:::【観戦記事】 準決勝ダイジェスト 多賀谷 将輝(ワンナップ伊勢崎) vs. 中野 達仁(Booksながしま)/大木 樹彦(Hareruya Hopes) vs. 難波 直也(コミかる高崎)
:::【観戦記事】 準決勝ダイジェスト 多賀谷 将輝(ワンナップ伊勢崎) vs. 中野 達仁(Booksながしま)/大木 樹彦(Hareruya Hopes) vs. 難波 直也(コミかる高崎)
By Yohei Tomizawa


 残すところ後2つ。

 群馬一をかけて戦うプレイヤーも4人へと絞られた。

 各々の好みを反映するかのように、アーキタイプもバランスよく4つに分かれている。

◆多賀谷 将輝(ワンナップ伊勢崎モール店) vs. 中野 達仁(Booksながしま)

:ゲーム1

 《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》と《削剥/Abrade(HOU)》の交換から《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》が着地。中野はエンド《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》をキャストするが、《排斥/Cast Out(AKH)》はない。

 中野は《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》を構え、ターンを返す。

 多賀谷も《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》以外を戦闘に送り出し、《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》で手札を入れ替える。

 中野はストレートにマナを伸ばすと《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》を唱える。

 中野のマナがフルタップの隙を逃さず、多賀谷は全てのクリーチャーをレッドゾーンへ送り込み、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》でダメージを与える。

 中野は増えたライフを《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》で守り、2度目の日の出を待つ。

 《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》のライフルーズ、盤面のクリーチャー。全てのダメージソースを合わせても、中野のライフを削るのには1ターン足りない。

 そして中野の次のドローは《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》なのだ。

 多賀谷の手札には《至高の意志/Supreme Will(HOU)》。中野の土地は9枚、次にセットランドされなければ、打消すことができる。

 中野は落ち着いて基本地形をセットすると、《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》をキャストする。

多賀谷 0-1 中野

:ゲーム2

 多賀谷は《強迫/Duress(XLN)》で中野の手札を確認すると

 《至高の意志/Supreme Will(HOU)》、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》、《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》、《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》、《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》

 とバランスのいいもの。《至高の意志/Supreme Will(HOU)》を捨てさせ、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を場に出す。

 中野は《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》でこのPWへプレッシャーをかける。

 多賀谷は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》のマナ能力で2マナブーストすると《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》。中野のライブラリーをめくるが、《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》と残念な結果に。

 中野は《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》とトークンで《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を潰すと、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》には《排斥/Cast Out(AKH)》。この窮地を脱してみせた。

 多賀谷のドローは《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》。安全に《否認/Negate(RIX)》を構えるには1マナ足りない。

 強気に召喚すると、中野に対応策はなく、生き残ることに成功する。

 しかし、、、

 中野は多賀谷の手札の《否認/Negate(RIX)》を読みきったようにエンドに《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》、メインで《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》を召喚し、一気にビートダウンしてくる。

 《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》本体こそ戦闘で破壊するが、数の暴力を前に多賀谷のライフは1。

 ドローしたカードに《焼けつく双陽/Sweltering Suns(AKH)》はなく、多賀谷は右手を差し出した。

多賀谷 0-2 中野


◆大木 樹彦(Hareruya Hopes) vs. 難波 直也(コミかる堂高崎店)

:ゲーム1

 難波の《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》からゲームはスタート。

 《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》、《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra(HOU)》はシャットアウトされるが、その間にもコツコツ殴り続け、気がつけば《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》の上のカードは5枚。

 《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》が通り、大木のエンドに《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》を場に戻そうとする。

 大木はフルタップのこのタイミングを逃さず《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》へ《渇望の時/Moment of Craving(RIX)》。

 難波は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を着地させることに成功し、ライブラリーを公開すると《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》。一気にクロックが跳ね上がる。

 大木は《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》で《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》を落とすと《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》で即キャスト《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》を《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を除去する。

 難波の手札に《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》を除去できるカードはない。

 ドローすると手札に入れるまでもなく2マナを倒す。

 《削剥/Abrade(HOU)》の姿がっ!

 《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》で全力でパンプアップし、大木のライフを1とする。

 大木は2枚目の《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》で再び《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》除去、ライフは3でギリギリ耐えている。

 しかし難波の手には吸い付くように《削剥/Abrade(HOU)》。

大木 0-1 難波

:ゲーム2

 《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》を《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》すると、大木は《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》で墓地に睨みをきかす。

 《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》は出るが予定調和に《渇望の時/Moment of Craving(RIX)》からのリムーブ。

 難波は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》で《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》を破壊し、再度《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》を召喚する。

 難波が《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》を追加したタイミングで《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を除去するが、十分過ぎるほどアドバンテージは稼いだ。

 《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》こそ《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》を絡め《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》されるが、《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》が止まらない。

 《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra(HOU)》と《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》で5点クロックがスタートする。

 大木は《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》を引けず、そのまま5点クロックを前に沈んだ。

大木 0-2 難波

:::【観戦記事】 準々決勝ダイジェスト1:中野 達仁(Booksながしま) vs. 富岡 貴洋(再楽リプラス太田店)/浅海 大貴(チームムラシュー) vs. 難波 直也(コミかる堂高崎店)
:::【観戦記事】 準々決勝ダイジェスト1:中野 達仁(Booksながしま) vs. 富岡 貴洋(再楽リプラス太田店)/浅海 大貴(チームムラシュー) vs. 難波 直也(コミかる堂高崎店)
by Yohei Tomizawa


 長い長いスイスラウンドを勝ち抜いてきた8人によるシングルエリミネーション。ここでは副陽の接近を使用する中野とグリクシスコントロールの富岡、浅海難波による赤黒アグロの完全ミラーマッチの対戦をお届けしよう。


◆中野 達仁(Booksながしま) vs. 富岡 貴洋(再楽リプラス太田店)

:ゲーム1

 富岡はカウンター、除去を無効化する《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide(RIX)》でビートダウンを開始するが、中野は《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》等でターンを稼ぐ。

 除去する必要はない。《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》までのターンを稼げばいいのだ。

 富岡は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》でダメージを加速させるが、中野が《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》をエンチャントすると、瞬く間に2度目の《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》を唱えた。

中野 1-0 富岡

:ゲーム2

 富岡は《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》と《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》で効率よく探検していき、中野は《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》。

 コントロール同士のマッチアップということで、中野は別の勝ち手段としてサイドからクリーチャーも投入。《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》を召喚する。

 しかし富岡も変形サイドボードを読んでおり、《焼けつく双陽/Sweltering Suns(AKH)》でリセットすると《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide(RIX)》を召喚する。

 更に《失われた遺産/Lost Legacy(KLD)》で《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》をリムーブし、突然死を防ぐと《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide(RIX)》をレッドゾーンへ。

 中野は《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》でターンを稼ごうとするが、《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》がそれを許さない。

 《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》は手札を3枚捨てることで逃げられるが、重ねるように《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》。

 しかし富岡が《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds(HOU)》を起動すると、中野はカードを片付けた。

中野 1-1 富岡

:ゲーム3

 中野は4ターン目に《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》をエンチャントすると、ドローの質をあげる。

