林に残されたマナはなく、1枚1枚めくられるライブラリーを祈りながら見続けるしかない。
最後の6枚目から現れたのは、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》。
対処不能な伝説クリーチャーが場に出ると、林は、ドローも見ずに、サイドボードへと手を伸ばす。
棚橋 1-0 林
林と初めて会話したのは、Finals05の2日目、Round1(エクステンデッド)が終了した時だった。
初日を全勝で折り返した彼は、初戦を落とし、そのまま惨敗した。
そのプレイは、スタンダードの時とは打って変わり、たどたどしく、反対側から見ても初見であることは容易に知れた。
プレイヤーの意志とデックの動きがバラバラとなり、目指すべき勝利からは遠ざかる一方であった。
それから数年が経ち、林は、“The Last Sun2014”のチャンピオンとなり、PPTQも突破し、勝ち続けている。
特に“The Last Sun2014”は、林が苦手としたスタンダードとモダンの複合フォーマットであった。
『White House』というチームで活動するようになり、スタンダード一辺倒だった林から、フォーマット分け隔てなく練習し、苦手を克服し勝ちにこだわるように変わった。
“練習は特にしていないが、なんとなく勝てる”
そんな根拠のない自信は今の林にはなく、積み上げた練習が林を支えている。
林は、着実に一歩ずつ、プロツアーという目標へ向けて歩を進めている。
だから、その手に握る《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をプレイする彼は、美しい。
今、林とデックは、調和している。
Game2
林は、デックの代名詞《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》でスタートを切り、棚橋も《貴族の教主/Noble Hierarch》を出す。
ここまで均衡であったゲームバランスが崩れたのは、突然であった。
林の2体の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が、3ターン目に変身したのだ。 クロックは、突如尋常ならざる6点へと跳ね上がる。
棚橋は、クリーチャーばかり引いてしまい、2度の攻撃でライフは4。
除去も、ブリーチもなく、勝負は3ゲーム目へ。
棚橋 1-1 林
Game3
PPTQ決勝戦も3本目までもつれ込んだ。
後手1ターン目に召喚された林の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》はすぐに《思考掃き/Thought Scour》を捲り、3点クロックを刻みだす。
だが棚橋も負けてはいない。
デックのダイナモといえる《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》をキャストすると、《樹上の村/Treetop Village》と合わせて5点のクロックを生み出す。
一撃で相手を倒すコンボが揃わなくても、小粒のクリーチャーとマンランドでダメージレースを仕掛けることも可能なのだ。
林は、クリーチャーによるダメージを受け、棚橋が追加のクリーチャーはなく、ターンを返すジェスチャーをすると、迷わず《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を除去した。
3ターン目、林は1枚のカードをエンチャントする。モダン環境が始まって以来値段が高騰し続けている1枚のエンチャント、《血染めの月/Blood Moon》を置いた。
棚橋の場には特殊地形しかなく、ターンを返すことしかできない。
林も追加の呪文はキャストできないが、除去されないことを祈り、3点ずつクロックを刻み続ける。
棚橋の場に、《森/Forest》が出る。何の変哲もない基本地形だが、何よりも欲していたものだ。
しかしそこから繋がるマナクリーチャーがいない。
気がつけば8。
もう1ターン過ぎ5。
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が棚橋のライフを2とすると、林は《稲妻/Lightning Bolt(M10)》を公開し、勝利をその手に引き寄せた。
棚橋 1-2 林
林 隆智、優勝おめでとう!!
準々決勝 林 隆智 vs 井田 隆雅
マジックは、平等なゲームだ。
手札枚数やデック枚数、先手後手の優劣から生まれるドローといった基本的なルールは元より、軽い呪文は弱く、重い呪文は強いといった原則、その原則から生まれるアーキタイプ、色相性を緩和する対策カードやサイドボード。
新しいエキスパッションが出るたびにTier1への対策と、新デックへのカード供給がなされ、新たなメタゲームが形成されていく。
バランスが取れているのは、土地とマナコストの存在に他ならない。
だが保守的になってばかりでは革新はないと思うのか、時にルールを捻じ曲げ、環境を破壊しかけることがある。そう、マナコスト、マナブースト等マナに関するものだ。
最近では親和(デックではなく能力)いい例であるが、他にもやり方はある。
このマッチの両者は、マナコストを踏み倒しながら、勝ち進んできた。
《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》を禁止に追いやった墓地を使用する“探査”と、ライフをコストに充てる《死の影/Death’s Shadow》によって。
Game1
井田は、先手の利を生かすべく狂ったようにスペルをキャストする。
《通りの悪霊/Street Wraith》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》から《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を経て《草むした墓/Overgrown Tomb》から《野生のナカティル/Wild Nacatl》。
1ターンの内に残ライフは13と、自分のライフを一気に7点も削ってみせた。
林は、厄介な1マナクリーチャーを《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去するが、当然のように2号機が出てくる。
既に手札でコンボパーツは揃っているため、安全確認に自身のライフを6とし、3枚目《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た林の手札は、
《呪文嵌め/Spell Snare》、《差し戻し/Remand》、《マナ漏出/Mana Leak》、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》
と非常に強力なもの。《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》、《強大化/Become Immense(KTK)》に相性の良いスペルが多く、コンボを捨てざるを得ない。
林は、カウンター系スペルを構えたまま、探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》。このフィニッシャーは、本当に強い。
タシグルこそ戦闘ダメージと《稲妻/Lightning Bolt(M10)》のダメージを合わせ除去するも、林のカウンター呪文が頭から離れない。そしてクリーチャーもほとんど役に立たない《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》のみとなってしまう。
林はカウンターを構えながら、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》をキャストする。
1枚、また1枚と呪文を唱え、ライブラリー操作を行うと、林は、1度の攻撃で相手のライフを0とした。
林 1-0 井田
Game2
井田は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》の2連打で《終止/Terminate》と《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》を落とし、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》がダメージを刻む。
林は、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で手札、特に要の《呪文嵌め/Spell Snare》を見られているが、それでも丁寧に1マナを立たせ続ける。
そして林が《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》がキャストした返しのターン、ショックランドをセットすると井田は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を攻撃へタシグルへ突っ込ませる。
ブロックに対応して3マナ残して《強大化/Become Immense(KTK)》!!
林 隆智は、長考している。
《血の墓所/Blood Crypt》、《草むした墓/Overgrown Tomb》、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を前に。
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》と《強大化/Become Immense(KTK)》がちょうどキャストできるこの状況を前に。
林は、コンボが揃っていることを前提とし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を守らず、《強大化/Become Immense(KTK)》を許可する。
林の場には土地のみだが、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で井田の手札が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》のみと判明すると、《呪文嵌め/Spell Snare》のマナを残し《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が終に姿を現す。
現在のライフは林8に対し、井田3。
井田に残されたクリーチャーが《死の影/Death’s Shadow》や《野生のナカティル/Wild Nacatl》ならば話は変わっていたかもしれない。
力なくたたずむ《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》では、現状を打開できない。
そして現状を打開するカードも、林の分厚いカウンター呪文によって阻まれ、副産物として生み出されたトークン達と《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が攻撃へ向かうと、ライフをコストに戦い続けた井田のPPTQは、ここで幕を閉じた。
林 2-0 井田
林 Win!
マジックは、平等なゲームだ。
手札枚数やデック枚数、先手後手の優劣から生まれるドローといった基本的なルールは元より、軽い呪文は弱く、重い呪文は強いといった原則、その原則から生まれるアーキタイプ、色相性を緩和する対策カードやサイドボード。
新しいエキスパッションが出るたびにTier1への対策と、新デックへのカード供給がなされ、新たなメタゲームが形成されていく。
バランスが取れているのは、土地とマナコストの存在に他ならない。
だが保守的になってばかりでは革新はないと思うのか、時にルールを捻じ曲げ、環境を破壊しかけることがある。そう、マナコスト、マナブースト等マナに関するものだ。
最近では親和(デックではなく能力)いい例であるが、他にもやり方はある。
このマッチの両者は、マナコストを踏み倒しながら、勝ち進んできた。
《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》を禁止に追いやった墓地を使用する“探査”と、ライフをコストに充てる《死の影/Death’s Shadow》によって。
Game1
井田は、先手の利を生かすべく狂ったようにスペルをキャストする。
《通りの悪霊/Street Wraith》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》から《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を経て《草むした墓/Overgrown Tomb》から《野生のナカティル/Wild Nacatl》。
1ターンの内に残ライフは13と、自分のライフを一気に7点も削ってみせた。
林は、厄介な1マナクリーチャーを《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去するが、当然のように2号機が出てくる。
既に手札でコンボパーツは揃っているため、安全確認に自身のライフを6とし、3枚目《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た林の手札は、
《呪文嵌め/Spell Snare》、《差し戻し/Remand》、《マナ漏出/Mana Leak》、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》
と非常に強力なもの。《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》、《強大化/Become Immense(KTK)》に相性の良いスペルが多く、コンボを捨てざるを得ない。
林は、カウンター系スペルを構えたまま、探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》。このフィニッシャーは、本当に強い。
タシグルこそ戦闘ダメージと《稲妻/Lightning Bolt(M10)》のダメージを合わせ除去するも、林のカウンター呪文が頭から離れない。そしてクリーチャーもほとんど役に立たない《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》のみとなってしまう。
林はカウンターを構えながら、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》をキャストする。
1枚、また1枚と呪文を唱え、ライブラリー操作を行うと、林は、1度の攻撃で相手のライフを0とした。
林 1-0 井田
Game2
井田は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》の2連打で《終止/Terminate》と《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》を落とし、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》がダメージを刻む。
林は、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で手札、特に要の《呪文嵌め/Spell Snare》を見られているが、それでも丁寧に1マナを立たせ続ける。
そして林が《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》がキャストした返しのターン、ショックランドをセットすると井田は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を攻撃へタシグルへ突っ込ませる。
ブロックに対応して3マナ残して《強大化/Become Immense(KTK)》!!
