準々決勝 林 隆智 vs 井田 隆雅
マジックは、平等なゲームだ。
手札枚数やデック枚数、先手後手の優劣から生まれるドローといった基本的なルールは元より、軽い呪文は弱く、重い呪文は強いといった原則、その原則から生まれるアーキタイプ、色相性を緩和する対策カードやサイドボード。
新しいエキスパッションが出るたびにTier1への対策と、新デックへのカード供給がなされ、新たなメタゲームが形成されていく。
バランスが取れているのは、土地とマナコストの存在に他ならない。
だが保守的になってばかりでは革新はないと思うのか、時にルールを捻じ曲げ、環境を破壊しかけることがある。そう、マナコスト、マナブースト等マナに関するものだ。
最近では親和(デックではなく能力)いい例であるが、他にもやり方はある。
このマッチの両者は、マナコストを踏み倒しながら、勝ち進んできた。
《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》を禁止に追いやった墓地を使用する“探査”と、ライフをコストに充てる《死の影/Death’s Shadow》によって。
Game1
井田は、先手の利を生かすべく狂ったようにスペルをキャストする。
《通りの悪霊/Street Wraith》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》から《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を経て《草むした墓/Overgrown Tomb》から《野生のナカティル/Wild Nacatl》。
1ターンの内に残ライフは13と、自分のライフを一気に7点も削ってみせた。
林は、厄介な1マナクリーチャーを《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去するが、当然のように2号機が出てくる。
既に手札でコンボパーツは揃っているため、安全確認に自身のライフを6とし、3枚目《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た林の手札は、
《呪文嵌め/Spell Snare》、《差し戻し/Remand》、《マナ漏出/Mana Leak》、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》
と非常に強力なもの。《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》、《強大化/Become Immense(KTK)》に相性の良いスペルが多く、コンボを捨てざるを得ない。
林は、カウンター系スペルを構えたまま、探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》。このフィニッシャーは、本当に強い。
タシグルこそ戦闘ダメージと《稲妻/Lightning Bolt(M10)》のダメージを合わせ除去するも、林のカウンター呪文が頭から離れない。そしてクリーチャーもほとんど役に立たない《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》のみとなってしまう。
林はカウンターを構えながら、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》をキャストする。
1枚、また1枚と呪文を唱え、ライブラリー操作を行うと、林は、1度の攻撃で相手のライフを0とした。
林 1-0 井田
Game2
井田は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》の2連打で《終止/Terminate》と《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》を落とし、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》がダメージを刻む。
林は、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で手札、特に要の《呪文嵌め/Spell Snare》を見られているが、それでも丁寧に1マナを立たせ続ける。
そして林が《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》がキャストした返しのターン、ショックランドをセットすると井田は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を攻撃へタシグルへ突っ込ませる。
ブロックに対応して3マナ残して《強大化/Become Immense(KTK)》!!
林 隆智は、長考している。
《血の墓所/Blood Crypt》、《草むした墓/Overgrown Tomb》、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を前に。
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》と《強大化/Become Immense(KTK)》がちょうどキャストできるこの状況を前に。
林は、コンボが揃っていることを前提とし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を守らず、《強大化/Become Immense(KTK)》を許可する。
林の場には土地のみだが、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で井田の手札が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》のみと判明すると、《呪文嵌め/Spell Snare》のマナを残し《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が終に姿を現す。
現在のライフは林8に対し、井田3。
井田に残されたクリーチャーが《死の影/Death’s Shadow》や《野生のナカティル/Wild Nacatl》ならば話は変わっていたかもしれない。
力なくたたずむ《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》では、現状を打開できない。
そして現状を打開するカードも、林の分厚いカウンター呪文によって阻まれ、副産物として生み出されたトークン達と《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が攻撃へ向かうと、ライフをコストに戦い続けた井田のPPTQは、ここで幕を閉じた。
林 2-0 井田
林 Win!