 こうなると富岡としても何とかアドバンテージエンジンが欲しいところ。

 6マナから《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》をキャストするが、間の悪いことに《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》を呼び寄せ、《否認/Negate(RIX)》されてしまう。

 中野は《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》を追加し押し切ろうとするが、富岡も《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》で本体を除去し、クロックを減少させる。

 だが、中野の手札からは2枚目の《威厳あるカラカル/Regal Caracal(AKH)》。

 そのまま中野が準決勝へ駒を進めた。

中野 2-1 富岡


◆浅海 大貴(チームムラシュー) vs. 難波 直也(コミかる堂高崎店)

:ゲーム1

 二人で作り上げた完全ミラーマッチ。鍵は4マナ目か。

 浅海は《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》3連打でクロックを刻むが、難波の《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》を前に思うように攻撃できなくなると、更に浅海は3マナでストップしてしまう。

 難波が《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》を召喚し、先行されていたダメージレースをひっくり返す。

 浅海もギリギリまでライフをつめるが、1ターンのマナストップの影響は大きく、難波が先勝する。

浅海 0-1 難波

:ゲーム2

 またも難波は《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》を召喚し、浅海は大きくため息。浅海の手札には、ない。

 今回はストレートに4マナまで伸び《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》を召喚するが、難波は《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》。

 除去を使い、地上でも殴り続けるが、そこへ待ったをかけるのは、2枚目の《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》。

 ミラーマッチにおける複数パーマネントにアドバンテージは大きく、難波が押し切った。

浅海 0-2 難波

:::【観戦記事】 第5回戦:涌沢 亮(コミかる堂高崎店) vs. 浅海 大貴(チームムラシュー)
By Yohei Tomizawa


 この対戦も含め残り3回戦。ここでは全勝の浅海と1分けの涌沢の対戦をお送りしよう。

 涌沢はマジックのファンというよりは、イラストレーターであるRebecca Guay氏のファンだそうで、スリーブも同氏のもの。10月からスタンダードに復帰したのもショーダウンで配布されるRebecca氏の土地を求めていたからとか。
 マジックには、沢山の楽しみ方がある。美しいイラストに惹かれ、アーティストのカードを集め、プレイする。これも立派な楽しみ方の一つだ。

 浅海はPPTQやBMO、GPと各大会へ参加している。まだ見ぬ世界、プロツアーへ参加するため。盟友の難波がプロツアーへ参加したことで、彼のモチベーションも最高潮のはずだ。

 勝ってトップ8の椅子へ近づくのは、どちらのプレイヤーか。

:ゲーム1

 涌沢は赤緑白と綺麗にナヤカラーを揃えると、《オテペクの猟匠/Otepec Huntmaster(XLN)》。なんと涌沢のデッキはイクサランの種族の一つ『ナヤ恐竜』なのだ。

 浅海は《削剥/Abrade(HOU)》をキャストし、《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》でダメージレースを先行する。

 《オテペクの猟匠/Otepec Huntmaster(XLN)》に続くのは《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger(XLN)》。墓地のクリーチャーを食べライフを回復し、《恐竜との融和/Commune with Dinosaurs(XLN)》で《罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant(RIX)》をキャッチ。

 遠くない未来地上に巨大なブロッカーが配置されることを見越し、浅海は《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》で上空からの決着を狙う。

 事実涌沢が《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》でトークンと合わせ3体の恐竜をコントロールすると、《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》以外のダメージは入らなくなってしまう。

 上から4点で12。追加するのは2体目の《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》。2ターンで削りきるプランだ。

 涌沢は場のパワーを確認すると、2マナで《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》を召喚し、レッドゾーンへ。

 《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》がブロックするが、9点とあまりにも大きいダメージがプレイヤーへ。たった一撃で涌沢12-11浅海とタイになってしまう。

 《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》は蘇るが、相手のクロックと《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》のプレッシャーを考えると迂闊に殴れない。

 涌沢はフルタップで《罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant(RIX)》を召喚すると、全てのクリーチャーをレッドゾーンへ。

 ブロックしても致死ダメージが入ることを悟り、浅海は投了。

涌沢 1-0 浅海


:ゲーム2

 浅海は《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》、《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra(HOU)》と赤単の如く素早い展開。

 涌沢は《大物群れの操り手/Drover of the Mighty(XLN)》でマナ加速を試みるが、当然《削剥/Abrade(HOU)》。

 《大物群れの操り手/Drover of the Mighty(XLN)》の2枚目を重ねるが、これが除去されずに生き残る。

 そしてタイミング悪く、ここで浅海の土地が止まってしまう。4枚目の土地が置けず、ターンを返す。

 1ターン早く《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》を召喚すると、地上が完全に止まってしまう。

 浅海はまだ4枚目の土地を引かない。

 涌沢は《罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant(RIX)》を追加すると、《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》、トークンの3体とも攻撃に送りだし、17点。

 致死ダメージであるためトークンは《削剥/Abrade(HOU)》、《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》は《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra(HOU)》でブロックし、7点抜け10。

 赤黒に《罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant(RIX)》を止める術はなく、浅海はカードを片付けた。

涌沢 2-0 浅海

『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部 3-0デッキリスト 後編
『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部 3-0デッキリスト 後編
 『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部も終わり、締めくくりに3-0デッキリストと一言コメントをお届けします。

※ 青色は『イクサランの相克』になります。


◆カワカミ シンタロウ/青緑+赤白
●土地
《島/Island(RIX)》×7
《森/Forest(RIX)》×6
《山/Mountain(RIX)》×3
《進化する未開地/Evolving Wilds(RIX)》
●クリーチャー
《大物群れの操り手/Drover of the Mighty(XLN)》
《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
《アゾカンの射手/Atzocan Archer(XLN)》
《ティシャーナの道探し/Tishana’s Wayfinder(XLN)》
《自然形成師/Shapers of Nature(XLN)》
《皇帝の先兵/Emperor’s Vanguard(XLN)》
《風雲艦隊の紅蓮術士/Storm Fleet Pyromancer(XLN)》
《銀エラの達人/Silvergill Adept(RIX)》
《マーフォークの霧縛り/Merfolk Mistbinder(RIX)》
《ジャングル生まれの開拓者/Jungleborn Pioneer(RIX)》
《川守りの先駆け/Forerunner of the Heralds(RIX)》
《海底の神託者/Seafloor Oracle(RIX)》
《鉄面連合の掠め取り/Brazen Freebooter(RIX)》
《怒り狂うレギサウルス/Raging Regisaur(RIX)》
《黄金の守護者/Golden Guardian(RIX)》
《鬱蒼たるアルマサウルス/Overgrown Armasaur(RIX)》
《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》
《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity(RIX)》

●呪文
《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》
《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade(XLN)》
《弱者狩り/Hunt the Weak(RIX)》
《水結び/Waterknot(RIX)》
《反逆/Mutiny(RIX)》


 「《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity(RIX)》強い(出たのは最後だけですが、勝因だそうです。)!マーフォークが多く、ロードもいたので戦闘を有利に運べました。