林 隆智は、長考している。
《血の墓所/Blood Crypt》、《草むした墓/Overgrown Tomb》、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を前に。
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》と《強大化/Become Immense(KTK)》がちょうどキャストできるこの状況を前に。
林は、コンボが揃っていることを前提とし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を守らず、《強大化/Become Immense(KTK)》を許可する。
林の場には土地のみだが、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で井田の手札が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》のみと判明すると、《呪文嵌め/Spell Snare》のマナを残し《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が終に姿を現す。
現在のライフは林8に対し、井田3。
井田に残されたクリーチャーが《死の影/Death’s Shadow》や《野生のナカティル/Wild Nacatl》ならば話は変わっていたかもしれない。
力なくたたずむ《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》では、現状を打開できない。
そして現状を打開するカードも、林の分厚いカウンター呪文によって阻まれ、副産物として生み出されたトークン達と《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が攻撃へ向かうと、ライフをコストに戦い続けた井田のPPTQは、ここで幕を閉じた。
林 2-0 井田
林 Win!
Round6 カミヤマ マサル vs 林 隆智
終に予選ラウンドも最終戦となった。勝者のみがトップ8へと滑り込めるこの2人の対戦をお送りしたい。
◆カミヤマ マサル
普段は群馬県桐生市に位置する“わんぱっく桐生店”でマジックに興じているというカミヤマ。彼は、唐突に、こう呟いた。
「本当なら、ジャンド、使いたかったんですよね」
ここで勝てば決勝ラウンドへと進める場面で、カミヤマの発した一言は、実に妙なものだった。
白と赤の違いはあれど、ジャンクデックの代表格アブザンジャンクを使用し、ここまで勝ち残ってきているのに、だ。
何が、彼を、ジャンドへと駆り立てるのか。
「モダンは、攻める側も受ける側も適切に、迅速にしなければいけないので。《稲妻/Lightning Bolt(M10)》と《流刑への道/Path to Exile》では、同じ1マナでもやはり使い勝手が全然違います。そしてその土台となるマナベースも。手札破壊スペルも考慮してアブザン側が白黒必要なところで、ジャンド側は赤黒、そう《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》というノーダメージのアンタップインランドがあるんですよ。アグロなマッチアップでダメージを食らわない2色土地は非常に魅力的ですね。後は新しく入った《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》ですね。親和への勝率の向上、消耗戦にも強くなるので、カードさえあればジャンドが理想ですね」
そう言うと、静かにデックをシャッフルしだす。
◆林 隆智
埼玉、東京、神奈川、静岡、北海道(←New!)の一都道三県からなる広域コミュニティー『White House』で、週末に集まり腕を磨いている。
The Last Sun2014チャンピオンであり、初プロツアーへ向けて群馬まで遠征してきている。
Game1
カミヤマの《思考囲い/Thoughtseize(THS)》がマリガンの林の手札を襲う。唯一のクリーチャー《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を落とされると、土地ばかりの手札となってしまう。
対照的にカミヤマは、《復活の声/Voice of Resurgence》、《未練ある魂/Lingering Souls》と展開し、盤面を支配していく。
林も《差し戻し/Remand》でカードとターンを得るが、1枚1枚のカードパワーではアブザンに叶うわけもなく、《血清の幻視/Serum Visions》でライブラリーを操作するも、劣勢を覆せずにそのままライフは0を割った。
カミヤマ 1-0 林
Game2
カミヤマは、ペイ5点からの再び《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を落とす。
カミヤマが懸念していた土地からのダメージ。これがどう影響するのだろう。
林は《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》、2枚目の《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》とどんどんクリーチャーを展開し、物量差でカミヤマのライフを減らそうと試みる。
カミヤマはライフこそ負けてはいるが、《復活の声/Voice of Resurgence》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と展開し、地上を止めることに成功する。除去か《未練ある魂/Lingering Souls》で小うるさい飛行クリーチャーさえ対処できれば、といったところか。
しかしカミヤマの願いは、叶わない。
林は、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》がいる状態で、《終止/Terminate》を《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》に対しキャストし、細いクッロクによるダメージレースを有利なものとする。
更に《血清の幻視/Serum Visions》と相まって、数の暴力と化す。
カミヤマも《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》でトークンを一掃するも、最後まで《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を除去することが出来なかった。
カミヤマ 1-1 林
Game3
カミヤマは、三度《思考囲い/Thoughtseize(THS)》からゲームが始まり、唯一のクロックである《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を捨てさせ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》へと繋ぐ必勝パターンへと繋ぐ。
既存の赤青デルバーであったなら、この状況を打破することは難しかっただろう。
しかし林は、黒を足したグリクシスカラーのデルバーである。そしてこのマッチで、黒を足すことの意味を、分かりやすく示してくれた。
カミヤマが追加のクロックとしてキャストした《復活の声/Voice of Resurgence》にスタックして、フェッチランドと《思考掃き/Thought Scour》を探査コストに《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》をタルモへ。
《復活の声/Voice of Resurgence》はサイドボードからの《マグマのしぶき/Magma Spray(DDJ)》で対処し、続く《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は《差し戻し/Remand》と的確に対処していく。
このキャントリップで《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を手に入れると、フェッチランドを置きながら4ターン目にして初めてクリーチャーを展開する。もちろん《血清の幻視/Serum Visions》で早速トークンを1体生成済みだ。
2度目の試みで《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は着地するが、フェッチランドを起動しながら《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》、返すターンで《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》まで展開し、モダン環境における探査の強さを見せ付け、一気に先手後手をひっくり返す。
こうなってしまうとアブザン側のカミヤマは分が悪い。それぞれのマナ域におけるカードパワーは十分であるが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》、《急速な衰微/Rapid Decay》といったカードでは、本来6マナである《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》はどうにもならない。
自分も《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を引くかタシグルを除去できるスペルを引く、この2点しか解決策はないため、ブロッカーにと《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》をキャストする。探査コストで、サイズの小さくなった《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を。
林は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》へ《終止/Terminate》をキャストすることで、カミヤマの残りのターンを1とする。
カミヤマが最後に引いたカード。それが《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》でも、タシグルを対処できるカードでもなかったことで、林が決勝ラウンドへと駒を進めた。
カミヤマ 1-2 林
林 Win!
終に予選ラウンドも最終戦となった。勝者のみがトップ8へと滑り込めるこの2人の対戦をお送りしたい。
◆カミヤマ マサル
普段は群馬県桐生市に位置する“わんぱっく桐生店”でマジックに興じているというカミヤマ。彼は、唐突に、こう呟いた。
「本当なら、ジャンド、使いたかったんですよね」
ここで勝てば決勝ラウンドへと進める場面で、カミヤマの発した一言は、実に妙なものだった。
白と赤の違いはあれど、ジャンクデックの代表格アブザンジャンクを使用し、ここまで勝ち残ってきているのに、だ。
何が、彼を、ジャンドへと駆り立てるのか。
「モダンは、攻める側も受ける側も適切に、迅速にしなければいけないので。《稲妻/Lightning Bolt(M10)》と《流刑への道/Path to Exile》では、同じ1マナでもやはり使い勝手が全然違います。そしてその土台となるマナベースも。手札破壊スペルも考慮してアブザン側が白黒必要なところで、ジャンド側は赤黒、そう《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》というノーダメージのアンタップインランドがあるんですよ。アグロなマッチアップでダメージを食らわない2色土地は非常に魅力的ですね。後は新しく入った《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》ですね。親和への勝率の向上、消耗戦にも強くなるので、カードさえあればジャンドが理想ですね」
そう言うと、静かにデックをシャッフルしだす。
◆林 隆智
埼玉、東京、神奈川、静岡、北海道(←New!)の一都道三県からなる広域コミュニティー『White House』で、週末に集まり腕を磨いている。
The Last Sun2014チャンピオンであり、初プロツアーへ向けて群馬まで遠征してきている。
Game1
カミヤマの《思考囲い/Thoughtseize(THS)》がマリガンの林の手札を襲う。唯一のクリーチャー《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を落とされると、土地ばかりの手札となってしまう。
対照的にカミヤマは、《復活の声/Voice of Resurgence》、《未練ある魂/Lingering Souls》と展開し、盤面を支配していく。
林も《差し戻し/Remand》でカードとターンを得るが、1枚1枚のカードパワーではアブザンに叶うわけもなく、《血清の幻視/Serum Visions》でライブラリーを操作するも、劣勢を覆せずにそのままライフは0を割った。
カミヤマ 1-0 林
Game2
カミヤマは、ペイ5点からの再び《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を落とす。
カミヤマが懸念していた土地からのダメージ。これがどう影響するのだろう。
林は《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》、2枚目の《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》とどんどんクリーチャーを展開し、物量差でカミヤマのライフを減らそうと試みる。
カミヤマはライフこそ負けてはいるが、《復活の声/Voice of Resurgence》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と展開し、地上を止めることに成功する。除去か《未練ある魂/Lingering Souls》で小うるさい飛行クリーチャーさえ対処できれば、といったところか。
しかしカミヤマの願いは、叶わない。
林は、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》がいる状態で、《終止/Terminate》を《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》に対しキャストし、細いクッロクによるダメージレースを有利なものとする。
更に《血清の幻視/Serum Visions》と相まって、数の暴力と化す。
カミヤマも《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》でトークンを一掃するも、最後まで《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を除去することが出来なかった。
カミヤマ 1-1 林
Game3
カミヤマは、三度《思考囲い/Thoughtseize(THS)》からゲームが始まり、唯一のクロックである《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を捨てさせ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》へと繋ぐ必勝パターンへと繋ぐ。
既存の赤青デルバーであったなら、この状況を打破することは難しかっただろう。
しかし林は、黒を足したグリクシスカラーのデルバーである。そしてこのマッチで、黒を足すことの意味を、分かりやすく示してくれた。
カミヤマが追加のクロックとしてキャストした《復活の声/Voice of Resurgence》にスタックして、フェッチランドと《思考掃き/Thought Scour》を探査コストに《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》をタルモへ。
《復活の声/Voice of Resurgence》はサイドボードからの《マグマのしぶき/Magma Spray(DDJ)》で対処し、続く《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は《差し戻し/Remand》と的確に対処していく。
このキャントリップで《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》を手に入れると、フェッチランドを置きながら4ターン目にして初めてクリーチャーを展開する。もちろん《血清の幻視/Serum Visions》で早速トークンを1体生成済みだ。
2度目の試みで《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は着地するが、フェッチランドを起動しながら《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》、返すターンで《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》まで展開し、モダン環境における探査の強さを見せ付け、一気に先手後手をひっくり返す。
こうなってしまうとアブザン側のカミヤマは分が悪い。それぞれのマナ域におけるカードパワーは十分であるが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》、《急速な衰微/Rapid Decay》といったカードでは、本来6マナである《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》はどうにもならない。
自分も《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を引くかタシグルを除去できるスペルを引く、この2点しか解決策はないため、ブロッカーにと《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》をキャストする。探査コストで、サイズの小さくなった《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を。
林は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》へ《終止/Terminate》をキャストすることで、カミヤマの残りのターンを1とする。
カミヤマが最後に引いたカード。それが《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》でも、タシグルを対処できるカードでもなかったことで、林が決勝ラウンドへと駒を進めた。
カミヤマ 1-2 林
林 Win!
