6年ぶりに復活する冬の一大イベント『The Finals 2017』。
この大会は、プロプレイヤーが入賞を果たすことも数多くあったが、それと同じくらい無名の若手プレイヤーが並み居る強豪を蹴散らし入賞を果たし、その後のトップシーンへと旅立って行った。
そのため“若手の登竜門”とも呼ばれてきた。
本戦への出場を夢見て、権利を獲得することに躍起になっていた人も数多くいただろう。
清水 恭爾(Booksながしま)もその1人だ。
何度も予選を抜け、本戦への出場権を獲得しながらも、その度に都合がつかず諦めてきた。『The Finals』の復活を一番喜んだのは、清水のように恋焦がれながらも出場が叶わなかったプレイヤーかもしれない。
大会自体が消滅し、夢はそこで途切れてしまっていたから。
しかし、
今年の冬、昔見た、夢の続きが始まる。
自分の腕で掴み取ることができる夢の続きが。
後一勝で、夢が叶う。
Game1
スイスラウンド1位の清水の先行で始まり、ファーストアクションは3ターン目の《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》から。
対し真下は3ターン目もドローゴー。コントロールデッキかのように沈黙している。
清水は4ターン目にキーカードである《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をキャストするが、待ってましたとばかりに《削剥/Abrade(HOU)》。スタックして占術で1枚を下へ送る。
真下は、ストレートに伸びた5マナから《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》を召喚し、督励せず空中からの早期決着を狙う。
たまらず清水は宝物トークンが1個にもかかわらず、ダメージレースの形を作るため、《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》を召喚。
しかし場に残すと突然死の要因になるため、《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》の督励と《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》の合わせ技できっちり除去されてしまう。
清水は《人質取り/Hostage Taker(XLN)》で《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》を奪い召喚。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》が督励を使えば2ターンに一度しか攻撃できないため、細かいながらもクリーチャーによるダメージレースの形を作る。ライフは真下16-12清水。
その目論見を打ち砕くのは真下が召喚した2体目の《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》。この4点で清水の残ライフは8。このターンアンタップしなかった《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》と合わせ、ちょうど8点だ。
清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》をX=4でキャストし、《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》1体を対処するが、残り4。
最後の手として清水は《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》のジャンプアップから4マナ残し《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》を召喚し、これが通る。対象にするのは真下の墓地に眠る《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》だ。
真下は《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》をレッドゾーンへ送ると、清水はブロッカーとするため《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》をリアニメイト。
真下の手からは《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》。
かくして真下へ先勝がもたらされた。
真下1-0清水
Game2
「土地さえあれば。」
清水は呟き、手札をライブラリーへと戻し、6枚でキープする。
真下は1ターン目の《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》で《沼/Swamp(XLN)》をサーチ。十分に色マナが揃っているようだ。
続くターンに《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》を召喚する。
清水は3ターン目に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》、そしてタップアウトし《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》をキャスト。
この機を逃さず真下は《削剥/Abrade(HOU)》で対処し、《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》で2枚目となる赤マナへとアクセス。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》への下準備は完了。
清水は4枚目の土地が置けない。その代わりに2枚目の《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をドローし、占術でライブラリートップを維持する。
ライブラリートップを維持しながらも、それは土地ではない。
真下は5マナから《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》、そこへ土地を止めてまで残した《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》を合わせクリーチャーの存在を許さない。
今度こそ4枚目の土地を積み込むと、《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》を召喚し、《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》の変身分と合わせて一気に宝物・トークンの数は4つまで増やす。
真下は青黒では対処が難しい《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を召喚。
清水は《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》から《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》を奪い、マナを増やす。
真下は貴重な《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》と相打つことを選択するが、それもそのはず、2号機が登場する。
清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》をX=3で召喚、真下は《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》で攻撃し1パンプ、このゲーム初めてライフが動き清水の残ライフは15。
都合3体目《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》召喚し、ブロックを迫る。
8枚の土地と4つの宝物・トークン全てアンタップ状態で清水はターンを返し、真下は迷わず2体の《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をレッドゾーンへ。
4/3の《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》にブロックされ、清水はパンプアップ、続けて2度目もスタックに積む。
真下もエネルギーを使用しパンプアップを宣言するが、これにレスポンスはなし。
ダメージ前に清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》上の全てのカウンターを真下へ打ち込む。これで互いにライフは15。
清水は9枚目の土地をプレイすると、最後の手札を公開する。
それはデッキの代名詞《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。
場にある宝物・トークンは4つ、製造が解決すればコンボが決まり、清水の勝利が確定する。
真下は製造にスタックして《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》。
コンボは不発に終わり、ブロッカーが3体生み出される。もう一度コンボを決めるため、トークンによるチャンプと《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》によるドロー加速でパーツを集めるしかない。
《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をトークン1体ブロックし、《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》で1ドロー。清水のライフは10。
《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をトークン1体ブロックし、《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》で2度目の1ドロー。清水のライフは5。
清水のライフは5。続くアタックで敗北してしまうが、逆に言えばライフを犠牲にかき集められるだけのカードアドバンテージを集めたということだ。
コンボパーツこそ揃わなかったが、清水はこれ以上ないタイミングで《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》をキャストする。これが解決すれば盤面は一掃され、再び時間ができる。
真下の手札は2枚。
1枚の土地とその横に、
1枚の《否認/Negate(AER)》。
真下2-0清水
真下 Win!