◆マツシタ マサヨシ/緑黒+白
●土地
《森/Forest(RIX)》×7
《沼/Swamp(RIX)》×5
《平地/Plains(RIX)》×3
《未知の岸/Unknown Shores(XLN)》
《進化する未開地/Evolving Wilds(RIX)》
●クリーチャー
《立ち枯れの守り手/Blight Keeper(XLN)》
《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
《開花のドライアド/Blossom Dryad(XLN)》
《凶兆艦隊の毒殺者/Dire Fleet Poisoner(RIX)》
《屈強な古参兵/Hardy Veteran(RIX)》
《金林の追跡者/Giltgrove Stalker(RIX)》
《薄暮軍団の盲信者/Dusk Legion Zealot(RIX)》
《軍団の征服者/Legion Conquistador(RIX)》
《ジャングルの化け蔓/Jungle Creeper(RIX)》
《薄暮薔薇、エレンダ/Elenda, the Dusk Rose(RIX)》
《吸血鬼の亡霊/Vampire Revenant(RIX)》
《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》
《カコフォドン/Cacophodon(RIX)》
《冠羽の群れ使い/Crested Herdcaller(RIX)》
《若葉のドライアド/Tendershoot Dryad(RIX)》
《鬱蒼たるアルマサウルス/Overgrown Armasaur(RIX)》

●呪文
《小綺麗なスクーナー船/Sleek Schooner(XLN)》
《新たな地平/New Horizons(XLN)》
《襲撃/Pounce(XLN)》
《卑怯な行為/Skulduggery(XLN)》
《群れの力/Strength of the Pack(RIX)》
《攻撃的衝動/Aggressive Urge(RIX)》
《光明の縛め/Luminous Bonds(RIX)》


 「《若葉のドライアド/Tendershoot Dryad(RIX)》が兎に角強かった。《軋み森のしもべ/Creakwood Liege(EVE)》かそれ以上のカードですね!

 如何だっただろうか。今度は是非、あなた自身の目で『イクサランの相克』を楽しんで欲しい。

 それでは、また、次のプレリで。
『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部 3-0デッキリスト 前編
『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部 3-0デッキリスト 前編
『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部 3-0デッキリスト 前編
 『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部も終わり、締めくくりに3-0デッキリストと一言コメントをお届けします。

※ 青色は『イクサランの相克』になります。


◆栗原 秀太/白青
●土地
《平地/Plains(RIX)》×8
《島/Island(RIX)》×9
●クリーチャー
《猛竜の相棒/Raptor Companion(XLN)》
《難破船あさり/Shipwreck Looter(XLN)》
《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
《駆り立てる僧侶/Inspiring Cleric(XLN)》
《水罠織り/Watertrap Weaver(XLN)》
《源流の歩哨/Headwater Sentries(XLN)》
《霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald(RIX)》
《猛竜の相棒/Raptor Companion(RIX)》
《煌めく障壁/Gleaming Barrier(RIX)》
《歓喜する空渡り/Exultant Skymarcher(RIX)》
《川の急航者/River Darter(RIX)》
《太陽冠のプテロドン/Sun-Crested Pterodon(RIX)》
《法をもたらす者、アゾール/Azor, the Lawbringer(RIX)》×2

●呪文
《繁雑な火炎砲/Elaborate Firecannon(XLN)》
《不可解な終焉/Baffling End(RIX)》
《神聖なる評決/Divine Verdict(RIX)》
《光明の縛め/Luminous Bonds(RIX)》
《浄化の光/Cleansing Ray(RIX)》
《粉砕する潮流/Crashing Tide(RIX)》×2
《水中からの侵略/Aquatic Incursion(RIX)》
《黄金都市の秘密/Secrets of the Golden City(RIX)》


 「《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》付きの《法をもたらす者、アゾール/Azor, the Lawbringer(RIX)》は強すぎた!6/6飛行は止まらない!


◆シンドウ ヒロテル/白緑+青
●土地
《平地/Plains(RIX)》×7
《森/Forest(RIX)》×7
《島/Island(RIX)》×3
●クリーチャー
《宿営地の守り手/Encampment Keeper(XLN)》
《翡翠の守護者/Jade Guardian(XLN)》
《プテロドンの騎士/Pterodon Knight(XLN)》
《輝くエアロサウルス/Shining Aerosaur(XLN)》
《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
《太陽の歩哨/Sun Sentinel(RIX)》×2
《飢えた聖騎士/Famished Paladin(RIX)》
《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth(RIX)》
《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger(RIX)》
《ジャングル生まれの開拓者/Jungleborn Pioneer(RIX)》
《華麗なグリフィン/Resplendent Griffin(RIX)》
《鬱蒼たるアルマサウルス/Overgrown Armasaur(RIX)》
《冠羽の群れ使い/Crested Herdcaller(RIX)》
《罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant(RIX)》
《原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn(RIX)》

●呪文
《従者の献身/Squire’s Devotion(RIX)》×2
《光明の縛め/Luminous Bonds(RIX)》×2
《帰化/Naturalize(RIX)》
《弱者狩り/Hunt the Weak(RIX)》
《垂直落下/Plummet(RIX)》


 「恐竜中心で地上ががっちり止まり、《原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn(RIX)》でフィニッシュできました!飛行クリーチャー対策に《垂直落下/Plummet(RIX)》入れるも出されず、タッチ青するも《華麗なグリフィン/Resplendent Griffin(RIX)》引かず、実質白緑でした(笑)


◆タカハシ リュウト/白青+緑
●土地
《平地/Plains(RIX)》×5
《島/Island(RIX)》×7
《森/Forest(RIX)》×4
《進化する未開地/Evolving Wilds(RIX)》
●クリーチャー
《深根の戦士/Deeproot Warrior(XLN)》
《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
《セイレーンの見張り番/Siren Lookout(XLN)》
《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
《薄暮の殉教者/Martyr of Dusk(RIX)》×2
《太陽の歩哨/Sun Sentinel(RIX)》
《帆凧の海賊/Kitesail Corsair(RIX)》
《戦凧の匪賊/Warkite Marauder(RIX)》
《煌めく障壁/Gleaming Barrier(RIX)》
《川識の占い師/Riverwise Augur(RIX)》
《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》
《法をもたらす者、アゾール/Azor, the Lawbringer(RIX)》

●呪文
《女王の任命/Queen’s Commission(XLN)》
《選択/Opt(XLN)》
《座礁/Run Aground(XLN)》
《水結び/Waterknot(RIX)》×2
《オラーズカからの排斥/Expel from Orazca(RIX)》
《従者の献身/Squire’s Devotion(RIX)》
《神聖なる評決/Divine Verdict(RIX)》
《弱者狩り/Hunt the Weak(RIX)》
《光輝の勇者、ファートリ/Huatli, Radiant Champion(RIX)》


 「勝因は《法をもたらす者、アゾール/Azor, the Lawbringer(RIX)》と《光輝の勇者、ファートリ/Huatli, Radiant Champion(RIX)》です。《光輝の勇者、ファートリ/Huatli, Radiant Champion(RIX)》の忠誠度を溜めやすくするためにも2マナ域を多めに構築しました。飛行で殴りきることも多かったです。

 ~後編に続く~
群馬最速シールドデッキ構築 『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部でシールドデッキ組んでみた!
群馬最速シールドデッキ構築 『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部でシールドデッキ組んでみた!
 時は来た!!