マジックは、平等なゲームだ。
手札枚数やデック枚数、先手後手の優劣から生まれるドローといった基本的なルールは元より、軽い呪文は弱く、重い呪文は強いといった原則、その原則から生まれるアーキタイプ、色相性を緩和する対策カードやサイドボード。
新しいエキスパッションが出るたびにTier1への対策と、新デックへのカード供給がなされ、新たなメタゲームが形成されていく。
バランスが取れているのは、土地とマナコストの存在に他ならない。
だが保守的になってばかりでは革新はないと思うのか、時にルールを捻じ曲げ、環境を破壊しかけることがある。そう、マナコスト、マナブースト等マナに関するものだ。
最近では親和(デックではなく能力)いい例であるが、他にもやり方はある。
このマッチの両者は、マナコストを踏み倒しながら、勝ち進んできた。
《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》を禁止に追いやった墓地を使用する“探査”と、ライフをコストに充てる《死の影/Death’s Shadow》によって。
Game1
井田は、先手の利を生かすべく狂ったようにスペルをキャストする。
《通りの悪霊/Street Wraith》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》から《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を経て《草むした墓/Overgrown Tomb》から《野生のナカティル/Wild Nacatl》。
1ターンの内に残ライフは13と、自分のライフを一気に7点も削ってみせた。
林は、厄介な1マナクリーチャーを《稲妻/Lightning Bolt(M10)》で除去するが、当然のように2号機が出てくる。
既に手札でコンボパーツは揃っているため、安全確認に自身のライフを6とし、3枚目《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た林の手札は、
《呪文嵌め/Spell Snare》、《差し戻し/Remand》、《マナ漏出/Mana Leak》、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》
と非常に強力なもの。《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》、《強大化/Become Immense(KTK)》に相性の良いスペルが多く、コンボを捨てざるを得ない。
林は、カウンター系スペルを構えたまま、探査から《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》。このフィニッシャーは、本当に強い。
タシグルこそ戦闘ダメージと《稲妻/Lightning Bolt(M10)》のダメージを合わせ除去するも、林のカウンター呪文が頭から離れない。そしてクリーチャーもほとんど役に立たない《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》のみとなってしまう。
林はカウンターを構えながら、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》をキャストする。
1枚、また1枚と呪文を唱え、ライブラリー操作を行うと、林は、1度の攻撃で相手のライフを0とした。
林 1-0 井田
Game2
井田は、《思考囲い/Thoughtseize(THS)》の2連打で《終止/Terminate》と《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》を落とし、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》がダメージを刻む。
林は、《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で手札、特に要の《呪文嵌め/Spell Snare》を見られているが、それでも丁寧に1マナを立たせ続ける。
そして林が《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》がキャストした返しのターン、ショックランドをセットすると井田は《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》を攻撃へタシグルへ突っ込ませる。
ブロックに対応して3マナ残して《強大化/Become Immense(KTK)》!!
林 隆智は、長考している。
《血の墓所/Blood Crypt》、《草むした墓/Overgrown Tomb》、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を前に。
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》と《強大化/Become Immense(KTK)》がちょうどキャストできるこの状況を前に。
林は、コンボが揃っていることを前提とし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》を守らず、《強大化/Become Immense(KTK)》を許可する。
林の場には土地のみだが、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で井田の手札が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》のみと判明すると、《呪文嵌め/Spell Snare》のマナを残し《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が終に姿を現す。
現在のライフは林8に対し、井田3。
井田に残されたクリーチャーが《死の影/Death’s Shadow》や《野生のナカティル/Wild Nacatl》ならば話は変わっていたかもしれない。
力なくたたずむ《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》では、現状を打開できない。
そして現状を打開するカードも、林の分厚いカウンター呪文によって阻まれ、副産物として生み出されたトークン達と《若き紅蓮術士/Young Pyromancer(M14)》が攻撃へ向かうと、ライフをコストに戦い続けた井田のPPTQは、ここで幕を閉じた。
林 2-0 井田
林 Win!
コメント