スイスドロー最終戦となり、7位の市川と9位の蔵下の対戦をお届けしたい。
このマッチは、勝った方のみがトップ8へ抜けるという残酷なバブルマッチだ。
◆蔵下 慎治
普段はイエローサブマリン横浜ムービル店でFNM等へ参加し遊んでいるとのことであるが、国内グランプリだけでなく、グランプリ台北2014と海外の大会へも積極的に参加しているマジック好き。
「偶々車に同乗出来ただけです。」
謙虚に、それでいて淡々と蔵下は答えている。しかし『楽しみたいから』だとか『好きなカードを使いたいから』といったカジュアルな言葉は似つかわしくない。
『プレイは、その人の人柄を映し出す』、試合でその本心は聞けるだろう。
デックは、『アブザンアグロ』。メインは優良なクリーチャーをハンデスと除去でサポートビートダウンであるが、アブザンというカラーコンビネーション故のサイドボードの多様性が魅力の一つでもある。
◆市川 達也
埼玉県熊谷市所在の熊谷ワールドで友人達とマジックに勤しむプレイヤーであるが、その鋭い眼光は、対戦の流れ、勝負の流れ、惹いてはプロツアーを見据えているようである。
良いカードを引いても決して手なりでプレイせず、最適解を導き出そうと自分の中に存在する60枚へと思慮に沈み、放たれる一手一手は潔い。
デックは、「赤白ミッドレンジ」。強力無比な3マナクリーチャー達を火力や、現環境の《剣を鍬に/Swords to Plowshares(V13)》コト《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でサポートする。
Game1
とあるプレイヤーは言った。
この環境の鍵は「2回行動である」と。
先手の蔵下が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作りだし、軽快にダメージを刻みだす。3枚目の土地として《静寂の神殿/Temple of Silence(THS)》をセットしたことで、環境の大本命のアブザンビートと明らかになる。
淡々とセットランドするだけだった市川も、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去すると、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》と一気に展開してくる。
そう、ここで市川は「2回行動」。つまりは1ターンに《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》と《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を同時にキャストし、先手後手を入れ替えてみせたのだ。
アブザンはカード1枚1枚の質は申し分ないが、除去に関しては3マナがほとんどであり、受けに回ると1ターンに2回行動が取り辛く、押し切られやすい。
先手と後手が入れ替わると、市川は、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を流れるようにキャストし、蔵下がブロッカーとしてキャストしたクリーチャーを丁寧に除去し続け、そのまま削りきった。
蔵下 0-1 市川
Game2
今度はアブザン側の蔵下がその強さを見せ付ける。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を皮切りに、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とマナカーブ通りにクリーチャーを展開する。
市川も《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》を展開しているが、「先手だと強いが後手だと・・・」と言われる通り、そのサイズから攻撃にも防御にも回れず、まさに棒立ち状態である。
それでも《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、召集コストでの《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動でクリーチャーを排除するも、代償は大きくライフは残り2。
蔵下は、機を逃さず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
蔵下 1-1 市川
Game3
ここでアブザン側の蔵下が後手番となってしまう。そう、複数行動がし辛いアブザン側がだ。
更に間が悪いことに先手なら強い《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》から、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》へと繋がってしまい、クロックは尋常ならざる5点。
蔵下は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で押しとどめようとするも、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動を許し、間の悪いことに土地が3枚で止まってしまう。
事故った。引きが悪かった。しょうがない。1ターン、2ターン時間は経てども土地を引かない。運が悪い。
見ていた誰もが投げ出したい、諦めたい対戦であったことに間違いない。
でも、それでも蔵下は、諦めない。ライフを犠牲にしてでも除去を使い、勝利への細い細い道を手繰り寄せる。
デックも呼応するように、《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》と2回行動を可能とし、市川側のクリーチャーの大半がゴブリントークンだったこともあり、ライフを3残して一掃に成功する。
後、1枚。1枚の土地で手札の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》はキャストできる。
力強く引いたカードを横向きでセットし、ターンを返すと、市川の手から《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》が舞い降り、長い長い最終戦へ、終止符を打った。
蔵下 1-2 市川
市川 Win!