 『イクサランの相克』を最も早く遊べるイベント、プレリリースパーティーが開催となります!
 今回は群馬県のコミかる堂前橋店において開催される『イクサランの相克』プレリリースパーティー深夜の部にお邪魔して、群馬最速『イクサランの相克』情報をお届けします!

 いよいよ判明する『イクサランの相克』世界。シールドはどんな環境なのか早速聞いてみよう!

 今回協力していただいたのは、先日晴れる屋において開催された『イクサラン』環境名人戦で見事トップ8入賞を果たした伊井 達也(ワールド熊谷)。『イクサラン』と同ブロックでもある『イクサランの相克』、故に彼のシールド構築は必見です!

 それでは、

 “群馬最速シールドデッキ構築”はっじまーるよー!!

※ 青色は『イクサランの相克』になります。

◆プール◆
●白
《司教の兵士/Bishop’s Soldier(XLN)》
《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》
《日の出の追求者/Sunrise Seeker(XLN)》
《軍団の裁き/Legion’s Judgment(XLN)》
《若返りの儀式/Ritual of Rejuvenation(XLN)》
《薄暮の殉教者/Martyr of Dusk(RIX)》
《太陽の歩哨/Sun Sentinel(RIX)》
《軍団の征服者/Legion Conquistador(RIX)》
《永暁の勇者/Everdawn Champion(RIX)》
《浄化の光/Cleansing Ray(RIX)》
《光明の縛め/Luminous Bonds(RIX)》×2
《従者の献身/Squire’s Devotion(RIX)》×2
《光輝の運命/Radiant Destiny(RIX)》

●青
《嵐を変容する者/Storm Sculptor(XLN)》
《危険な航海/Perilous Voyage(XLN)》
《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》
《取り消し/Cancel(XLN)》
《誓いの守護者/Sworn Guardian(RIX)》
《川の急航者/River Darter(RIX)》
《尖塔這い/Spire Winder(RIX)》×2
《セイレーンの略奪者/Siren Reaver(RIX)》
《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》
《船慣れ/Sea Legs(RIX)》
《水結び/Waterknot(RIX)》×2

●黒
《女王湾の兵士/Queen’s Bay Soldier(XLN)》
《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》
《女王の工作員/Queen’s Agent(XLN)》
《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》
《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》
《欲深い悪漢/Grasping Scoundrel(RIX)》
《凶兆艦隊の毒殺者/Dire Fleet Poisoner(RIX)》
《サディストの空渡り/Sadistic Skymarcher(RIX)》
《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》×2
《薄暮の軍馬/Dusk Charger(RIX)》
《霊廟のハーピー/Mausoleum Harpy(RIX)》
《運河のオオトカゲ/Canal Monitor(RIX)》
《闇の尋問/Dark Inquiry(RIX)》
《復活/Recover(RIX)》
《刺突/Impale(RIX)》

●赤
《火の祭殿の守り手/Fire Shrine Keeper(XLN)》
《ティロナーリの騎士/Tilonalli’s Knight(XLN)》
《稲妻砲手/Lightning-Rig Crew(XLN)》
《向こう見ず/Swashbuckling(XLN)》
《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand(RIX)》
《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》
《太陽襟の猛竜/Sun-Collared Raptor(RIX)》
《鉄面連合の掠め取り/Brazen Freebooter(RIX)》×2
《海賊の示威/Buccaneer’s Bravado(RIX)》
《基盤の揺るぎ/Shake the Foundations(RIX)》×2
《反逆/Mutiny(RIX)》
《ティロナーリの冠/Tilonalli’s Crown(RIX)》
《血染めの太陽/Blood Sun(RIX)》

●緑
《クメーナの語り部/Kumena’s Speaker(XLN)》
《深根の勇者/Deeproot Champion(XLN)》
《開花のドライアド/Blossom Dryad(XLN)》
《棘尾ケラトプス/Spike-Tailed Ceratops(XLN)》
《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
《金林の追跡者/Giltgrove Stalker(RIX)》×2
《屈強な古参兵/Hardy Veteran(RIX)》
《ジャングル生まれの開拓者/Jungleborn Pioneer(RIX)》
《オラーズカの襞背/Orazca Frillback(RIX)》
《垂直落下/Plummet(RIX)》
《雷群れの渡り/Thunderherd Migration(RIX)》
《弱者狩り/Hunt the Weak(RIX)》

●多色
《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》
《好戦的なブロントドン/Belligerent Brontodon(XLN)》
《巧射艦隊の喧嘩屋/Deadeye Brawler(RIX)》
《凶兆艦隊の首折り/Dire Fleet Neckbreaker(RIX)》
《宝物庫襲撃/Storm the Vault(RIX)》

●茶
《金色の歩哨/Gilded Sentinel(XLN)》
《覚醒した融合体/Awakened Amalgam(RIX)》
《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(RIX)》
《オラーズカの秘宝/Orazca Relic(RIX)》

●土地
《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
《採石場/Stone Quarry(RIX)》
《放棄された聖域/Forsaken Sanctuary(RIX)》


 組まれたデッキはこちら。

◆デッキ◆
●土地
《沼/Swamp(RIX)》×8
《山/Mountain(RIX)》×6
《平地/Plains(RIX)》
《採石場/Stone Quarry(RIX)》
《放棄された聖域/Forsaken Sanctuary(RIX)》

●クリーチャー
《火の祭殿の守り手/Fire Shrine Keeper(XLN)》
《ティロナーリの騎士/Tilonalli’s Knight(XLN)》
《稲妻砲手/Lightning-Rig Crew(XLN)》
《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》
《女王の工作員/Queen’s Agent(XLN)》
《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》
《太陽襟の猛竜/Sun-Collared Raptor(RIX)》
《凶兆艦隊の毒殺者/Dire Fleet Poisoner(RIX)》
《サディストの空渡り/Sadistic Skymarcher(RIX)》
《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》×2
《鉄面連合の掠め取り/Brazen Freebooter(RIX)》×2
《薄暮の軍馬/Dusk Charger(RIX)》
《凶兆艦隊の首折り/Dire Fleet Neckbreaker(RIX)》
《運河のオオトカゲ/Canal Monitor(RIX)》
《霊廟のハーピー/Mausoleum Harpy(RIX)》

●呪文
《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》
《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》
《海賊の示威/Buccaneer’s Bravado(RIX)》
《刺突/Impale(RIX)》
《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(RIX)》


 伊井が構築したのは、黒赤の海賊をベースに《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》をタッチしたもの。種族やカードの選択理由について、聞いていこう!

―今回のデッキの構築理由、基準となったカード等について、教えてください。

 「カードで言えば、やはり、《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》が決めてです。非常に強力な神話レアになりますので。そうなると色は白と黒になりますが、この2色だと呪文過多になってしまって。シールド戦はクリーチャーが主役なので、そこを手厚く取れる構築を心がけています。クリーチャーが優秀な黒をメインカラーに据え、残る3色からマナカーブや質を考え、赤を2色目に決めました。《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(THS)》、《採石場/Stone Quarry(RIX)》、《放棄された聖域/Forsaken Sanctuary(RIX)》と色マナが不自由しないため、《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》も安心してタッチすることができました。

―構築する際、気をつけたことはありますか?