Round5 丸岡 新 vs 井田 隆雅
ここで勝った方がトップ8確定となる全勝対決。対戦は、Booksながしまに通うこの二人だ。
◆丸岡 新
いつも独創的なデックを使用している。そんな印象が強い丸岡だから、使用デックが赤タッチ緑スライと聞いた時は、酷く落胆した。流石に独創性溢れる丸岡でも、モダンの壁は厚かったかと。
しかし、丸岡は、火力は最低限に留め、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》等のトークン生成カードと《アタルカの命令/Atarka’s Command(DTK)》、《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》といった相性のいいカードを組み合わせた素晴らしいデックを作り上げてきた。そしてその出来栄えも4-0としている。
◆井田 隆雅
「モダンの大会出るから、なんかデッキない?」
昨日井田は、ながしまでこう言い、すぐにSCZ(スーパークレイジーズー)を見つけると、淡々と練習し始めた。
当然、上手くない。そもそも井田自身、適応能力が高くはない。初見のデックで勝つ姿は全くみない。
寧ろ練習に練習を重ね、そこから更に練習することでデックを自分の体の一部とする。それが井田のプレイスタイルだ。
だから昨日デックを回し始めた時、井田が1番テーブルに座っているなんて、誰も想像し得なかったはずだ。
井田は、今、1番テーブルに座っている。SCZを相棒に。
Game1
1ランドで強気にキープを宣言した井田と、土地6ではゲームにならんとマリガンの丸岡。
アグロなデック同士だけに、序盤の動きが、ライフ1点1点が重要である。
井田は、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》から《寺院の庭/Temple Garden》をフェッチし、ペイ2ライフから力強く《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》。
マリガンから驚愕の土地0のハンドをキープした丸岡だが、ファーストドローで当然のように《山/Mountain》を引き当て、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。
ここで《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》でトップを確認し、《通りの悪霊/Street Wraith》をサイクリングすることで、無理やり土地を公開することに成功する。
猫と合わせ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》が5点を与える。
丸岡は、《野生のナカティル/Wild Nacatl》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》し、続いてトップデックした土地から《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ALA)》と弾幕を張る。
この危機さえ乗り切れば、手札に眠る《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》、《アタルカの命令/Atarka’s Command(DTK)》を使用しての、逆転劇も可能となる。
だが、逆転劇は起こらなかった。
井田は、最後のショックランドをフェッチしライフは1となるが、その代償は十分すぎるものであった。
すなわち《死の影/Death’s Shadow》を対象に《強大化/Become Immense(KTK)》からの《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》が20点のダメージを叩きだしたのだ。
丸岡 0-1 井田
Game2
土地4スペル3のバランスの良いハンドをキープした丸岡は、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》から攻撃するが、能力で《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》を捲り、更に井田のネクストドローが《稲妻/Lightning Bolt(M10)》だったこともあり、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》は早々に除去されてしまう。
ならば数で勝負と今度は、《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(DTK)》で戦線を維持する。
返すターン井田は、身を削りながら《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で手札を確認すると《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》。
丸岡の攻め手を止めると更にショックインを重ね残ライフ7からの《死の影/Death’s Shadow》をキャスト。
チャンプブロックを繰り返すだけの丸岡の敗戦は濃厚、見ていた誰もがそう思っていたことだろう。
モダンという環境の赤いデックに内蔵されている火力といえば、《稲妻/Lightning Bolt(M10)》、《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》、《焼尽の猛火/Searing Blaze》、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》等々あるが、どれもこれも3点火力ばかりである。
だから井田も自身のライフが4になった時、丸岡の1枚の手札に何の疑問も抱かず、《滋養の群れ/Nourishing Shoal》をキャストした。
スタックしての《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》
トークンカードが多めのデックでは、フリースペルに近い動きをするこのスペル。
世界が《死の影/Death’s Shadow》に怯え、絶望する中で、丸岡はモダン環境では珍しい1枚でこの試合を取り返した。
丸岡 1-1 井田
Game3
マジックとは、自分との戦いだ。
直前の敗戦は、しかもそれが逆転やミスによるものだった場合、呪詛のように憑いてまわる。
“ここで痛恨のダブマリ”や“ミスったら土地が浮いてくる”は、あまりにも有名なフレーズだ。
だから井田がダブマリした時、ああやっぱりと思ってしまった自分がいたのは、事実だ。ところが、
井田は、《野生のナカティル/Wild Nacatl》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》から守ると、一気に墓地を肥やし、《強大化/Become Immense(KTK)》+《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》コンボを決めて見せたのだ!
一瞬の出来事に驚いている自分に対し、照れ笑いをしながら《滋養の群れ/Nourishing Shoal》を見せ、井田はこう言った。
“ミスすることは、誰にでもある。ただ、そこから何を学ぶかで、勝負は決まる”
丸岡 1-2 井田
井田 Win!
ここで勝った方がトップ8確定となる全勝対決。対戦は、Booksながしまに通うこの二人だ。
◆丸岡 新
いつも独創的なデックを使用している。そんな印象が強い丸岡だから、使用デックが赤タッチ緑スライと聞いた時は、酷く落胆した。流石に独創性溢れる丸岡でも、モダンの壁は厚かったかと。
しかし、丸岡は、火力は最低限に留め、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》等のトークン生成カードと《アタルカの命令/Atarka’s Command(DTK)》、《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》といった相性のいいカードを組み合わせた素晴らしいデックを作り上げてきた。そしてその出来栄えも4-0としている。
◆井田 隆雅
「モダンの大会出るから、なんかデッキない?」
昨日井田は、ながしまでこう言い、すぐにSCZ(スーパークレイジーズー)を見つけると、淡々と練習し始めた。
当然、上手くない。そもそも井田自身、適応能力が高くはない。初見のデックで勝つ姿は全くみない。
寧ろ練習に練習を重ね、そこから更に練習することでデックを自分の体の一部とする。それが井田のプレイスタイルだ。
だから昨日デックを回し始めた時、井田が1番テーブルに座っているなんて、誰も想像し得なかったはずだ。
井田は、今、1番テーブルに座っている。SCZを相棒に。
Game1
1ランドで強気にキープを宣言した井田と、土地6ではゲームにならんとマリガンの丸岡。
アグロなデック同士だけに、序盤の動きが、ライフ1点1点が重要である。
井田は、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》から《寺院の庭/Temple Garden》をフェッチし、ペイ2ライフから力強く《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》。
マリガンから驚愕の土地0のハンドをキープした丸岡だが、ファーストドローで当然のように《山/Mountain》を引き当て、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。
ここで《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》でトップを確認し、《通りの悪霊/Street Wraith》をサイクリングすることで、無理やり土地を公開することに成功する。
猫と合わせ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》が5点を与える。
丸岡は、《野生のナカティル/Wild Nacatl》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》し、続いてトップデックした土地から《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ALA)》と弾幕を張る。
この危機さえ乗り切れば、手札に眠る《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》、《アタルカの命令/Atarka’s Command(DTK)》を使用しての、逆転劇も可能となる。
だが、逆転劇は起こらなかった。
井田は、最後のショックランドをフェッチしライフは1となるが、その代償は十分すぎるものであった。
すなわち《死の影/Death’s Shadow》を対象に《強大化/Become Immense(KTK)》からの《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》が20点のダメージを叩きだしたのだ。
丸岡 0-1 井田
Game2
土地4スペル3のバランスの良いハンドをキープした丸岡は、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》から攻撃するが、能力で《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》を捲り、更に井田のネクストドローが《稲妻/Lightning Bolt(M10)》だったこともあり、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》は早々に除去されてしまう。
ならば数で勝負と今度は、《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(DTK)》で戦線を維持する。
返すターン井田は、身を削りながら《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で手札を確認すると《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills(KTK)》。
丸岡の攻め手を止めると更にショックインを重ね残ライフ7からの《死の影/Death’s Shadow》をキャスト。
チャンプブロックを繰り返すだけの丸岡の敗戦は濃厚、見ていた誰もがそう思っていたことだろう。
モダンという環境の赤いデックに内蔵されている火力といえば、《稲妻/Lightning Bolt(M10)》、《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》、《焼尽の猛火/Searing Blaze》、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》等々あるが、どれもこれも3点火力ばかりである。
だから井田も自身のライフが4になった時、丸岡の1枚の手札に何の疑問も抱かず、《滋養の群れ/Nourishing Shoal》をキャストした。
スタックしての《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》
トークンカードが多めのデックでは、フリースペルに近い動きをするこのスペル。
世界が《死の影/Death’s Shadow》に怯え、絶望する中で、丸岡はモダン環境では珍しい1枚でこの試合を取り返した。
丸岡 1-1 井田
Game3
マジックとは、自分との戦いだ。
直前の敗戦は、しかもそれが逆転やミスによるものだった場合、呪詛のように憑いてまわる。
“ここで痛恨のダブマリ”や“ミスったら土地が浮いてくる”は、あまりにも有名なフレーズだ。
だから井田がダブマリした時、ああやっぱりと思ってしまった自分がいたのは、事実だ。ところが、
井田は、《野生のナカティル/Wild Nacatl》を《稲妻/Lightning Bolt(M10)》から守ると、一気に墓地を肥やし、《強大化/Become Immense(KTK)》+《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》コンボを決めて見せたのだ!