真下 竜也(コミかる堂高崎店)は、『The Finals』の予選自体が始めての出場であった。
『テンペスト』のころからMagic: The Gathering自体は買っていたが、友人達と遊ぶため、それこそトーナメント・マジックとは無縁の道を歩いてきた。
真下のマジック人生に転機が訪れたのは数年前、コミかる堂高崎店がオープンした時からだ。
真下はこの新しいカードショップに足繁く通うようになる。
カードショップには、新たな出会いがある。
新しい店で、新しい友人と出会い、切磋琢磨し、新しいMagic: The Gatheringの一面を見つけ、競技性の高い大会を知り、気がつけば今まで以上にMagic: The Gatheringにのめり込んでいる。権利の獲得を目指し、プロツアー出場を夢見て大会へ出場を繰り返している。
真下が勝ち取ったのは『The Finals 2017』本戦への出場権。
真下の夢は、ここから始まる。
真下 竜也、『The Finals 2017 店舗予選』優勝おめでとう!
この大会は、プロプレイヤーが入賞を果たすことも数多くあったが、それと同じくらい無名の若手プレイヤーが並み居る強豪を蹴散らし入賞を果たし、その後のトップシーンへと旅立って行った。
そのため“若手の登竜門”とも呼ばれてきた。
本戦への出場を夢見て、権利を獲得することに躍起になっていた人も数多くいただろう。
清水 恭爾(Booksながしま)もその1人だ。
何度も予選を抜け、本戦への出場権を獲得しながらも、その度に都合がつかず諦めてきた。『The Finals』の復活を一番喜んだのは、清水のように恋焦がれながらも出場が叶わなかったプレイヤーかもしれない。
大会自体が消滅し、夢はそこで途切れてしまっていたから。
しかし、
今年の冬、昔見た、夢の続きが始まる。
自分の腕で掴み取ることができる夢の続きが。
後一勝で、夢が叶う。
Game1
スイスラウンド1位の清水の先行で始まり、ファーストアクションは3ターン目の《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》から。
対し真下は3ターン目もドローゴー。コントロールデッキかのように沈黙している。
清水は4ターン目にキーカードである《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をキャストするが、待ってましたとばかりに《削剥/Abrade(HOU)》。スタックして占術で1枚を下へ送る。
真下は、ストレートに伸びた5マナから《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》を召喚し、督励せず空中からの早期決着を狙う。
たまらず清水は宝物トークンが1個にもかかわらず、ダメージレースの形を作るため、《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》を召喚。
しかし場に残すと突然死の要因になるため、《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》の督励と《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》の合わせ技できっちり除去されてしまう。
清水は《人質取り/Hostage Taker(XLN)》で《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》を奪い召喚。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》が督励を使えば2ターンに一度しか攻撃できないため、細かいながらもクリーチャーによるダメージレースの形を作る。ライフは真下16-12清水。
その目論見を打ち砕くのは真下が召喚した2体目の《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》。この4点で清水の残ライフは8。このターンアンタップしなかった《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》と合わせ、ちょうど8点だ。
清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》をX=4でキャストし、《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》1体を対処するが、残り4。
最後の手として清水は《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》のジャンプアップから4マナ残し《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》を召喚し、これが通る。対象にするのは真下の墓地に眠る《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》だ。
真下は《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》をレッドゾーンへ送ると、清水はブロッカーとするため《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》をリアニメイト。
真下の手からは《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》。
かくして真下へ先勝がもたらされた。
真下1-0清水
Game2
「土地さえあれば。」
清水は呟き、手札をライブラリーへと戻し、6枚でキープする。
真下は1ターン目の《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》で《沼/Swamp(XLN)》をサーチ。十分に色マナが揃っているようだ。
続くターンに《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》を召喚する。
清水は3ターン目に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》、そしてタップアウトし《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》をキャスト。