 「毎ターンクリーチャーを展開できるようにクリーチャーを手厚く、マナカーブにも配慮し構築しました。呪文はコンバットトリックと確定除去のみにしています。

―最後になりますが、『イクサランの相克』によってこの環境のリミテッドはどのように変化すると思いますか?

 「吸血鬼とマーフォークは確実に強くなったと思います。リミテッドにおけるロードの存在は大きいです。海賊は特徴であった《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》の開封率が下がるため厳しいように思っています。

―ありがとうございました。

『Gunma Magic Community モダン大会』 Round4:橋本 一樹(Booksながしま)vs.馬場 紀之(Booksながしま)
 「群馬でモダンやるべ!

 方言丸出しの発言があったか、なかったか。それは今となってはわからない。
 しかし、眼前たる事実として、モダン大会はある。ここ群馬県で、モダンを楽しみたいのならぴったりな大会がある。

 それが『Gunma Magic Community モダン大会(以下GMC)』だ。

 主催者兼バリスタとして池田 翔冴が開催するこの大会は、毎回多くのプレイヤーが参加している。

 そして今大会の最終ラウンドでは、『GMC』に縁のある二人のプレイヤーが激突する。


 先ずは橋本 一樹。橋本の縁は、池田との縁でもある。高校時代からの同級生である二人は、卒業を機に別々の道を歩むが、定期的に交流を続けてきた。池田が立ち上げた『GMC』では立場こそ違えど、参加者として大会を大いに盛り上げている。
 橋本は毎回キーカードを選定し、そのカードを最大限に生かすべくオリジナリティ溢れるデッキを作成、使用している。今回は独自の青白コントロールを持ち込んでいる。

 対するは馬場 紀之。『GMC』の歴史を語るなら、馬場は外せない。なぜなら第1回大会の優勝者は馬場であったからだ。『GMC』の歴史は、馬場というプレイヤーを基点にスタートし、、、と大げさに言うつもりはない。
 しかし『GMC』の初代優勝者として、その後の大会の歩みを見守り続けているのは、馬場に他ならない。
 馬場はアブザンアグロ。大会当日にメインデッキの最後の1枚を決めるという独自のジンクス元構成されている。因みに今回の1枚は《カルテルの貴種/Cartel Aristocrat》。

 最終ラウンドを勝利し、優勝するのはどちらのプレイヤーか。

Game1

 挨拶代わりに、と馬場は《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》をキャストする。

 《糾弾/Condemn(DIS)》《不許可/Disallow(AER)》《広がりゆく海/Spreading Seas》

 橋本から提示される三択を前に、馬場は、自身の手札と《草むした墓/Overgrown Tomb》《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》という2枚の土地を見比べ、全てのカードに対処可能な《不許可/Disallow(AER)》を捨てさせる。

 橋本としては《広がりゆく海/Spreading Seas》が捨てられなかったことで、馬場の手札が色マナに不自由しないものであると予測が立つが、例えそうであっても、他に選択肢はなく、《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》《広がりゆく海/Spreading Seas》をエンチャントする。

 互いに静かな3ターン目を挟んで、馬場は、4ターン目《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》、5ターン目《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とクリーチャーを連打。盤面だけを見れば尋常ならざる6打点を形成する。

 盤面だけを見れば、とは言葉通りで、序盤にキャストした《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》で明らかになっているが、橋本の手札には《糾弾/Condemn(DIS)》が握られている。

 防御網を厚くすべく、橋本は、馬場のエンドにX=2で《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》。ライフと手札を回復する意味もあるが、何よりも欲しいのは土地。

 都合3枚のカードをドローしているが、ここで6枚目の土地が置くことができない。青白のコントロール系のデッキであれば、土地はより重い支配力の高いスペルへの到達を意味するし、行動回数へとも繋がる。
 ただ、土地がない分手札にスペルは充実している。馬場の後続を《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》で対処し、タップモードを選択することで時間を稼ぐ。

 1ターン遅れで6枚目土地を引き込むと、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》《糾弾/Condemn(DIS)》を合わせ、馬場の《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》をフラッシュバックを無視し、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》をX=2で再キャスト。

 橋本は、7枚目の土地をセットすると勢いよく土地をフルタップする。

 青白のコントロールデッキがメインフェイズにタップアウトする、考えられる選択肢は三つだ。
 一つ目は《神の怒り/Wrath of God(6ED)》に代表されるリセット呪文。二つ目は《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(THS)》といったプレインズウォーカー。どちらも強力にゲームをコントロールできるが、ライフに余裕があればカウンターを構えつつキャストしたいというのが本音だ。

 橋本のライフは17。馬場のクロックが4点とまだ余裕があり、土地も7枚とカウンターを構えつつ動けなくもない。

 ならば答えは三つ目しかないだろう。つまりはフィニッシャーだ。

 橋本は、満を持して《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》をキャスト。

 橋本のデッキは、スタンダードで活躍する《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》のモダンバージョン。カウンター、除去、ドロー、どのスロットも最高峰のカードが選択されている。

 馬場にできることは愚直にクリーチャーで攻撃するしかない。4点のダメージを与え20点とし、《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》を追加する。
 4ターンで削りきる算段だが、ドロースペルや除去呪文を考慮すると果たして猶予が何ターンあるのかもわからない。

 橋本は1枚目のカードをドロー。《広がりゆく海/Spreading Seas》で、2枚目をドローする。
 この2枚目の《広がりゆく海/Spreading Seas》の効果は大きく、馬場は黒マナを封じられてしまう。

 馬場は、第1メインフェイズで3枚目の《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》でクロックを6点とし、4体のスピリットトークンでアタックを敢行する。

 馬場の場には黒マナがなく、第1メインで《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》をキャストし、残り少ないマナは少ない。
 橋本は、クロックを減らすため《天界の列柱/Celestial Colonnade》のアクティベートを宣言する。

 馬場は迷わず《流刑への道/Path to Exile(CON)》

 橋本の手札にカウンターはない。《流刑への道/Path to Exile(CON)》を受け入れ、カードの効果通りに基本土地をサーチしてしまう。
 そう、7枚目に置かれた《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》は混ざり合い、トップデッキしなければならなくなってしまう。

 橋本はトップデッキを願い、手札の防御呪文を使い、1ターンでも延命を試みるが、

 二度目の日が昇ることはなかった。

橋本1-0馬場


Game2

 モダンにおける1ターン目は早い。

 橋本は、《神聖なる泉/Hallowed Fountain》のショックインから《選択/Opt(XLN)》

 馬場が最初にキャストしたのは、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》。ここには《呪文嵌め/Spell Snare》

 追加される《漁る軟泥/Scavenging Ooze(M14)》にも《呪文嵌め/Spell Snare》。橋本はゲームをコントロールし、馬場にクリーチャーを場に出させない。

 しかし4ターン目、ここで馬場は必殺技をキャストする。

 サイドから投入した《窒息/Choke》だ。

 3マナという絶妙なコストが《呪文嵌め/Spell Snare》を避け、対処手段なくこれが着地してしまう。

 橋本は今後カウンターをキャストすれば土地が縛られるため、迂闊に行動できない。馬場は《復活の声/Voice of Resurgence(DGM)》を召喚することに成功する。