一瞬の出来事に驚いている自分に対し、照れ笑いをしながら《滋養の群れ/Nourishing Shoal》を見せ、井田はこう言った。
“ミスすることは、誰にでもある。ただ、そこから何を学ぶかで、勝負は決まる”
丸岡 1-2 井田
井田 Win!
Round1 石倉 一哉 vs 棚橋 雅康
モダンシーズン開幕。
これまでのPPTQのフォーマットは、『スタンダード』が主流であったため、土地を置いただけで、相手のデックが何であるか、またその対処法等も当然のように知られていた。 しかし、今回のPPTQから次回のプロツアーに順ずる構築フォーマットに変更となったため、『モダン』が適用されることとなった。
『スタンダード』においては、相手がキャストした呪文をマジマジと見ることなんて、ほとんどなかった。
しかし、これからは何倍ものエキスパッションが使用可能な『モダン』の世界となる。
練習したプレイヤーであっても、相手のデックを正確に対処するのは難しいかもしれない。特にサイドボードにおいては、類似した効果を持つカードが多数あるため、使用頻度の差こそあれ、的を一つに絞り難い。
そのため小さな閃きが、大きな差となって現れるかもしれない。
自身の分身とも言えるデックを携え、42名ものプレイヤーがここ群馬のBooksながしまに集合し、プロツアー2016予備予選が開始されようとしている。
Round1では、お隣埼玉県からの刺客石倉と、前回Booksながしまで行われたPPTQの勝者、棚橋 雅康の工藤の対決をお送りしたい。
◆石倉 一哉
前回のPPTQから遠征をしている集団はいくつかあるが、そのうちの一つが熊谷ワールドを拠点に活動する石倉一哉である。
石倉が今回選択したのは、タルキール龍紀伝から《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》が加わり、大幅に強化されたグリクシスカラーの『双子』デックである。
選択理由についても、対親和への相性の改善や、消耗戦の強さ、それでいて瞬殺コンボも内臓している柔軟性をあげてくれた。
カード1枚がここまでデックを、メタゲームを動かすのが、『モダン』というフォーマットの特徴であり、魅力であるといえる。
◆棚橋 雅康
本年4月11日に行われたPPTQミルキーウォーをアブザンビートで突破したのが、新潟のプロプレイヤー棚橋である。
棚橋といえば、フェアリーやアブザンといった妨害要素を兼ね備えたクロックパーミッション系のデックを使用していることが多いが、今回はコンボ要素のあるナヤカラーの『ブリーチトラップ』である。
ただのトラップ系と違い、緑と白の2種類の秘匿ランドとその秘匿ランドへとアクセスする《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》と複数のエンジンがが内臓されている。
さあ、モダンの道を歩みだそう。
Game1
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》を置いただけの棚橋に対し、石倉は《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で相手の手札を丸裸にする。
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》、《巣の侵略者/Nest Invader》、《召喚の罠/Summoning Trap》、《裂け目の突破/Through the Breach》
重めの手札から《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を捨てさせると、《血清の幻視/Serum Visions》で手札を整えながら、更なる《思考囲い/Thoughtseize(THS)》。
棚橋は土地が止まり、除去や有効牌がないのが露呈してしまい非常に苦しい。
“苦しまないように一瞬で”
石倉の心遣いがあったかどうかは不明だが、最速で《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》に、《欠片の双子/Splinter Twin》がエンチャントされ、100万体ものトークンが生み出された。
石倉 1-0 棚橋
Game2
先手の棚橋が緑秘匿土地からスタートし、2ターン目に《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインすると、力強く《復活の声/Voice of Resurgence》。
これが《呪文嵌め/Spell Snare》されることなく、最初のクリーチャーとして場に出ることとなった。
石倉としてもこのクリーチャーを残してしまうと勝負にならないため、渋々《稲妻/Lightning Bolt》するが、残ったトークンに地道にライフを削られてしまう。
ここが勝負時だと読んだ棚橋は《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》からフェッチを置き、一気にマナ加速。
青いデック殺しの《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を。
小粒のクリーチャーこそ《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で対応するが、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が対処できない。
壁役として召喚した《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》も《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》でサイズ負けしてしまう。
それでも石倉は、棚橋のデックに火力がないと読み、ギリギリの3までライフを差し出す。コンボを決めるために《やっかい児/Pestermite》をキャストし、自分のターンを向かえようとするが、双子対策カード《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》が突き刺さってしまう。
《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》でクリーチャーを回収しながらなんとかコンボを揃えようとするが、《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》時間を与えなかった。
石倉 1-1 棚橋
Game3
先手の加藤が《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》から《蒸気孔/Steam Vents》、《血清の幻視/Serum Visions》からスタートし、占術は上下に1枚ずつ振り分ける。
棚橋は、《極楽鳥/Birds of Paradise》の力をかりて、1ターン早く《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を召喚する。
石倉は、《血清の幻視/Serum Visions》を使いまわすと《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で意味ありげにアタック。
棚橋は、考えながらもブロックし、予定調和に《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で場が一掃された。
打ったのか、それとも打たされたのか。
棚橋の手から2枚目の《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》とアドバンテージを取りながら盤面を固めようとするるが、《貴族の教主/Noble Hierarch》のバックアップが止まらず、《風立ての高地/Windbrisk Heights》の秘匿条件も満たされ、防戦一方となってしまう。。
秘匿土地からの《召喚の罠/Summoning Trap》こそ《否認/Negate(MOR)》するが、 《樹上の村/Treetop Village》起動からの3体攻撃に対し、受ける手がほとんど残されていない。
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》キャストしたところで、《風立ての高地/Windbrisk Heights》を解除し、《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》で除去すると、今日最初の勝利は棚橋のもとへ。
石倉 1-2 棚橋
棚橋、Win!
モダンシーズン開幕。
これまでのPPTQのフォーマットは、『スタンダード』が主流であったため、土地を置いただけで、相手のデックが何であるか、またその対処法等も当然のように知られていた。 しかし、今回のPPTQから次回のプロツアーに順ずる構築フォーマットに変更となったため、『モダン』が適用されることとなった。
『スタンダード』においては、相手がキャストした呪文をマジマジと見ることなんて、ほとんどなかった。
しかし、これからは何倍ものエキスパッションが使用可能な『モダン』の世界となる。
練習したプレイヤーであっても、相手のデックを正確に対処するのは難しいかもしれない。特にサイドボードにおいては、類似した効果を持つカードが多数あるため、使用頻度の差こそあれ、的を一つに絞り難い。
そのため小さな閃きが、大きな差となって現れるかもしれない。
自身の分身とも言えるデックを携え、42名ものプレイヤーがここ群馬のBooksながしまに集合し、プロツアー2016予備予選が開始されようとしている。
Round1では、お隣埼玉県からの刺客石倉と、前回Booksながしまで行われたPPTQの勝者、棚橋 雅康の工藤の対決をお送りしたい。
◆石倉 一哉
前回のPPTQから遠征をしている集団はいくつかあるが、そのうちの一つが熊谷ワールドを拠点に活動する石倉一哉である。
石倉が今回選択したのは、タルキール龍紀伝から《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》が加わり、大幅に強化されたグリクシスカラーの『双子』デックである。
選択理由についても、対親和への相性の改善や、消耗戦の強さ、それでいて瞬殺コンボも内臓している柔軟性をあげてくれた。
カード1枚がここまでデックを、メタゲームを動かすのが、『モダン』というフォーマットの特徴であり、魅力であるといえる。
◆棚橋 雅康
本年4月11日に行われたPPTQミルキーウォーをアブザンビートで突破したのが、新潟のプロプレイヤー棚橋である。
棚橋といえば、フェアリーやアブザンといった妨害要素を兼ね備えたクロックパーミッション系のデックを使用していることが多いが、今回はコンボ要素のあるナヤカラーの『ブリーチトラップ』である。
ただのトラップ系と違い、緑と白の2種類の秘匿ランドとその秘匿ランドへとアクセスする《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》と複数のエンジンがが内臓されている。
さあ、モダンの道を歩みだそう。
Game1
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》を置いただけの棚橋に対し、石倉は《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で相手の手札を丸裸にする。
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》、《巣の侵略者/Nest Invader》、《召喚の罠/Summoning Trap》、《裂け目の突破/Through the Breach》
重めの手札から《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を捨てさせると、《血清の幻視/Serum Visions》で手札を整えながら、更なる《思考囲い/Thoughtseize(THS)》。
棚橋は土地が止まり、除去や有効牌がないのが露呈してしまい非常に苦しい。
“苦しまないように一瞬で”
石倉の心遣いがあったかどうかは不明だが、最速で《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》に、《欠片の双子/Splinter Twin》がエンチャントされ、100万体ものトークンが生み出された。
石倉 1-0 棚橋
Game2
先手の棚橋が緑秘匿土地からスタートし、2ターン目に《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインすると、力強く《復活の声/Voice of Resurgence》。
これが《呪文嵌め/Spell Snare》されることなく、最初のクリーチャーとして場に出ることとなった。
石倉としてもこのクリーチャーを残してしまうと勝負にならないため、渋々《稲妻/Lightning Bolt》するが、残ったトークンに地道にライフを削られてしまう。
ここが勝負時だと読んだ棚橋は《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》からフェッチを置き、一気にマナ加速。
青いデック殺しの《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を。
小粒のクリーチャーこそ《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で対応するが、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が対処できない。
壁役として召喚した《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》も《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》でサイズ負けしてしまう。
それでも石倉は、棚橋のデックに火力がないと読み、ギリギリの3までライフを差し出す。コンボを決めるために《やっかい児/Pestermite》をキャストし、自分のターンを向かえようとするが、双子対策カード《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》が突き刺さってしまう。
《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》でクリーチャーを回収しながらなんとかコンボを揃えようとするが、《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》時間を与えなかった。
石倉 1-1 棚橋
Game3
先手の加藤が《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》から《蒸気孔/Steam Vents》、《血清の幻視/Serum Visions》からスタートし、占術は上下に1枚ずつ振り分ける。
棚橋は、《極楽鳥/Birds of Paradise》の力をかりて、1ターン早く《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を召喚する。
石倉は、《血清の幻視/Serum Visions》を使いまわすと《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で意味ありげにアタック。
棚橋は、考えながらもブロックし、予定調和に《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で場が一掃された。
打ったのか、それとも打たされたのか。
棚橋の手から2枚目の《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》とアドバンテージを取りながら盤面を固めようとするるが、《貴族の教主/Noble Hierarch》のバックアップが止まらず、《風立ての高地/Windbrisk Heights》の秘匿条件も満たされ、防戦一方となってしまう。。
秘匿土地からの《召喚の罠/Summoning Trap》こそ《否認/Negate(MOR)》するが、 《樹上の村/Treetop Village》起動からの3体攻撃に対し、受ける手がほとんど残されていない。
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》キャストしたところで、《風立ての高地/Windbrisk Heights》を解除し、《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》で除去すると、今日最初の勝利は棚橋のもとへ。
石倉 1-2 棚橋
棚橋、Win!