この機を逃さず真下は《削剥/Abrade(HOU)》で対処し、《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》で2枚目となる赤マナへとアクセス。《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》への下準備は完了。
清水は4枚目の土地が置けない。その代わりに2枚目の《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》をドローし、占術でライブラリートップを維持する。
ライブラリートップを維持しながらも、それは土地ではない。
真下は5マナから《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》、そこへ土地を止めてまで残した《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》を合わせクリーチャーの存在を許さない。
今度こそ4枚目の土地を積み込むと、《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》を召喚し、《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》の変身分と合わせて一気に宝物・トークンの数は4つまで増やす。
真下は青黒では対処が難しい《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を召喚。
清水は《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》から《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》を奪い、マナを増やす。
真下は貴重な《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》を《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》と相打つことを選択するが、それもそのはず、2号機が登場する。
清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》をX=3で召喚、真下は《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》で攻撃し1パンプ、このゲーム初めてライフが動き清水の残ライフは15。
都合3体目《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》召喚し、ブロックを迫る。
8枚の土地と4つの宝物・トークン全てアンタップ状態で清水はターンを返し、真下は迷わず2体の《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をレッドゾーンへ。
4/3の《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》にブロックされ、清水はパンプアップ、続けて2度目もスタックに積む。
真下もエネルギーを使用しパンプアップを宣言するが、これにレスポンスはなし。
ダメージ前に清水は《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》上の全てのカウンターを真下へ打ち込む。これで互いにライフは15。
清水は9枚目の土地をプレイすると、最後の手札を公開する。
それはデッキの代名詞《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。
場にある宝物・トークンは4つ、製造が解決すればコンボが決まり、清水の勝利が確定する。
真下は製造にスタックして《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》。
コンボは不発に終わり、ブロッカーが3体生み出される。もう一度コンボを決めるため、トークンによるチャンプと《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》によるドロー加速でパーツを集めるしかない。
《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をトークン1体ブロックし、《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》で1ドロー。清水のライフは10。
《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra(KLD)》をトークン1体ブロックし、《宝物の入り江/Treasure Cove(XLN)》で2度目の1ドロー。清水のライフは5。
清水のライフは5。続くアタックで敗北してしまうが、逆に言えばライフを犠牲にかき集められるだけのカードアドバンテージを集めたということだ。
コンボパーツこそ揃わなかったが、清水はこれ以上ないタイミングで《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning(HOU)》をキャストする。これが解決すれば盤面は一掃され、再び時間ができる。
真下の手札は2枚。
1枚の土地とその横に、
1枚の《否認/Negate(AER)》。
真下2-0清水
真下 Win!
真下 竜也(コミかる堂高崎店)は、『The Finals』の予選自体が始めての出場であった。
『テンペスト』のころからMagic: The Gathering自体は買っていたが、友人達と遊ぶため、それこそトーナメント・マジックとは無縁の道を歩いてきた。
真下のマジック人生に転機が訪れたのは数年前、コミかる堂高崎店がオープンした時からだ。
真下はこの新しいカードショップに足繁く通うようになる。
カードショップには、新たな出会いがある。
新しい店で、新しい友人と出会い、切磋琢磨し、新しいMagic: The Gatheringの一面を見つけ、競技性の高い大会を知り、気がつけば今まで以上にMagic: The Gatheringにのめり込んでいる。権利の獲得を目指し、プロツアー出場を夢見て大会へ出場を繰り返している。
真下が勝ち取ったのは『The Finals 2017』本戦への出場権。
真下の夢は、ここから始まる。
真下 竜也、『The Finals 2017 店舗予選』優勝おめでとう!
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