 続く《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》と合わせ一気に6点のクロックが形成。橋本のライフは11に。

 6点というダメージを考え、トークンが出るのを厭わず、橋本は《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》《糾弾/Condemn(DIS)》

 馬場は力強く2枚目の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を追加する。これで橋本のライフは6。

 橋本は2つの選択肢を前に、熟考する。《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》

 場に土地は7枚ある。どちらも問題なくキャストは、できる。
 しかし内3枚が《島/Island(XLN)》であり、《窒息/Choke》により3枚が縛られてしまう。

 橋本は賭けに出る。ここまで橋本自身を勝利に導いてきた、デッキの代名詞《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》をキャストする。これで橋本のライフは13。

 馬場はカードをドローすると、一瞬、驚いたような表情浮かべるが、素早く計算に入る。橋本のライフと場のクリチャーのパワー数え、トップデッキした3枚目《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を召喚する。場に出た時の効果で橋本のライフは10。

 そして《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》《復活の声/Voice of Resurgence(DGM)》、エレメンタル・トークンがレッドゾーンに送り出されると、クリーチャーのパワーはぴったり10点。

橋本0-2馬場


馬場 Win!
『初プロツアー と 人』 インタビュー:佐藤 光(コミかる堂高崎店)
 誰もが、ではない。選ばれた者のみが集う舞台『プロツアー』。

 その空気は参加者しか知らず、その緊張感はプレイする者のみが味わえる。

 言葉にできない気持ちと言ってしまえばそれまでだろう。

 それでも、参加者は抽象的であってもその経験を素直に伝えるべきではないだろうか。

 彼らの言葉は、周囲のプレイヤー達へと伝播し、次の世代へと受け継がれていく。

 Magic: The Gatheringは単なるカードゲームという枠を超え、店と人を、人と人を、人とコミュニティーを結びつける生き物のような摩訶不思議な媒体である。

 だからこそ参加者の気持ちは、プロツアーに参加したの証として、多くの人と共有されるべきではないか。

 これは、群馬県からプロツアーへの参加を果たした、若き侍たちを取り上げ、勝手にインタビューしていく企画である。

 第1回目となる今回は、『プロツアーイクサラン(公式カバレージページ:http://coverage.mtg-jp.com/ptxln17/)』に参加した佐藤 光(コミかる堂高崎店)である。


::ぶっちゃけ、佐藤って誰やねん?
―いきなりですが、佐藤さんのことを教えてください!

 「自分は中学時代、旧ミラディンからマジックを始めました。友人達と一緒に遊戯王、デュエル・マスターズを経て、自然とマジックへ行き着きました。高校時代は遠ざかりましたが、大学時代に仲間内でマジックを始めようという気運が高まりして復帰を果たしました。

 「復帰後は仲間内でのドラフトが主な遊び方で、構築戦は各種サイトで大会結果やカードリストを眺めるだけ。大会と言えば近所のFNM程度でして、手持ちのカードだけで組み参加するカジュアルな付き合い方でしたね。

―大会参加はFNM程度ということですが、佐藤さんは何故プロツアーに出てみようと思ったんですか?

 「就職を機に群馬県に引越しまして。近くのカードショップを探したところ、コミかる堂高崎店を見つけ通い始めました。

 「その頃PTQからPPTQ制度に移行したタイミングで、自分もFNMからのステップアップという軽い気持ちで参加してみることにしました。ただコミかる堂の人達のPPTQに対する意識が高くて(笑)一緒のコミュニティーでマジックをプレイし、同じように大会に出ていたので無意識的に引っ張りあげられたのかも知れません。

―同じコミュニティーで一つの目標に向かって突き進むことでモチベーションの維持にも繋がったんですね。

 「何度目かの挑戦でPPTQを抜けることができました。初RPTQでは真剣にプレイしながらも、対戦相手の方々と話す内にテンションが上がり、大会が終わる頃にはまたこの場に来たいと思うようになりました。プロツアーは目標としては大き過ぎて具体的に思い描けないので、先ずはもう一度RPTQに参加し、前回よりも好成績で終えられるようにしようと決意しました。その後は練習が上手く成果を生み、RPTQに連続して参加することができ、3回目にして今回のプロツアーへの参加を勝ち取ることができました。

::初プロツアーを前に
―さて、RPTQを突破しプロツアーとなりますが、具体的にどんな練習を実施されたんですか?

 「ドラフトはMOを中心に、人が集まればコミかるでも。カードプールを見て自分で戦略、点数を考え、実践の繰り返しでした。時間が合えば地元の友人と画面を共有しながら意見を出し合ったりもしましたね。特に赤白恐竜、白黒吸血鬼は完成形をイメージし易やすく、ピックが終わった段階で失敗か成功か判断しやすい。他のアーキタイプに自信がない分、白絡みのピックは納得いく練習ができました。

 「構築は、コミかるを中心にMOの画面共有しながら地元の友人ともやりました。メタゲームをティムール・エネルギー、赤単、スルタイ・エネルギーの3本に絞り、それらに強いデッキを模索するうちに、赤以外の4色トークンデッキが完成しました。実際メインだけなら圧勝で、これならいけると確信もありました。

―おお、これは頼もしい発言。

 「が、ダメ!

―ダメなんかーい!

 「サイド後の対策カードが厳しくて。エネルギー系からはパーマネント対策とカウンター、赤単からは《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon(XLN)》と戦略自体に対するアンチテーゼと少しずつメタられ始めて勝てなくなりました。サイドを煮詰め切れなかったのが敗因ですね。《冠毛の陽馬/Crested Sunmare(HOU)》を試せていれば違った結果になったかもしれません。

 「そんなわけでデッキがなくなり、3日前になって急遽選択肢を変更したので、時間がなく、ティムール・エネルギーか赤単の2択になり、ミラーマッチを勝ちきるには練習が足りないと感じ、経験のある赤単を選択しました。

 「僕自身、ドラフトがかなり好きで時間さえ許せば無限にしていたい位なんです。そんな性格なのでリミテッドにおけるコンバットと、常に高くアンテナを張り情報収集に努めているのでメタ読みは自信がありました。ただ、構築にかける時間が少し足りませんでしたね。

::初プロツアーに参加して
―目標としていたプロツアーの地、どうでしたか?

 「うーん、プロツアーは、自分が思っていた以上に、遠い場所でしたね。参加して改めて分かりました。右を見ても左を見ても、動画や記事で見かけたトッププロがいるわけですから。対戦してみても、これほど差があるのかと痛感しました。

 「プロツアーの会場入り後、日本人プレイヤー同士でドラフトする機会があったんですよね。当然と言えば当然なんですが、理由なきプレイは咎められました。手なりに意味はない、改めて勝つということを意識させられ、自分がプロツアーに来たんだという実感も生まれました。

―普段画面越しに見ている人が目の前にいる、、、緊張しますね。それでも佐藤さん自身も準備はしたわけですよね?