Round6 井田 隆雅 vs 住井 宏行
スイスラウンド最終戦となり、勝った方が抜けとなる井田と住井の過酷なバブルマッチをお届けしたい。
◆住井 宏行
彼を端的に表すならば、
『プロレスマジック男』
という表現が相応しいのではないかと思う。
勝っている場面でも、負けている場面でも、必ず劇的に、それでいて周囲を楽しませるプレイとトップデックを持っている。
Magic the Gatheringというカードゲームが、対戦型ゲームであるため、相手に勝つことを目的としていることは、間違いがない。
ただ、その“勝利”というゴール地点をどこに設定するかで、辿る過程も変わってくる。
仲間内でわいわいしながら好きなカードを使い友人に勝ちたい人もいるだろうし、ステップアップし行き着けのカードショップのFNMや週末の店舗イベントを楽しみたい人もいるだろう。
段々と大会への参加が楽しくなってくれば、“草の根”と呼ばれる中規模の大会へ興味を持つだろうし、参加するだけでなく大会結果等を分析し、デックの方向性や相性も考え出す。
飽くなき勝利への飢えは、PPRQやGP、そしてPTへの参加を渇望することとなるだろ。
だが、住井は、いつも楽しそうにマジックをしている。それが遊びであろうと競技レベルの大会であろうと変わらずに。
信じられないようなプレイミスをして逆転負けを喫した直後でさえ、いつもと変わらぬように、また、シャッフルを始める。そしてセットランドし、周囲を楽しませるのだ。
だから彼の周囲は、笑いと人に溢れている。
Game1
井田の顔色は冴えない。
それもそのはず、最も対戦したくない住井操る青黒コントロールとマッチアップされてしまったのだから。
追い討ちをかけるように土地も4枚で止まってしまう。《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》がいるため、5マナまで生み出せるが、マナが足りず攻めきれない。
運命が再編されてからの青黒には、カウンター、軽量除去、ドロー、リセット、フィニッシャーと必要事項が全て揃っている。
消耗戦の末通せば勝てると言われた《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》ですら、《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》によって対処されてしまう。
そこまでライフは削ることももちろんだが、行動回数に差をつけられない、終盤で最後の一手を通すためにもある程度までマナを確保しておく必要がある。具体的には、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》や《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》といったカードが重要になってくる。
井田が1ターンに1枚のクリーチャーしかキャストできないため、住井側とすると非常に対処が楽である。
ターン終了時に《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》から、溜まった墓地をコストに《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で目的のカードを探し出す。
ライフが一桁になったあたりで《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》をキャストした住井には、余裕さえ感じられる。
井田は、諦めず《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》で果敢にライフを攻めるが、大量の除去呪文と《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》が悪夢となって訪れると、膝をついた。
井田 0-1 住井
Game2
井田は、気がついたら同じ局面ばかりプレイしている。
そして同じようにクリーチャーが、除去される。
諦めず再展開に挑戦するが、すぐに《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が飛んでくる。
トップデックし続けられれば楽に勝利するだろうが、
何回展開しても何回展開しても、
《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が!
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》が!
避けられない。
そして《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》が倒せない。
7ターン目の終わりにキャストされた隙をつき、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》で土地とともに手札に戻したにもかかわらず、攻める1手が出てこない。
10ターン目に再キャストされた《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》へ《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》のデジャヴ。
しかしその3ターン後、場に出た《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》は悠々と攻撃を始めてしまう。
ライブラリーを掘れども、井田はチャンプブロッカーを用意するのがやっとだ。
住井は、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》によりカウンターを手繰り寄せ、このゲームを完璧なものとした。
粘る井田に対し、そのカウンターすら使わずに、チャンプブロックを強要し続け、クリチャーが尽きた井田は、右手を差し出した。
井田 0-2 住井
住井 Win!
スイスラウンド最終戦となり、勝った方が抜けとなる井田と住井の過酷なバブルマッチをお届けしたい。
◆住井 宏行
彼を端的に表すならば、
『プロレスマジック男』
という表現が相応しいのではないかと思う。
勝っている場面でも、負けている場面でも、必ず劇的に、それでいて周囲を楽しませるプレイとトップデックを持っている。
Magic the Gatheringというカードゲームが、対戦型ゲームであるため、相手に勝つことを目的としていることは、間違いがない。
ただ、その“勝利”というゴール地点をどこに設定するかで、辿る過程も変わってくる。
仲間内でわいわいしながら好きなカードを使い友人に勝ちたい人もいるだろうし、ステップアップし行き着けのカードショップのFNMや週末の店舗イベントを楽しみたい人もいるだろう。
段々と大会への参加が楽しくなってくれば、“草の根”と呼ばれる中規模の大会へ興味を持つだろうし、参加するだけでなく大会結果等を分析し、デックの方向性や相性も考え出す。
飽くなき勝利への飢えは、PPRQやGP、そしてPTへの参加を渇望することとなるだろ。
だが、住井は、いつも楽しそうにマジックをしている。それが遊びであろうと競技レベルの大会であろうと変わらずに。
信じられないようなプレイミスをして逆転負けを喫した直後でさえ、いつもと変わらぬように、また、シャッフルを始める。そしてセットランドし、周囲を楽しませるのだ。
だから彼の周囲は、笑いと人に溢れている。
Game1
井田の顔色は冴えない。
それもそのはず、最も対戦したくない住井操る青黒コントロールとマッチアップされてしまったのだから。
追い討ちをかけるように土地も4枚で止まってしまう。《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》がいるため、5マナまで生み出せるが、マナが足りず攻めきれない。
運命が再編されてからの青黒には、カウンター、軽量除去、ドロー、リセット、フィニッシャーと必要事項が全て揃っている。
消耗戦の末通せば勝てると言われた《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》ですら、《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》によって対処されてしまう。
そこまでライフは削ることももちろんだが、行動回数に差をつけられない、終盤で最後の一手を通すためにもある程度までマナを確保しておく必要がある。具体的には、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》や《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》といったカードが重要になってくる。
井田が1ターンに1枚のクリーチャーしかキャストできないため、住井側とすると非常に対処が楽である。
ターン終了時に《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》から、溜まった墓地をコストに《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》で目的のカードを探し出す。
ライフが一桁になったあたりで《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》をキャストした住井には、余裕さえ感じられる。
井田は、諦めず《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》で果敢にライフを攻めるが、大量の除去呪文と《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》が悪夢となって訪れると、膝をついた。
井田 0-1 住井
Game2
井田は、気がついたら同じ局面ばかりプレイしている。
そして同じようにクリーチャーが、除去される。
諦めず再展開に挑戦するが、すぐに《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が飛んでくる。
トップデックし続けられれば楽に勝利するだろうが、
何回展開しても何回展開しても、
《命運の核心/Crux of Fate(FRF)》が!
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》が!
避けられない。
そして《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》が倒せない。
7ターン目の終わりにキャストされた隙をつき、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》で土地とともに手札に戻したにもかかわらず、攻める1手が出てこない。
10ターン目に再キャストされた《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》へ《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》のデジャヴ。
しかしその3ターン後、場に出た《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient(KTK)》は悠々と攻撃を始めてしまう。
ライブラリーを掘れども、井田はチャンプブロッカーを用意するのがやっとだ。
住井は、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》によりカウンターを手繰り寄せ、このゲームを完璧なものとした。
粘る井田に対し、そのカウンターすら使わずに、チャンプブロックを強要し続け、クリチャーが尽きた井田は、右手を差し出した。
井田 0-2 住井
住井 Win!