このマッチは、勝った方のみがトップ8へ抜けるという残酷なバブルマッチだ。
◆蔵下 慎治
普段はイエローサブマリン横浜ムービル店でFNM等へ参加し遊んでいるとのことであるが、国内グランプリだけでなく、グランプリ台北2014と海外の大会へも積極的に参加しているマジック好き。
「偶々車に同乗出来ただけです。」
謙虚に、それでいて淡々と蔵下は答えている。しかし『楽しみたいから』だとか『好きなカードを使いたいから』といったカジュアルな言葉は似つかわしくない。
『プレイは、その人の人柄を映し出す』、試合でその本心は聞けるだろう。
デックは、『アブザンアグロ』。メインは優良なクリーチャーをハンデスと除去でサポートビートダウンであるが、アブザンというカラーコンビネーション故のサイドボードの多様性が魅力の一つでもある。
◆市川 達也
埼玉県熊谷市所在の熊谷ワールドで友人達とマジックに勤しむプレイヤーであるが、その鋭い眼光は、対戦の流れ、勝負の流れ、惹いてはプロツアーを見据えているようである。
良いカードを引いても決して手なりでプレイせず、最適解を導き出そうと自分の中に存在する60枚へと思慮に沈み、放たれる一手一手は潔い。
デックは、「赤白ミッドレンジ」。強力無比な3マナクリーチャー達を火力や、現環境の《剣を鍬に/Swords to Plowshares(V13)》コト《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でサポートする。
Game1
とあるプレイヤーは言った。
この環境の鍵は「2回行動である」と。
先手の蔵下が《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer(KTK)》でクロックを作りだし、軽快にダメージを刻みだす。3枚目の土地として《静寂の神殿/Temple of Silence(THS)》をセットしたことで、環境の大本命のアブザンビートと明らかになる。
淡々とセットランドするだけだった市川も、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去すると、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》と一気に展開してくる。
そう、ここで市川は「2回行動」。つまりは1ターンに《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》と《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を同時にキャストし、先手後手を入れ替えてみせたのだ。
アブザンはカード1枚1枚の質は申し分ないが、除去に関しては3マナがほとんどであり、受けに回ると1ターンに2回行動が取り辛く、押し切られやすい。
先手と後手が入れ替わると、市川は、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》を流れるようにキャストし、蔵下がブロッカーとしてキャストしたクリーチャーを丁寧に除去し続け、そのまま削りきった。
蔵下 0-1 市川
Game2
今度はアブザン側の蔵下がその強さを見せ付ける。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(THS)》を皮切りに、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》とマナカーブ通りにクリーチャーを展開する。
市川も《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》を展開しているが、「先手だと強いが後手だと・・・」と言われる通り、そのサイズから攻撃にも防御にも回れず、まさに棒立ち状態である。
それでも《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》、召集コストでの《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動でクリーチャーを排除するも、代償は大きくライフは残り2。
蔵下は、機を逃さず《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》。
蔵下 1-1 市川
Game3
ここでアブザン側の蔵下が後手番となってしまう。そう、複数行動がし辛いアブザン側がだ。
更に間が悪いことに先手なら強い《道の探求者/Seeker of the Way(KTK)》から、《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》へと繋がってしまい、クロックは尋常ならざる5点。
蔵下は、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》で押しとどめようとするも、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》から《かき立てる炎/Stoke the Flames(M15)》と2回行動を許し、間の悪いことに土地が3枚で止まってしまう。
事故った。引きが悪かった。しょうがない。1ターン、2ターン時間は経てども土地を引かない。運が悪い。
見ていた誰もが投げ出したい、諦めたい対戦であったことに間違いない。
でも、それでも蔵下は、諦めない。ライフを犠牲にしてでも除去を使い、勝利への細い細い道を手繰り寄せる。
デックも呼応するように、《胆汁病/Bile Blight(BNG)》、《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》と2回行動を可能とし、市川側のクリーチャーの大半がゴブリントークンだったこともあり、ライフを3残して一掃に成功する。
後、1枚。1枚の土地で手札の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》はキャストできる。
力強く引いたカードを横向きでセットし、ターンを返すと、市川の手から《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》が舞い降り、長い長い最終戦へ、終止符を打った。
蔵下 1-2 市川
市川 Win!
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