同店舗を拠点に活動するプレイヤーは、友であり、仲間であり、ライバルである。
 互いに認め合い、手の内をさらけ出しあい、自身が高みを目指し、切磋琢磨していく。

 だから清水と竹内は対戦が発表されると、互いの手の内がわかるからこそ、深く息を吐いた。長く、重いマッチアップの幕開けだ。

 清水は最新のBooksながしまブランド青黒テゼレットデッキを使用しており、対する竹内も独自に調整を進めているアブザントークンを持ち込んでいる。

Game1

 清水は《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》、《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》と「イクサラン」以前のスタンダード環境ではあまり見かけなかったタフネスの高いクリーチャーを並べていく。

 竹内はマリガン後、白マナが見えず事故も懸念されたが、無事引き当てると4ターン目に《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》でクリーチャーを用意し、《秘密の備蓄品/Hidden Stockpile(AER)》で循環エンジンを完成させる。

 このまま《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》まで繋がれば、爆発的にトークンが増えてしまう。清水のデッキは青黒というパーマネント対処手段に乏しいカラーであり、何かプレッシャーになるパーマネントを用意できるのか。
 
 4ターン目に清水がキャストするのは《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》。電池トークンを精製し、アーティファクトを増やし始める。
 続けて《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》で宝物が3つに増えると、竹内の《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》の変身を防ぐため、今度は忠誠値を減らし除去能力を使用する。

 それでも《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》でトークン倍々戦略が完成すると《選定の司祭/Anointer Priest(AKH)》でライフも4点ずつ増え始め、2枚目の《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》でさらに加速する。

 不意に清水は竹内のライフを確認する。

 「24。」

 答えながらも清水の問いに、竹内は全てを理解する。

 清水は6マナで《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》を召喚し、カウンターを配置する。

 清水の場の宝物の数は6。

清水1-0竹内


Game2

 今度は互いに《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を出し、占術でドローの質を高めながら次なる手を模索していく。

 先にしかけるのは清水。《強迫/Duress(XLN)》で《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》を抜くが、2枚目の《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》と《武芸の模範、ギデオン/Gideon, Martial Paragon(AKH)》が残り、後々のプレッシャーとなってしまう。

 返す竹内は、《大災厄/Doomfall(HOU)》で清水の手札から2枚目の《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を除外。互いの手の内が分かった時点で、どちらが先にパーマネントを追加するかとなる。

 5ターン目、竹内は《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》をエンチャントすると《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を変身させ、6個の宝物トークンを戦場へ。《武芸の模範、ギデオン/Gideon, Martial Paragon(AKH)》、《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》と一気に脅威を解き放つ。

 清水も《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を変身させ、《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で《武芸の模範、ギデオン/Gideon, Martial Paragon(AKH)》を対処、盤面の平静を保つ。
 場のトークンも《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》で対処し、後は《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》を待つばかり。

 竹内は2枚目の《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》で再びドロー操作を。

 だが竹内が有効牌を引く前に、清水は《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》を引き当て、忠誠値を高めていく。

 プレインズウォーカーにはプレインズウォーカーを。竹内は《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》で《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》を処理し、なんとかゲームをスローダウンさせようとする。

 プレインズウォーカーは先出しが有利なため《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer(AER)》の奥義が発動、場にあるアーティファクト達が順々に目覚める準備を始めるる。

 竹内は《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を変身させつつ、《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》で宝物トークンを6個戦場へ。
 《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》へのアタックこそ《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で防げたが、清水は毎ターン5/5を生み出すことができる。

 《選定の司祭/Anointer Priest(AKH)》でライフを回復し、ターンを伸ばそうとするが、肝心要の《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》が清水の《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で対処されてしまう。

 清水の場は《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》、《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin(KLD)》、《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》、宝物×4、電池×2。
 竹内は海賊トークン2体、《選定の司祭/Anointer Priest(AKH)》、《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》。
 ここで《秘密の備蓄品/Hidden Stockpile(AER)》で2点ゲインが始まると、複雑なゲーム展開へと移行していく。

 《賞罰の天使/Angel of Sanctions(AKH)》が清水のクリーチャー化済みの宝物トークンを対処し、チャンプブロックしながら不朽により2体のトークンへと増える。

 清水は《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》を召喚し、竹内の《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》を《否認/Negate(AER)》でカウンターするビッグプレイ!

 竹内も負けてはいない。《賞罰の天使/Angel of Sanctions(AKH)》で《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》を対処し、ライフゲインしつつ上空へのクロックを強化する。

 地上と空中のダメージレース。ダメージクロックとライフゲインの増減を繰り返すと天秤はどちらにも傾かず、水平を維持する。

 しかし、

 「24。」

 再び竹内は清水の問いに答える。ダメージレースの中で増減を繰り返し、行き着いた数字である。

 竹内の視線の先には、6個の宝物がある。

 清水はしなやかに手首を振ると6マナをタップする。

 召喚されるのは《マリオネットの達人/Marionette Master(KLD)》。

 その手が操るのは、6個の宝物。

清水2-0竹内


清水 Win!

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