Round5 井田 隆雅 vs 白石 知己
ここまで異なるコミュニティーや店舗で活動している者同士の対戦であったが、ここでBooksながしまを中心にプレイしている2人が激突した。
◆井田 隆雅
コントロール好きにもかかわらず、クリーチャーで殴っている姿が一番似合っている。
井田とは、そういう男である。
大会に持ち込んだデックを思い出しても、
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で殴り、
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》でクリーチャー化したアーティファクトで殴り、
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》殴っていた。
青黒という共通項を持ちながら、コントロール色の強いコンビネーションであるのに、彼が構築戦に持ち込むのは、いつもテクニカルなクロック要素の強いデックだ。
今回も《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》を相棒に、シディシウィップのアップデートバージョンを持ち込んでいる。
◆白石 知己
『彼を非凡足らしめている要因は何か』
そう聞かれれば、
『嗅覚』
と答えるだろう。
特に競技レベルの大会や技巧派プレイヤーとの対戦、不利なマッチアップでは、獣並みの嗅覚で険しい勝利への道を嗅ぎ分ける。
それは、何百回、何千回と死線を潜ってきたからこそ体得したものに違いない。
対戦相手の一挙手一投足に、頭脳が、体が反応し最適解を導くだけでなく、そのプレイに隠された真理へと到達する。
だから彼は、プロなのだ。
1分けの井田と1敗の白石。トップ8の席を手繰り寄せるのは、どっちだ。
Game1
4枚の土地と《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》を見たとき、井田は、覚悟を決めた。
占術土地の力を借りて、ドローの質を上げ、6マナまで耐え抜く。幸いにも2枚差を埋めるだけのカードパワーは持ち合わせている。
シディシウィップというデックの構成上、マナは伸びやすく、カード同士の相乗効果により、マリガン分を取り戻しやすい。
ともなれば後は、時間だ。6マナまで伸びる間、自分の動きと相手の回り次第だ、と。
白石は、アブザンビートらしく、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》と自分の要求を押し付ける。
井田がクリーチャーを呼べば、除去し攻撃を継続する。
井田の思考は許可せず、自分の思考のみを押し付けていく。その動きは、クロックパーミッション。
井田が除去呪文を引けなかったことで、最速で白石がライフを削り切った。
井田 0-1 白石
Game2
今回は、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》と互いに序盤から展開し合う。
井田は、肥えた墓地から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》をキャストするも、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、そしてアブザンというデックをより高見へと押し上げた《ドロモカの伝令/Herald of Dromoka(DTK)》が適切に対処していく。
逆に白石に《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で墓地を、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》でクロックを加速させられ、残された時間はほとんどない。
井田は、現時点ではライフが有利であることから、早期決着をつけるために除外領域から《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》をキャストすることで、ダメージレースで勝負を挑む。
だが、井田の祈りとは裏腹に、白石はブロッカーに除去を打ち、次のターンに詰められるようにする。
ライフが1となったターン、井田は最後の勝負に出る。
井田には2つの関門が待ち受けている。
1つ目は、手札の《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》の能力で墓地にある《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を回収すること。
2つ目は、白石の手札に除去がないということ。
この2つが成功すれば、次のターンにはライフを削りきることができるが、関門突破できずライフが削りきれなかった場合、ジリ貧になってしまう。
井田は、渾身の探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を召喚し、能力で《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を手札に加える。
白石がここまで使った除去は2枚。除去がないと読み、削りきれるように最低限のブロッカーのみを残してアタックをする。
祈るようにターンを返した井田に公開したのは、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》。
井田 0-2 白石
白石 Win!
ここまで異なるコミュニティーや店舗で活動している者同士の対戦であったが、ここでBooksながしまを中心にプレイしている2人が激突した。
◆井田 隆雅
コントロール好きにもかかわらず、クリーチャーで殴っている姿が一番似合っている。
井田とは、そういう男である。
大会に持ち込んだデックを思い出しても、
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で殴り、
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》でクリーチャー化したアーティファクトで殴り、
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》殴っていた。
青黒という共通項を持ちながら、コントロール色の強いコンビネーションであるのに、彼が構築戦に持ち込むのは、いつもテクニカルなクロック要素の強いデックだ。
今回も《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》を相棒に、シディシウィップのアップデートバージョンを持ち込んでいる。
◆白石 知己
『彼を非凡足らしめている要因は何か』
そう聞かれれば、
『嗅覚』
と答えるだろう。
特に競技レベルの大会や技巧派プレイヤーとの対戦、不利なマッチアップでは、獣並みの嗅覚で険しい勝利への道を嗅ぎ分ける。
それは、何百回、何千回と死線を潜ってきたからこそ体得したものに違いない。
対戦相手の一挙手一投足に、頭脳が、体が反応し最適解を導くだけでなく、そのプレイに隠された真理へと到達する。
だから彼は、プロなのだ。
1分けの井田と1敗の白石。トップ8の席を手繰り寄せるのは、どっちだ。
Game1
4枚の土地と《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》を見たとき、井田は、覚悟を決めた。
占術土地の力を借りて、ドローの質を上げ、6マナまで耐え抜く。幸いにも2枚差を埋めるだけのカードパワーは持ち合わせている。
シディシウィップというデックの構成上、マナは伸びやすく、カード同士の相乗効果により、マリガン分を取り戻しやすい。
ともなれば後は、時間だ。6マナまで伸びる間、自分の動きと相手の回り次第だ、と。
白石は、アブザンビートらしく、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》と自分の要求を押し付ける。
井田がクリーチャーを呼べば、除去し攻撃を継続する。
井田の思考は許可せず、自分の思考のみを押し付けていく。その動きは、クロックパーミッション。
井田が除去呪文を引けなかったことで、最速で白石がライフを削り切った。
井田 0-1 白石
Game2
今回は、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(M15)》、《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》と互いに序盤から展開し合う。
井田は、肥えた墓地から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》をキャストするも、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、そしてアブザンというデックをより高見へと押し上げた《ドロモカの伝令/Herald of Dromoka(DTK)》が適切に対処していく。
逆に白石に《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で墓地を、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》でクロックを加速させられ、残された時間はほとんどない。
井田は、現時点ではライフが有利であることから、早期決着をつけるために除外領域から《奔流の精霊/Torrent Elemental(FRF)》をキャストすることで、ダメージレースで勝負を挑む。
だが、井田の祈りとは裏腹に、白石はブロッカーに除去を打ち、次のターンに詰められるようにする。
ライフが1となったターン、井田は最後の勝負に出る。
井田には2つの関門が待ち受けている。
1つ目は、手札の《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》の能力で墓地にある《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を回収すること。
2つ目は、白石の手札に除去がないということ。
この2つが成功すれば、次のターンにはライフを削りきることができるが、関門突破できずライフが削りきれなかった場合、ジリ貧になってしまう。
井田は、渾身の探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を召喚し、能力で《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を手札に加える。
白石がここまで使った除去は2枚。除去がないと読み、削りきれるように最低限のブロッカーのみを残してアタックをする。
祈るようにターンを返した井田に公開したのは、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》。
井田 0-2 白石
白石 Win!
Round3 吉澤 薫 vs A24
Round1では、カードショップの威信をかけて対戦が行われたが、今度は異なるコミュニティー同士のプライドをかけた対戦が開始されようとしている。
◆A24
“Booksながしま”の名が世間に知られたのは、白石知己がベスト8入りした2009年の日本選手権に他ならないが、彼一人の力で成し遂げられた訳ではない。
プレイヤーが躍進する時、それは必ず本人だけでなく、その周囲、つまりはコミュニティーが活性化している時である。
特に同年代のプレイヤーという存在は、互いに刺激し合い切磋琢磨し合うことでより実力を高め合っていく。
それが、Booksながしまでの清水恭爾であり、井田隆雅であり、今回登場するA24である。構築戦が得意なもの、限定戦が得意なもの、コントロールの思考の仕方やビートダウンの割り切り方、それぞれが互いに足りないものを補い合ってきたから、今がある。
寝てもさめてもマジック漬けだった学生時代と生活は一変、現在は仕事の関係で群馬を離れているが、心は常にBooksながしまにありと、今回の参加を決めたようだ。
デックは、龍紀伝にて大幅に強化された赤緑のドラゴンデックをプレイしている。
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》は当然として、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》と合計10枚ものドラゴン達が投入されている。
久しぶりの地元で3連勝となるか。
◆吉澤 薫
埼玉県本庄市を拠点に活動する“本庄キセキの世代”と呼ばれる者達がいた。
何がキセキかと聞けば、金曜日に開催されるフライデーナイトマジックに、遠路遥々東京、群馬、埼玉等々からマジックのために集合する、華の金曜日だけに集合する学生達の現象を、周囲の大人たちがこう呼んだのだ。
そんなバイタリティー溢れる学生達のことを良い意味で“バカなヤツらだ”として名づけられたのが、“本庄キセキの世代”。
そう、それは社会人になったとしても変わらない。
拠点こそ変わってしまったが、埼玉、東京、神奈川、静岡と一都三県を跨ぐ広域コミュニティー『White House』へと昇華されている。
本日も当然のように、コミュニティー全員が参加しているが、静岡からと考えると本当に一種の奇跡としか思えない。
「まぁ、キセキキセキとか呼ばれてましたけど、オレ自身が奇跡の集合体みたいなモノですからね。(トップデック)は、起こすものですから。」
今日も右手に、神が宿るか。
Game1
ドラゴンステロイドのA24が魅せる。
吉澤の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》を公開しながら《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で除去し、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》の力を借りて、4ターン目に力強くキャストするとフェッチランドのペイライフもあり、相手のライフは一気に10へ。
遅ればせながら《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を召喚し、《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》でドラゴンは除去するも、保坂は2枚目の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》。
これで残り6。そしてライブラリーに鎮座するのは、フィニッシャーとしての《火口の爪/Crater’s Claws(KTK)》。
相手の土地の枚数の上限が5枚ということを考慮すると、
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》ならば、6+3=9-4(攻撃)-7(獰猛からの火力)=死
何かしらの除去スペルならば、6-6(獰猛なしの火力)=死
そう、待ち受けるのは、敗北のみ。奇跡でも、起こらない限りは。
吉澤が《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストしたのを見て、A24は、土地をアンタップしようとする。たった1枚の土地ではもう動けるはずがないからと。
吉澤は、A24にまだターンが終了していないことを告げると、デックに1枚の《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を叩きつける。
序盤のフェッチランドでのペイライフや除去されたクリーチャーでさえもこの状況での布石となっていたのだ。
ミラクルドローで、キセキの世代が先取する。
吉澤 1-0 保坂
Game2
A24は、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》のアタックを《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》でブロックするか相当に悩みスルーし、メインに入り更に悩む。
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》2枚、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》2枚、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》
と強力な手札を抱えながら、ライブラリートップを見ても5枚目の土地がないのだ。
先ずはクロックをい減らすため、《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》を使うが、吉澤は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で愚直にアタックを続ける。
A24のライブラリートップが更なる《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》だったことを確認すると、《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》と《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》でドラゴンを葬り、自身のターンにクリーチャーを2体展開する。
A24は、プロテクション白を持つ《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》をブロッカーとして選ぶが、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》がキャストされると、ライフは0を割った。
吉澤 2-0 保坂
吉澤 Win!