 「自分は情報戦は自信があり、PPTQでは1週間前でも間に合うことがありました。プロツアーを甘く考えていたわけではありませんが、時間が足りませんでしたね。勝つためには情報もですが、それ以上にプレイングが必要でした。プロと渡り合うには、それに近いレベルで練習しなければならないと思いましたね。MOのリーグ程度では役に立たず、練習とはいえません。

 「対戦自体は、土地事故やマリガン、予想外のカード(タッチ赤からまさかの《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》)に負けることもありましたが、明確なミスが2点ありました。

 「先ず、マッチアップにおけるキープ基準を定めていなかったこと。ゲーム展開を考え、手札をキープできませんでした。スルタイ相手には除去なしの手札をキープした結果、《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》+《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》を決められました。構築でもメインの《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev, Skyship Raider(AER)》の3枚目、サイドボードに《削剥/Abrade(HOU)》の4枚目は必須でした。環境がテンポ寄りということもあり、複数引き腐るリスクよりも、引けた時のリターンが大きすぎました。

 「正直デッキの選択に後悔はありません。ただし、プレイに関してはもっと練らなければいけませんでしたね。メタゲームがはっきりしないからと理由をつけ、構築を後回しにしましたが、最低でもティムール・エネルギーと赤単は練習し、特性や嫌がるプレイを把握すべきでした。1週間では短すぎました。もっとやれることがあったはず。

―とてもシビアな感想ですね。プロツアーは大変そう、、、

 「簡単に勝たせてくれないという意味では大変な場かもしれません。でも、だからこそ楽しかったというのもあります。互いが自分の全てを出した上で勝負が決まる。それって素晴らしいことだと思いませんか?

 「プレイヤーについては思っていたよりもフランクでした。共通言語はMagic: The Gatheringなので、英語は弱くてもコミュニケーションはとれましたね。ただ残念なのがコミュニケーションは取れても、深い会話までできなかったことですね。Round1の対戦相手がAndrew Cuneo(アメリカ)でうまく話せなくて凄く悔しかったので。今後再び海外に行く機会があれば英語を学び、少しは話せるようになりたいですね。

::プロツアーと佐藤
―佐藤さんの中で、一つの大きな目標が達成されたわけですが、マジックにおける今後の目標はありますか?

 「マジックの目標は達成されたので、カジュアルな付き合い方に戻ろうかなとも思っています。プロツアー楽しかったけど、参加するには対価が必要ですし、ある程度成績を残すとすれば、今とは比べ物にならない位努力しなければかもしれません。マジックだけに時間はかけられませんので、少し控えようかなと。

―折角プロツアーに参加したのに、これで終わってしまうのは残念な気もしますが。

 「マジック自体は辞めませんし、参加できる限りはPPTQには出続けますよ。ただこれまでのような時間はかけられないので、気持ちとは裏腹に勝ちきれなくなっていくかなと思っています。プロツアーでも実感しましたが、練習しないことにはマジックは勝てませんので。

 「本音で言えばグランプリを転戦しつつプロポイントを稼ぎ、プロレベルを目指し、マジックを続けたい気持ちはあります。でもそれには海外グランプリに参加する必要もあるでしょうし、今の自分には現実的ではありません。将来的に時間にゆとりができたら海外グランプリに参加したい気持ちはありますので、そこまで細く長くマジックを続けられるコミュニティを作りたいと思います。

 「それに僕が第一線を引いたとしても、コミかる堂には素晴らしいプレイヤーが沢山いますので、安心しています。例えば僕自身は真下さんにプレイングで勝っているとは思いません。難波君はプロツアー目指し、精力的に活動しています。

―なるほど。佐藤さんの気持ち自体はコミュニティーとともにあるということですね。また、それだけ期待できるプレイヤーが多くいるということも嬉しいことですね。最後にコミかる堂で今後プロツアーを目指す方へ、一言お願いします。

 「もっとPPTQに出ろ!

 「PPTQを勝ち抜くには、プレイヤーの技術や環境理解、本人が得意とするフォーマット等色々あるけれど、先ずは参加しないことには権利を掴み取れない。そして参加し続けるということは、本人のモチベーションの問題でもある。他人に強制されて続けている内は、勝つことはできても、勝ちきることはできない。本人の意志で精力的に出続けることが、プロツアーへの第一歩です!

―ありがとうございました。
【MTG】デッキテク:「Dead of Gold/青黒マリオネット」 後編
【MTG】デッキテク:「Dead of Gold/青黒マリオネット」 後編
 Booksながしまで開催されるスタンダードフォーマットの大会で、常に上位に食い込むデッキがある。

 それが清水 敦朗、清水 恭爾、大野 貴正の3人が作成した「Dead of Gold/青黒マリオネット」だ。

 前編では清水 敦朗が《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》等のバックアップの元、驚異の5ターン《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》デッキを披露してくれた。

 今回は清水 恭爾、大野 貴正の二人が制作した元《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》デッキの話しを聞いていこう。二人のデッキリストを比較しながら、読んでいただければ幸いである。

 スタンダード環境に突如として現れたコンボデッキ、その全容を解明していこう!

Dead of Gold(金の亡者)/制作者 清水 恭爾、大野 貴正

◆メインデッキ
清 大
水 野
4  4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(XLN)》
3  3《異臭の池/Fetid Pools(AKH)》
2  2《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7  4《島/Island(XLN)》
7  6《沼/Swamp(XLN)》
  4《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》

4  3《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》
4  4《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
4  4《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》
4  4《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
2  2《人質取り/Hostage Taker(XLN)》
2  2《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
2  2《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》

4  4《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》
3  4《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》
4  3《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》
2  3《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》
2   《改革派の地図/Renegade Map(AER)》
  2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》

◆サイドボード
2  3《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》
2  2《否認/Negate(AER)》
3  3《本質の摘出/Essence Extraction(KLD)》
2  2《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》
3  2《強迫/Duress(XLN)》
2   《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》
1   《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
  1《大災厄/Doomfall(HOU)》
  2《徙家+忘妻/Consign+Oblivion(HOU)》

―清水さんと大野さんのデッキはカウンター呪文こそないものの、除去呪文や《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》、《人質取り/Hostage Taker(XLN)》とボードコントロール力の高いカードが多く採用されていますが、どのようなデッキなのでしょうか?

 「このデッキは《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》をキーとしたコンボデッキです。《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》の製造でパワーを4にし、アーティファクトを5つ生贄にささげ20点を叩き出します。

―アーティファクト5つというとかなりハードルが高そうに聞こえますが。

 「簡単に揃いますよ。《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》、《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》、《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》、《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》、《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》とデッキの三分の一がアーティファクト関連のカードになっています。

 「無闇やたらにアーティファクトを入れるのではなく、個々のカード毎に役割を持たせることで、デッキパワーを下げることなくコンボ達成に繋ぐことができます。

―実際デッキはどのような動きをするのですか。

 「基本的には能動的に場に動きパーマネントを展開しつつ、除去呪文で相手の序盤の脅威に対処していきます。中盤以降相手がタップアウトした隙を突いて《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》で瞬殺します。

 「《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》等は対処手段が限られるカードですので、必然的に相手が大振りになりやすくなり、コンボ前の露払いにもなります。

 「場のアーティファクトが4つ以下の場合コンボは決まらないと思われがちですが、手札からX=0の《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》をキャストして無理やり決めることもできますよ。逆に《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》の上にカウンターを4つ配置できればアーティファクト2個カウントにもなる相性のいいカードです。

―カード毎の役割について教えていただけますか?

