Booksながしまで開催されるスタンダードフォーマットの大会で、常に上位に食い込むデッキがある。
それが清水 敦朗、清水 恭爾、大野 貴正の3人が作成した「Dead of Gold/青黒マリオネット」だ。
青黒のカラーコンビネーションと言えば、《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》や《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》でゲームをコントロールし、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》をフィニッシャーに据えるコントロールデッキが一般的であるが、なんとコンボデッキらしい。
スタンダード環境に突如として現れたコンボデッキ、その全容を解明していこう!
~ニコルへの愛故に/原作者 清水 敦朗の思考~
◆メインデッキ
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(XLN)》
2《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》
4《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7《島/Island(XLN)》
5《沼/Swamp(XLN)》
1《山/Mountain(XLN)》
4《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》
4《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
4《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
3《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》
3《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》
4《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》
4《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》
3《巧みな軍略/Strategic Planning(HOU)》
3《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》
3《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》
1《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》
◆サイドボード
3《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》
2《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《危険な航海/Perilous Voyage(XLN)》
3《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》
3《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》
3《人質取り/Hostage Taker(XLN)》
―デッキ名にもなっている《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》をはじめ、イクサランの海賊や宝物関連のカードが多数見受けられますが、このデッキはどんな動きをするんですか?
「このデッキは《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を素早く場に出すことを前提に組んでいます。理想的な動きは、2ターン目に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をキャストし、最速で変身させることです。毎ターン起動することで5ターン目に変身するので、残った4マナ+宝物・トークンで7マナ、つまり《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》をキャストすることができます。」
「もう一つは《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が引けなかった場合、こちらは《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》と《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》をプレイするか、そのどちらかと《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》を組み合わせます。こうすることで5ターン目に宝物・トークンを2個用意できるため、5マナと合わせて《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》まで届きます。」
―5ターン目に《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》!?早っ!忠誠値の高さと相まって、かなりの制圧力を発揮しそうですね。
「相手のデッキにもよりますが、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》の+2の能力で捲れたカードによっては勝負が決まりますね。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》とか。」
「宝物・トークンを出す過程で場に出ていた海賊もブロッカーになりますし、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》はそうそう破壊されません。その間に何度も能力を起動して“当たり”を引きにいきます。」
「5ターン目の《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》は、強い!」
―ターボニコルとも呼べそうなこのデッキですが、一体どうやって出来上がったのですか?
「破滅の刻が発売された時からなんとか使いたいと色々と考えていたのですが環境(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》)が許さないところもあって。でもイクサランが発売され、納得いく形になりました。特に宝物・トークンを生み出す海賊は、ブロッカーとして盤面を支えつつ、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのターンを縮めてくれる頼もしい存在です。通常グリクシスカラーはパーマネントに頼るマナ加速がないため、宝物・トークンの加入は非常に大きいです。」
「《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を使うことを前提に構築をスタートしましたが、最初は青黒の海賊ベースのクリーチャーデッキでした。《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》なんか入れたクロックパーミッション的な。」
「それを清水 恭爾に見せたら、宝物・トークン沢山出るし《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を入れろと言われて。でも中々決まらない(勝てない)。もっと直接的に勝利に直結する別のカードと探している内に、誰が見つけたのか《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》に辿り着きました。《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》のパワーを4にして、宝物・トークン×5個で勝ち。これなら余った宝物・トークンを有効に活用できると。」
「決め手が《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》、サブが《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。エンジン部分は《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》と海賊で、残りは除去とドローカードですが忘れてはいけないのが《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》です。他のクリーチャーと同様にタフネス4のがっちり仕様なんですが、デッキの構成上そこそこアーティファクトが入っているので占術がバカになりません。特に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》の変身と組み合わせると一気に3回ですから。」
―《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのプロセスが明確で、サポート役のカード自体もデッキに噛み合っているんですね。
よくよく見てみるとこのデッキはグリクシスカラーでありながら、何枚か別のカラーのカードが入っていますが、、、
「間違いじゃありません!宝物・トークンのお陰で色マナにも不自由しません。なので環境によって色々なカードをタッチできます。今は《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》や《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》を入れてますが、以前はサイドボードに《厳粛/Solemnity(HOU)》も採用していました。マナベースから想像し得ないカードを使えるため、相手の意表を突くことができるのも強さの一つです。」
―ありがとうございました。
~後編に続く~
それが清水 敦朗、清水 恭爾、大野 貴正の3人が作成した「Dead of Gold/青黒マリオネット」だ。
青黒のカラーコンビネーションと言えば、《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》や《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》でゲームをコントロールし、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》をフィニッシャーに据えるコントロールデッキが一般的であるが、なんとコンボデッキらしい。
スタンダード環境に突如として現れたコンボデッキ、その全容を解明していこう!