Round1では、カードショップの威信をかけて対戦が行われたが、今度は異なるコミュニティー同士のプライドをかけた対戦が開始されようとしている。
◆A24
“Booksながしま”の名が世間に知られたのは、白石知己がベスト8入りした2009年の日本選手権に他ならないが、彼一人の力で成し遂げられた訳ではない。
プレイヤーが躍進する時、それは必ず本人だけでなく、その周囲、つまりはコミュニティーが活性化している時である。
特に同年代のプレイヤーという存在は、互いに刺激し合い切磋琢磨し合うことでより実力を高め合っていく。
それが、Booksながしまでの清水恭爾であり、井田隆雅であり、今回登場するA24である。構築戦が得意なもの、限定戦が得意なもの、コントロールの思考の仕方やビートダウンの割り切り方、それぞれが互いに足りないものを補い合ってきたから、今がある。
寝てもさめてもマジック漬けだった学生時代と生活は一変、現在は仕事の関係で群馬を離れているが、心は常にBooksながしまにありと、今回の参加を決めたようだ。
デックは、龍紀伝にて大幅に強化された赤緑のドラゴンデックをプレイしている。
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》は当然として、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》と合計10枚ものドラゴン達が投入されている。
久しぶりの地元で3連勝となるか。
◆吉澤 薫
埼玉県本庄市を拠点に活動する“本庄キセキの世代”と呼ばれる者達がいた。
何がキセキかと聞けば、金曜日に開催されるフライデーナイトマジックに、遠路遥々東京、群馬、埼玉等々からマジックのために集合する、華の金曜日だけに集合する学生達の現象を、周囲の大人たちがこう呼んだのだ。
そんなバイタリティー溢れる学生達のことを良い意味で“バカなヤツらだ”として名づけられたのが、“本庄キセキの世代”。
そう、それは社会人になったとしても変わらない。
拠点こそ変わってしまったが、埼玉、東京、神奈川、静岡と一都三県を跨ぐ広域コミュニティー『White House』へと昇華されている。
本日も当然のように、コミュニティー全員が参加しているが、静岡からと考えると本当に一種の奇跡としか思えない。
「まぁ、キセキキセキとか呼ばれてましたけど、オレ自身が奇跡の集合体みたいなモノですからね。(トップデック)は、起こすものですから。」
今日も右手に、神が宿るか。
Game1
ドラゴンステロイドのA24が魅せる。
吉澤の《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》を公開しながら《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で除去し、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》の力を借りて、4ターン目に力強くキャストするとフェッチランドのペイライフもあり、相手のライフは一気に10へ。
遅ればせながら《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を召喚し、《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》でドラゴンは除去するも、保坂は2枚目の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》。
これで残り6。そしてライブラリーに鎮座するのは、フィニッシャーとしての《火口の爪/Crater’s Claws(KTK)》。
相手の土地の枚数の上限が5枚ということを考慮すると、
《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》ならば、6+3=9-4(攻撃)-7(獰猛からの火力)=死
何かしらの除去スペルならば、6-6(獰猛なしの火力)=死
そう、待ち受けるのは、敗北のみ。奇跡でも、起こらない限りは。
吉澤が《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》をキャストしたのを見て、A24は、土地をアンタップしようとする。たった1枚の土地ではもう動けるはずがないからと。
吉澤は、A24にまだターンが終了していないことを告げると、デックに1枚の《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を叩きつける。
序盤のフェッチランドでのペイライフや除去されたクリーチャーでさえもこの状況での布石となっていたのだ。
ミラクルドローで、キセキの世代が先取する。
吉澤 1-0 保坂
Game2
A24は、《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》のアタックを《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》でブロックするか相当に悩みスルーし、メインに入り更に悩む。
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》2枚、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》2枚、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》
と強力な手札を抱えながら、ライブラリートップを見ても5枚目の土地がないのだ。
先ずはクロックをい減らすため、《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》を使うが、吉澤は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で愚直にアタックを続ける。
A24のライブラリートップが更なる《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》だったことを確認すると、《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》と《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》でドラゴンを葬り、自身のターンにクリーチャーを2体展開する。
A24は、プロテクション白を持つ《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》をブロッカーとして選ぶが、《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》がキャストされると、ライフは0を割った。
吉澤 2-0 保坂
吉澤 Win!
Round1 鷲見 和男 vs 工藤 拓紀
一つの戦いが終わるとき、また、新たな戦いが始まる。
遠く離れたブリュッセルの地で、プロツアー『タルキール龍紀伝』初日が終了し、参加者が二日目へ備えている時、ここ群馬のBooksながしまで、プロツアーミルキーウォー2015予備予選が開始されようとしている。
次のプロツアーへの参加権を渇望している40名ものプレイヤーが集い、6月27日京都にて開催される地域予選への切符を手に入れようとしている。
県内外を問わず様々なプレイヤーがおり、『タルキール龍紀伝』発売直後ということもあり、予想だにしないデックやテクニックが期待される。
そして期待されるのはデックだけではなく、それを構築し、操るプレイヤーでもある。
マジックというモノを考えた時、それが対戦型ゲームである限り、対戦相手を必要とし、また互いに切磋琢磨することで上達していくということは当たり前だろう。
つまりはプレイヤー同士の出会いこそが、互いを高め、更にはコミュニティー自体を高めていくことになる。
Round1では、今やマジック業界の中心ともいれる“晴れる屋”からの刺客鷲見と、それを迎え撃つ地元群馬の“Booksながしま”の工藤の対決をお送りしたい。
◆鷲見 和男
“晴れる屋”に勤務する鷲見であるが、(自分の経験から)勤務中は驚くほど和やかな男であが、一度マジックともなれば、例えそれが遊びであろうと、鳥類を思わせる鋭い眼光から放たれる一手一手は正確に相手の急所を突く。
名は、体を表すとは彼のことだろう。
直前のPPTQを0-6と勝ちを忘れた者となりつつあるが、逆を言えばここまで勝ちをストックしてきているともとれる。
環境が変わった今だからこそ、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》という新たな翼を得たジャスカイ・テンポで勝利を狙う。
◆工藤 拓紀
工藤は、“Booksながしま”に通い、FNMであったり群馬杯(群馬県内のNo.1プレイヤーを決定する大会)であったりと、地域密着、地元に根ざしたプレイヤーである。
構築戦・限定戦問わず、極端にマナカーブが軽い、尖ったデックを好む一貫したプレイスタイルは、“Mader”と畏怖される。
赤き《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》こと《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を得たステロイドを相棒に、今日も一番高いところまで駆け上がる。
店の看板を背負い、自身の勝利を掴むのは、どちらだ。
Game1
マリガンした鷲見は、占術土地でドローの質を高め、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》は《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》は《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》の交換から、新たな力《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》で上空からダメージを刻みだす。
工藤は、マナクリーチャーの力を借り、5ターン目に《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》2連打で強引にクロックを作り出す。
そして作り出したクロックが除去されなかったことで、ここまでのダメージレスを引っくり返す。
M15が出た当初こそ評価の低かった《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》だが、使われて納得、一気にダメージが加速する。
鷲見は、相手のライフが14とだいぶ残っているのに手札の《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を打たず、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》もブロックに回さない。
占術土地で見たライブラリートップが、2枚目の《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と知っているから。
鷲見 1-0 工藤
Game2
先手の工藤が2マリガン、後手の鷲見が3マリガンと壮絶な事故り合いからスタートした。
工藤は、フェッチランドから《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》と最高のスタートを切り、後は《山/Mountain》を待つのみ。
手札の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》さえキャスト出来れば、勝負は決まる。
まして相手が3マリガンなら、尚更だ。
だが、工藤に出来たのは、ここまでだった。
狂ったように《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》で攻撃し、叩きつけるようにドローするが、土地ではない。
鷲見は、土地を順調に伸ばして《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》をキャストすると、最後まで土地が来ない工藤は投了を宣言した。
鷲見 2-0 工藤
鷲見 Win!
一つの戦いが終わるとき、また、新たな戦いが始まる。
遠く離れたブリュッセルの地で、プロツアー『タルキール龍紀伝』初日が終了し、参加者が二日目へ備えている時、ここ群馬のBooksながしまで、プロツアーミルキーウォー2015予備予選が開始されようとしている。
次のプロツアーへの参加権を渇望している40名ものプレイヤーが集い、6月27日京都にて開催される地域予選への切符を手に入れようとしている。
県内外を問わず様々なプレイヤーがおり、『タルキール龍紀伝』発売直後ということもあり、予想だにしないデックやテクニックが期待される。
そして期待されるのはデックだけではなく、それを構築し、操るプレイヤーでもある。
マジックというモノを考えた時、それが対戦型ゲームである限り、対戦相手を必要とし、また互いに切磋琢磨することで上達していくということは当たり前だろう。
つまりはプレイヤー同士の出会いこそが、互いを高め、更にはコミュニティー自体を高めていくことになる。
Round1では、今やマジック業界の中心ともいれる“晴れる屋”からの刺客鷲見と、それを迎え撃つ地元群馬の“Booksながしま”の工藤の対決をお送りしたい。
◆鷲見 和男
“晴れる屋”に勤務する鷲見であるが、(自分の経験から)勤務中は驚くほど和やかな男であが、一度マジックともなれば、例えそれが遊びであろうと、鳥類を思わせる鋭い眼光から放たれる一手一手は正確に相手の急所を突く。
名は、体を表すとは彼のことだろう。
直前のPPTQを0-6と勝ちを忘れた者となりつつあるが、逆を言えばここまで勝ちをストックしてきているともとれる。
環境が変わった今だからこそ、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》という新たな翼を得たジャスカイ・テンポで勝利を狙う。
◆工藤 拓紀
工藤は、“Booksながしま”に通い、FNMであったり群馬杯(群馬県内のNo.1プレイヤーを決定する大会)であったりと、地域密着、地元に根ざしたプレイヤーである。
構築戦・限定戦問わず、極端にマナカーブが軽い、尖ったデックを好む一貫したプレイスタイルは、“Mader”と畏怖される。
赤き《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》こと《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を得たステロイドを相棒に、今日も一番高いところまで駆け上がる。
店の看板を背負い、自身の勝利を掴むのは、どちらだ。
Game1
マリガンした鷲見は、占術土地でドローの質を高め、《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》は《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》は《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》の交換から、新たな力《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》で上空からダメージを刻みだす。
工藤は、マナクリーチャーの力を借り、5ターン目に《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》2連打で強引にクロックを作り出す。
そして作り出したクロックが除去されなかったことで、ここまでのダメージレスを引っくり返す。
M15が出た当初こそ評価の低かった《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》だが、使われて納得、一気にダメージが加速する。
鷲見は、相手のライフが14とだいぶ残っているのに手札の《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を打たず、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》もブロックに回さない。
占術土地で見たライブラリートップが、2枚目の《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と知っているから。
鷲見 1-0 工藤
Game2
先手の工藤が2マリガン、後手の鷲見が3マリガンと壮絶な事故り合いからスタートした。
工藤は、フェッチランドから《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》と最高のスタートを切り、後は《山/Mountain》を待つのみ。
手札の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》さえキャスト出来れば、勝負は決まる。
まして相手が3マリガンなら、尚更だ。
だが、工藤に出来たのは、ここまでだった。
狂ったように《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》で攻撃し、叩きつけるようにドローするが、土地ではない。
鷲見は、土地を順調に伸ばして《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》をキャストすると、最後まで土地が来ない工藤は投了を宣言した。
鷲見 2-0 工藤
鷲見 Win!