 「《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》はこのデッキのキーカードです。ドローの質を高めコンボパーツを探し、変身すれば一気に宝物・トークンが3個精製されるので。これ1枚で勝利条件の五分の三を満たすので、計算が楽になります。

 「《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》や《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》はライフを守りつつ、宝物・トークンを場に出してくれます。後述の《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》とも非常に相性がいいです。

 「ライブラリー操作役の《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》や《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》が優秀なブロッカーなんですが、相手の《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》や《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》からの《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を対処するために、《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》を採用しています。

 「《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》は1ターン生き残れば2個アーティファクトを場に出せますし、自身が除去能力を兼ね備えています。基本的には+1の能力を使い、《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》のために充電していきますが、奥義によりアーティファクトをクリーチャー化するので、第二のフィニッシャーともいえますね。

―《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》での20点はかなりわからん殺しできそうですが、どの様な過程を経て完成したのですか?

 「最初は《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を使ったデッキを作ろうとしてたんです。《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を張って相手のクリーチャーを片っ端から除去していくみたいな。でも《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を引かないと全然デッキが回らなくて。その時から《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》自体には目を付けていたんですけど、うまく形になっていませんでした。

 「でも清水 敦朗さんが青黒ベースの宝物・トークンから《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》につなげるデッキを作っていて、これだって閃きましたね。互いのデッキのいいとこをハイブリットして完成に至りました。《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》も押し付けたんですが、これだけは合わないということで抜けましたが(笑)。

 「でもまだ足りない。除去と勝利手段を同時に満たせる都合のいいカードがないかなとカードリストと睨めっこしていると《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》を見つけたんです。勝利条件に直結しつつ、除去能力も兼ね備え、奥義も噛み合っていますから。最初はお試しで2枚からスタートして、調整を続ける内にどんどん枚数が増えていきましたね(清水が4枚、大野が3枚)。《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》がこのデッキのマスターピースです。

―ありがとうございました。


 現在スタンダードでは、5エキスパッション1,200種類近くのカードが使用可能となっている。沢山のカードの中から、是非あなただけの1枚を見つけ出し、それをデッキへと昇華させて欲しい。

 好きなカード、面白いカード、強いカード、理由は何でも構わない。あなたが見定める1枚がきっとあるはずだ。

 選んだ1枚を自身の想像力の元、形にしていく。

 デッキ構築には決まりはなく、プレイヤーの想像力次第で、無限の可能性がある。

 デッキ構築とは形なきものを作り上げる世界。

 決まりなき自由な世界、それがMagic: The Gatheringなのだから。

【MTG】デッキテク:「Dead of Gold/青黒マリオネット」 前編
【MTG】デッキテク:「Dead of Gold/青黒マリオネット」 前編
 Booksながしまで開催されるスタンダードフォーマットの大会で、常に上位に食い込むデッキがある。

 それが清水 敦朗、清水 恭爾、大野 貴正の3人が作成した「Dead of Gold/青黒マリオネット」だ。

 青黒のカラーコンビネーションと言えば、《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》や《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》でゲームをコントロールし、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》をフィニッシャーに据えるコントロールデッキが一般的であるが、なんとコンボデッキらしい。

 スタンダード環境に突如として現れたコンボデッキ、その全容を解明していこう!

ニコルへの愛故に/原作者 清水 敦朗の思考

◆メインデッキ
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(XLN)》
2《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》
4《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7《島/Island(XLN)》
5《沼/Swamp(XLN)》
1《山/Mountain(XLN)》

4《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》
4《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
4《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
3《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》

3《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》
4《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》
4《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》
3《巧みな軍略/Strategic Planning(HOU)》
3《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》
3《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》
1《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》

◆サイドボード
3《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》
2《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《危険な航海/Perilous Voyage(XLN)》
3《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》
3《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》
3《人質取り/Hostage Taker(XLN)》

―デッキ名にもなっている《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》をはじめ、イクサランの海賊や宝物関連のカードが多数見受けられますが、このデッキはどんな動きをするんですか?

 「このデッキは《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を素早く場に出すことを前提に組んでいます。理想的な動きは、2ターン目に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をキャストし、最速で変身させることです。毎ターン起動することで5ターン目に変身するので、残った4マナ+宝物・トークンで7マナ、つまり《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》をキャストすることができます。

 「もう一つは《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が引けなかった場合、こちらは《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》と《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》をプレイするか、そのどちらかと《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》を組み合わせます。こうすることで5ターン目に宝物・トークンを2個用意できるため、5マナと合わせて《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》まで届きます。

―5ターン目に《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》!?早っ!忠誠値の高さと相まって、かなりの制圧力を発揮しそうですね。

 「相手のデッキにもよりますが、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》の+2の能力で捲れたカードによっては勝負が決まりますね。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》とか。

 「宝物・トークンを出す過程で場に出ていた海賊もブロッカーになりますし、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》はそうそう破壊されません。その間に何度も能力を起動して“当たり”を引きにいきます。

 「5ターン目の《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》は、強い!

―ターボニコルとも呼べそうなこのデッキですが、一体どうやって出来上がったのですか?

 「破滅の刻が発売された時からなんとか使いたいと色々と考えていたのですが環境(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》)が許さないところもあって。でもイクサランが発売され、納得いく形になりました。特に宝物・トークンを生み出す海賊は、ブロッカーとして盤面を支えつつ、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのターンを縮めてくれる頼もしい存在です。通常グリクシスカラーはパーマネントに頼るマナ加速がないため、宝物・トークンの加入は非常に大きいです。

 「《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を使うことを前提に構築をスタートしましたが、最初は青黒の海賊ベースのクリーチャーデッキでした。《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》なんか入れたクロックパーミッション的な。

 「それを清水 恭爾に見せたら、宝物・トークン沢山出るし《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を入れろと言われて。でも中々決まらない(勝てない)。もっと直接的に勝利に直結する別のカードと探している内に、誰が見つけたのか《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》に辿り着きました。《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》のパワーを4にして、宝物・トークン×5個で勝ち。これなら余った宝物・トークンを有効に活用できると。

 「決め手が《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》、サブが《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。エンジン部分は《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》と海賊で、残りは除去とドローカードですが忘れてはいけないのが《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》です。他のクリーチャーと同様にタフネス4のがっちり仕様なんですが、デッキの構成上そこそこアーティファクトが入っているので占術がバカになりません。特に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》の変身と組み合わせると一気に3回ですから。

―《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのプロセスが明確で、サポート役のカード自体もデッキに噛み合っているんですね。
 よくよく見てみるとこのデッキはグリクシスカラーでありながら、何枚か別のカラーのカードが入っていますが、、、

 「間違いじゃありません!宝物・トークンのお陰で色マナにも不自由しません。なので環境によって色々なカードをタッチできます。今は《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》や《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》を入れてますが、以前はサイドボードに《厳粛/Solemnity(HOU)》も採用していました。マナベースから想像し得ないカードを使えるため、相手の意表を突くことができるのも強さの一つです。

―ありがとうございました。

~後編に続く~

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