Round5 吉田 和志(栃木) vs 宮坂 翔(埼玉)


 勝つしかない最終ラウンド。ここでは爆発力を持つアミュレットブルームと効率よくライフを攻め立てるバーンデックの両者がぶつかり合う。

◆吉田 和志
 栃木県の“カードショップエメリア”にてプレイする吉田は、コンボデックであるアミュレットブルームを選択肢、ここまで残っている。
 メインデックは、既存のレシピと大差はないが、サイドボードには《紅蓮地獄/Pyroclasm》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《炎渦竜巻/Firespout》とリセットスペルが多く取られ、また《スラーグ牙/Thragtusk》といったライフ獲得手段も用意されている。

◆宮坂 翔
 群馬県の“コミかる太田”、埼玉県の“ホビステ川越”と両県で活動しているのが宮坂だ。
 今となっては古の“群馬県選手権”においてトップ8に2度残っており、言わば勝ち方を知っているプレイヤーなのかもしれない。
 今回は、ナヤカラーのバーンデックを使用している。ナヤカラーというと《野生のナカティル/Wild Nacatl》をタッチしたバーンがファッションであるが、宮坂のデックは赤いクリーチャーのみであり、緑色のカードはサイドボードに潜んでいる。
 本日のPPTQで勝ち残っている親和対策として《古えの遺恨/Ancient Grudge》、ユーティリティースペル《破壊的な享楽/Destructive Revelry(THS)》である。


Game1

 僅か2ターン目にして、宮坂は祈りながら詰め将棋を解かなければならなくなってしまった。

 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》は既に場におり、手札にある火力も申し分ない。
 このまま進行すれば、2ターン先の4ターン目には、確実に吉田のライフを削りきれるはずだ。最高でないまでも上々といえる宮坂の悩みは、たった1枚のアーティファクトであった。

 先手の吉田が2ターン目にキャストしたのは、《精力の護符/Amulet of Vigor》。
 手札を7枚でキープしたところからも、高確率でコンボが決まる可能性が高い。


 宮坂は手を止め、思考の海に沈む。

 実際の時間にして、数十秒程度かもしれない。

 宮坂は、相手のコンボが未完成であることを祈りながら、最も効率よくダメージを与える方法を模索する。

 思考の結果、2枚目のフェッチランドから《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインし《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をキャスト、果敢した速槍で攻撃し吉田のライフを14とし、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機。
 手札の《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》と合わせ、1マナ3点火力さえトップデックできれば、ぴったり14点削りきることができる。

 宮坂は、自身のターンを終了する。後は、祈るのみ。


 3ターン目、吉田はもう1枚のキーカードである《花盛りの夏/Summer Bloom》をキャストする。
 これによりアンタップ状態でバウンスランドを行き来できる状態を作り上げると6マナをひねり出し、緑の大巨人を召喚する。

 《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》能力で《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold》と赤白バウンスランドをサーチし能力起動、速攻を付与すると攻撃時の誘発型能力で《ヴェズーヴァ/Vesuva》と《軍の要塞、サンホーム/Sunhome, Fortress of the Legion》をサーチする。

 3ターン目にして16点ものダメージがたたき出されると、開始5分で、宮坂は後がなくなった。

吉田 1-0 宮坂


Game2

 宮坂は、《乾燥台地/Arid Mesa》から《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》のペイ2には力強く、キャスト《ゴブリンの先達/Goblin Guide》。
 ここでボーナスの土地は公開されないが、《紅蓮地獄/Pyroclasm》と少し嫌な感じ。

 それでも止まったら負けだと自分自身を奮い立たせ、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》に《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を重ね、吉田のライフを11とする。

 3ターン目、予定調和に《紅蓮地獄/Pyroclasm》がキャストされるが、インスタントスペルをキャストすることで《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を場に残す。

 小さいながらも毎ターン1点のクロックが刻まれ、気がつけば8。

 吉田もこの小煩いクリーチャーを除去するため《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をX=1で設置するが、宮坂は既に思考を終えていた。

 即ちエンドに《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》、メインでも《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》をキャストし、吉田のライフを0とした。

吉田 1-1 宮坂


Game3

 宮坂は、三度1ターン目にクリーチャーを走らせると、《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel(JOU)》で吉田の動きに縛りをかける。

 吉田は、《花盛りの夏/Summer Bloom》を持ちながらも十分な土地カードを持たず、《紅蓮地獄/Pyroclasm》を探すために、ダメージを厭わず《血清の幻視/Serum Visions》をキャストする。
 ここでの占術で《紅蓮地獄/Pyroclasm》を発見し、ライブラリーの上段に積み込む。

 《紅蓮地獄/Pyroclasm》には《頭蓋割り/Skullcrack》を合わせ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を守り、返すターンに《稲妻/Lightning Bolt(M10)》と合わせ5点をたたき出し、残りは6。
 手札は、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》と土地のみだが、ドロー次第では次のターンにも勝利が見える。


 しかし吉田も簡単には終わらない。
 《召喚士の契約/Summoner’s Pact》から《スラーグ牙/Thragtusk》をキャストし、ライフと防御網を一気に築き上げる。

 地上は止まってしまったが、バーン使いのお手本のように火力をトップデックし続ける。《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》と《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》で残りは3だ。

 吉田も粘り、最善手を尽くす。《精力の護符/Amulet of Vigor》に《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》をキャストしたり、《花盛りの夏/Summer Bloom》で《光輝の泉/Radiant Fountain(M15)》をバウンスランドと組み合わせたりと、兎に角ライフを得続ける。
 生き延びた分だけドローが伸び、2枚目の《スラーグ牙/Thragtusk》や《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》自体を引き込み、逆転する可能性もある。

 追い風のように宮坂が土地を引き続けてしまい、減っては増え残り数点が遠い。

 膠着したこの状況を打破したのは、宮坂だった。

 ライフゲインを警戒し、《頭蓋割り/Skullcrack》を手札に残しながらライブラリーに手をかける。

 あなたに《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》を、そして《稲妻/Lightning Bolt(M10)》!!


吉田 1-2 宮坂


宮坂 Win!

コメント

Laffine
2015年8月20日6:18

失礼します
《花盛りの春/Vernal Bloom》は《花盛りの夏/Summer Bloom》だと思われます。

委員超
2015年8月23日12:04

ご指摘ありがとうございます。修正しました。

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