久しぶりにカバレッジを取ったが、準備もろくにしなかったため、ミスがあった。
○ 写真撮り忘れ
○ 仕事があるとはいえ、翌日までに全てアップしきれなかった
○ 体調管理
○ 誤字の多さ
○ ノリで誤魔化しているとしか言いようがない言い回し
たぶん自分が思っている以上に反省すべき点は多いはず。
罵詈雑言、思いのままをコメント欄にいただけたら幸いです。
妬み嫉み恨みが、ボク自身を強くする
○ 写真撮り忘れ
○ 仕事があるとはいえ、翌日までに全てアップしきれなかった
○ 体調管理
○ 誤字の多さ
○ ノリで誤魔化しているとしか言いようがない言い回し
たぶん自分が思っている以上に反省すべき点は多いはず。
罵詈雑言、思いのままをコメント欄にいただけたら幸いです。
妬み嫉み恨みが、ボク自身を強くする
「競技レベルの大会で、トップ8に残れたの、初めてなんですよね。」
心底嬉しそうに、そして優勝の二文字を力強く見据え、椎野は語ってくれた。
スイスラウンド1位のまま決勝戦へ進んだその横顔には、自信と決意に満ち溢れていた。
窮地は、いきなりやってきた。土地が2枚で止まってしまったのだ。順調にいけば、2体のクリーチャーによるクロックが形成されたであろう3ターン目に。
この1ターンの差は大きく、クリーチャーと除去の交換が行われると、頼みの《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》もカウンターされてしまう。
フラッド気味でも諦めず、懸命にプレイを続けるが、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》の連打から《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》へ繋がると、逆転の見込みはないと悟り、サイドボードへと手を伸ばした。
追い詰められた様子もなく、淡々とサイドカードを入れ替えると、
「先で」
この一言で、デックも目を覚ます。
《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》とクロックを用意すると、マナがない隙に《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》まで召喚し、相手に対処を迫り続ける。
タップインランド1枚の差が、パーマネントとダメージソーズの差へと転じ、スクリュー気味の林を追い詰める。
除去はあるか?カウンターは?
いや、例えあるにしろマナがない。マナがなければ動けない。
椎野の正確無比なプレイが、林へ本日初黒星をつけた瞬間であった。
これまで単発除去に苦しめられてきた椎野であるが、今回は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》が残り、有利に進めていた矢先、《悲哀まみれ/Drown in Sorrow(BNG)》から大量の墓地をリムーヴしての《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》をキャストされてしまう。そう、4ターン目に。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》こそ《払拭の光/Banishing Light(JOU)》をするも、複数行動取られてしまい、後手番に回ってしまう。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》がダメージを刻みだすも、後続は綺麗に対処されてしまう。
コツコツとダメージを積み重ね、一桁へ足を踏み入れようとしたところで、待望の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》が姿を現した。
ここまで使用された除去、カウンター、相手の動きから想像される手札と、トップデックしようとしているカードを考慮しつつも、一拍置き、自身を龍へと昇華させる。
林が、場に出ることを認めると、1回、2回と力強く攻撃を繰り返す。
林の最後のドローを見つめ、
「負けました」
という林の一言で、椎名の勝利が決まった。
椎野 雅生、優勝おめでとう!!
心底嬉しそうに、そして優勝の二文字を力強く見据え、椎野は語ってくれた。
スイスラウンド1位のまま決勝戦へ進んだその横顔には、自信と決意に満ち溢れていた。
窮地は、いきなりやってきた。土地が2枚で止まってしまったのだ。順調にいけば、2体のクリーチャーによるクロックが形成されたであろう3ターン目に。
この1ターンの差は大きく、クリーチャーと除去の交換が行われると、頼みの《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》もカウンターされてしまう。
フラッド気味でも諦めず、懸命にプレイを続けるが、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》の連打から《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》へ繋がると、逆転の見込みはないと悟り、サイドボードへと手を伸ばした。
追い詰められた様子もなく、淡々とサイドカードを入れ替えると、
「先で」
この一言で、デックも目を覚ます。
《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》とクロックを用意すると、マナがない隙に《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》まで召喚し、相手に対処を迫り続ける。
タップインランド1枚の差が、パーマネントとダメージソーズの差へと転じ、スクリュー気味の林を追い詰める。
除去はあるか?カウンターは?
いや、例えあるにしろマナがない。マナがなければ動けない。
椎野の正確無比なプレイが、林へ本日初黒星をつけた瞬間であった。
これまで単発除去に苦しめられてきた椎野であるが、今回は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》が残り、有利に進めていた矢先、《悲哀まみれ/Drown in Sorrow(BNG)》から大量の墓地をリムーヴしての《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》をキャストされてしまう。そう、4ターン目に。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》こそ《払拭の光/Banishing Light(JOU)》をするも、複数行動取られてしまい、後手番に回ってしまう。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》がダメージを刻みだすも、後続は綺麗に対処されてしまう。
コツコツとダメージを積み重ね、一桁へ足を踏み入れようとしたところで、待望の《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》が姿を現した。
ここまで使用された除去、カウンター、相手の動きから想像される手札と、トップデックしようとしているカードを考慮しつつも、一拍置き、自身を龍へと昇華させる。
林が、場に出ることを認めると、1回、2回と力強く攻撃を繰り返す。
林の最後のドローを見つめ、
「負けました」
という林の一言で、椎名の勝利が決まった。
椎野 雅生、優勝おめでとう!!
林 隆智は、長考している。
これまでどんな場面でも、軽口を叩きながら、軽快にプレイしていたのが嘘のように。
林 隆智は、長考している。
占術ランドで確認した《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》を前に。
思い返してみれば、林は、圧倒的なパフォーマンスであった。
ここまでの8戦を16-0と、完璧な形で勝利してきている。
それは、『運』という言葉からは無縁の、地道で正確なプレイの積み重ねに他ならない。
苦しい場面でも割り切らず、石橋を叩きながら、次の一手をプレイしていく。
決勝でも同様に、舞い上がらず淡々とプレイしていた。
Game1では、椎野が、先手を最大限に生かし、《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》と展開するが、テンポ除去で場を平らにすると、高コストカードを《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》でカウンターし、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》から《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》へと繋げる、18番。このまま林が押し切ると、見ていた誰もが思ったことだろう。
だが、林はあまりに高く飛びすぎた。
Game2でも、同様に軽量除去から入って、《否認/Negate(M15)》を握り締めながら、《部族養い/Feed the Clan(KTK)》で二桁のライフを確保する。
《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》に対する回答はないが、時間さえあれば、除去なり、《荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave(BNG)》なり、何より《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が回答を届けてくれるはずであった。
そこへ垂直落下してきた《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》が合わさると、林は本日初めて自分からゲームを畳んだ。
翼の溶けたウギンは地へと落ちていき、これまた本日初めて「先行」を宣言した。
林 雅智は長考している。
7枚目として《疾病の神殿/Temple of Malady(JOU)》を置いた時から。
盤面には土地のみ、ライフは二桁残した状態で、中盤へたどり着いた。
しかし勝ちを確信するには、まだ足りない。《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》を引き込めていない。
危ういバランスを、『勝利』の二文字に変えるその1枚、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が、まだ手札にない。
だから林は、《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》をボトムへ送った。
そしてその占術が、勝敗を分けた。
椎野のキャストした《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》へ《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm(KTK)》をキャストした直後、再び垂直落下してきたのは、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》であった。
《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》が持つ意味は、2つあった。
1つ目は、除去の温存。実際《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds(THS)》があれば、林は《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm(KTK)》を手札に抱えたままだろう。
2つ目は、クリーチャーが墓地に落ちることで占術が誘発するため、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》へのアクセスを短縮できたということだ。
「負けました」
敗北を認めた林のライブラリーには、渇望していた《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が鎮座していたが、天を仰ぐともせず、淡々と答えてくれた。
「運ではない。自分は、ミスしたから負けた。それ以上でもそれ以下でもなく、ただただ自分が弱かった。」
《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》を引けなかったから。
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》をトップデックされたから。
言い訳など、する気になれば、限りなくできるはずだ。
それでも林は言った、「敗北したのは、自分のミスのためだ」と。
『敗北から学ぶプレイヤーは、強くなる。』とは、誰の言葉だったか。
だからきっと、林は、バンクーバーの舞台にいるに違いない。
今日の敗北は、明日の勝利へと繋がるから。