~ニコルへの愛故に/原作者 清水 敦朗の思考~
◆メインデッキ
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(XLN)》
2《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》
4《廃墟の地/Field of Ruin(XLN)》
7《島/Island(XLN)》
5《沼/Swamp(XLN)》
1《山/Mountain(XLN)》
4《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》
4《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
4《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
3《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》
3《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》
4《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》
4《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》
3《巧みな軍略/Strategic Planning(HOU)》
3《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》
3《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》
1《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》
◆サイドボード
3《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》
2《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》
1《危険な航海/Perilous Voyage(XLN)》
3《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》
3《巧射艦隊の追跡者/Deadeye Tracker(XLN)》
3《人質取り/Hostage Taker(XLN)》
―デッキ名にもなっている《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》をはじめ、イクサランの海賊や宝物関連のカードが多数見受けられますが、このデッキはどんな動きをするんですか?
「このデッキは《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を素早く場に出すことを前提に組んでいます。理想的な動きは、2ターン目に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をキャストし、最速で変身させることです。毎ターン起動することで5ターン目に変身するので、残った4マナ+宝物・トークンで7マナ、つまり《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》をキャストすることができます。」
「もう一つは《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が引けなかった場合、こちらは《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》と《欲望の深み/Depths of Desire(XLN)》をプレイするか、そのどちらかと《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》を組み合わせます。こうすることで5ターン目に宝物・トークンを2個用意できるため、5マナと合わせて《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》まで届きます。」
―5ターン目に《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》!?早っ!忠誠値の高さと相まって、かなりの制圧力を発揮しそうですね。
「相手のデッキにもよりますが、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》の+2の能力で捲れたカードによっては勝負が決まりますね。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》とか。」
「宝物・トークンを出す過程で場に出ていた海賊もブロッカーになりますし、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》はそうそう破壊されません。その間に何度も能力を起動して“当たり”を引きにいきます。」
「5ターン目の《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》は、強い!」
―ターボニコルとも呼べそうなこのデッキですが、一体どうやって出来上がったのですか?
「破滅の刻が発売された時からなんとか使いたいと色々と考えていたのですが環境(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》)が許さないところもあって。でもイクサランが発売され、納得いく形になりました。特に宝物・トークンを生み出す海賊は、ブロッカーとして盤面を支えつつ、《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのターンを縮めてくれる頼もしい存在です。通常グリクシスカラーはパーマネントに頼るマナ加速がないため、宝物・トークンの加入は非常に大きいです。」
「《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》を使うことを前提に構築をスタートしましたが、最初は青黒の海賊ベースのクリーチャーデッキでした。《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》なんか入れたクロックパーミッション的な。」
「それを清水 恭爾に見せたら、宝物・トークン沢山出るし《富の享楽/Revel in Riches(XLN)》を入れろと言われて。でも中々決まらない(勝てない)。もっと直接的に勝利に直結する別のカードと探している内に、誰が見つけたのか《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》に辿り着きました。《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》のパワーを4にして、宝物・トークン×5個で勝ち。これなら余った宝物・トークンを有効に活用できると。」
「決め手が《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》、サブが《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。エンジン部分は《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》と海賊で、残りは除去とドローカードですが忘れてはいけないのが《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》です。他のクリーチャーと同様にタフネス4のがっちり仕様なんですが、デッキの構成上そこそこアーティファクトが入っているので占術がバカになりません。特に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》の変身と組み合わせると一気に3回ですから。」
―《王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh(HOU)》までのプロセスが明確で、サポート役のカード自体もデッキに噛み合っているんですね。
よくよく見てみるとこのデッキはグリクシスカラーでありながら、何枚か別のカラーのカードが入っていますが、、、
「間違いじゃありません!宝物・トークンのお陰で色マナにも不自由しません。なので環境によって色々なカードをタッチできます。今は《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》や《イクサランの束縛/Ixalan’s Binding(XLN)》を入れてますが、以前はサイドボードに《厳粛/Solemnity(HOU)》も採用していました。マナベースから想像し得ないカードを使えるため、相手の意表を突くことができるのも強さの一つです。」
―ありがとうございました。
~後編に続く~
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