Round1 石倉 一哉 vs 棚橋 雅康


 モダンシーズン開幕。


 これまでのPPTQのフォーマットは、『スタンダード』が主流であったため、土地を置いただけで、相手のデックが何であるか、またその対処法等も当然のように知られていた。 しかし、今回のPPTQから次回のプロツアーに順ずる構築フォーマットに変更となったため、『モダン』が適用されることとなった。

 『スタンダード』においては、相手がキャストした呪文をマジマジと見ることなんて、ほとんどなかった。

 しかし、これからは何倍ものエキスパッションが使用可能な『モダン』の世界となる。
 練習したプレイヤーであっても、相手のデックを正確に対処するのは難しいかもしれない。特にサイドボードにおいては、類似した効果を持つカードが多数あるため、使用頻度の差こそあれ、的を一つに絞り難い。

 そのため小さな閃きが、大きな差となって現れるかもしれない。

 自身の分身とも言えるデックを携え、42名ものプレイヤーがここ群馬のBooksながしまに集合し、プロツアー2016予備予選が開始されようとしている。

 Round1では、お隣埼玉県からの刺客石倉と、前回Booksながしまで行われたPPTQの勝者、棚橋 雅康の工藤の対決をお送りしたい。


◆石倉 一哉
 前回のPPTQから遠征をしている集団はいくつかあるが、そのうちの一つが熊谷ワールドを拠点に活動する石倉一哉である。
 石倉が今回選択したのは、タルキール龍紀伝から《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》が加わり、大幅に強化されたグリクシスカラーの『双子』デックである。
 選択理由についても、対親和への相性の改善や、消耗戦の強さ、それでいて瞬殺コンボも内臓している柔軟性をあげてくれた。
 カード1枚がここまでデックを、メタゲームを動かすのが、『モダン』というフォーマットの特徴であり、魅力であるといえる。

◆棚橋 雅康
 本年4月11日に行われたPPTQミルキーウォーをアブザンビートで突破したのが、新潟のプロプレイヤー棚橋である。
 棚橋といえば、フェアリーやアブザンといった妨害要素を兼ね備えたクロックパーミッション系のデックを使用していることが多いが、今回はコンボ要素のあるナヤカラーの『ブリーチトラップ』である。
 ただのトラップ系と違い、緑と白の2種類の秘匿ランドとその秘匿ランドへとアクセスする《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》と複数のエンジンがが内臓されている。


 さあ、モダンの道を歩みだそう。


Game1

 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》を置いただけの棚橋に対し、石倉は《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で相手の手札を丸裸にする。


《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》、《巣の侵略者/Nest Invader》、《召喚の罠/Summoning Trap》、《裂け目の突破/Through the Breach》


 重めの手札から《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を捨てさせると、《血清の幻視/Serum Visions》で手札を整えながら、更なる《思考囲い/Thoughtseize(THS)》。

 棚橋は土地が止まり、除去や有効牌がないのが露呈してしまい非常に苦しい。

 “苦しまないように一瞬で”

 石倉の心遣いがあったかどうかは不明だが、最速で《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》に、《欠片の双子/Splinter Twin》がエンチャントされ、100万体ものトークンが生み出された。


石倉 1-0 棚橋


Game2

 先手の棚橋が緑秘匿土地からスタートし、2ターン目に《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をショックインすると、力強く《復活の声/Voice of Resurgence》。
 これが《呪文嵌め/Spell Snare》されることなく、最初のクリーチャーとして場に出ることとなった。

 石倉としてもこのクリーチャーを残してしまうと勝負にならないため、渋々《稲妻/Lightning Bolt》するが、残ったトークンに地道にライフを削られてしまう。

 ここが勝負時だと読んだ棚橋は《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》からフェッチを置き、一気にマナ加速。
 青いデック殺しの《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を。

 小粒のクリーチャーこそ《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で対応するが、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が対処できない。
 壁役として召喚した《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》も《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》でサイズ負けしてしまう。

 それでも石倉は、棚橋のデックに火力がないと読み、ギリギリの3までライフを差し出す。コンボを決めるために《やっかい児/Pestermite》をキャストし、自分のターンを向かえようとするが、双子対策カード《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》が突き刺さってしまう。

 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》でクリーチャーを回収しながらなんとかコンボを揃えようとするが、《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》時間を与えなかった。


石倉 1-1 棚橋


Game3

 先手の加藤が《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》から《蒸気孔/Steam Vents》、《血清の幻視/Serum Visions》からスタートし、占術は上下に1枚ずつ振り分ける。

 棚橋は、《極楽鳥/Birds of Paradise》の力をかりて、1ターン早く《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を召喚する。

 石倉は、《血清の幻視/Serum Visions》を使いまわすと《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で意味ありげにアタック。
 棚橋は、考えながらもブロックし、予定調和に《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》で場が一掃された。

 打ったのか、それとも打たされたのか。

 棚橋の手から2枚目の《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が。

 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command(DTK)》とアドバンテージを取りながら盤面を固めようとするるが、《貴族の教主/Noble Hierarch》のバックアップが止まらず、《風立ての高地/Windbrisk Heights》の秘匿条件も満たされ、防戦一方となってしまう。。

 秘匿土地からの《召喚の罠/Summoning Trap》こそ《否認/Negate(MOR)》するが、 《樹上の村/Treetop Village》起動からの3体攻撃に対し、受ける手がほとんど残されていない。

 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》キャストしたところで、《風立ての高地/Windbrisk Heights》を解除し、《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》で除去すると、今日最初の勝利は棚橋のもとへ。


石倉 1-2 棚橋


棚橋、Win!

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