『プロツアーへ行きたいか!!』
その問いに答えるべく、県内外から39名ものプレイヤーがここ群馬のBooksながしまで開催されるプロツアー予備予選・バンクーバー2015へ参加を表明している。
『運命再編』の発売直後ということもあり、様々なカードがデックへと散りばめられている。
発売前から噂されていた《魂火の大導師/Soulfire Grand Master(FRF)》や《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》、《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》といったカード達が環境を支配するのか、はたまた予期せぬカードが環境を変えるのか。
まさに、今、スタンダード環境から目が離せない。
Round1ではそれぞれの地方で『運命再編』の与えた影響を検証すべく、地元群馬県在住の井田と、プロツアー京都2009トップ8の実績を持つ構築の雄、新潟在住の棚橋の試合をお送りしたい。
◆井田 隆雅
群馬県を拠点に活動しており、休日になれば友人を集めBooksながしまでドラフトをしている姿をよく目にする。カード単体のパワーよりも、それぞれの噛み合わせによって真価を発揮させる傾向にある。
そのため今回のデックは、シナジーの塊『シディシウィップ』
◆棚橋 雅康
プロツアー京都2009ではカードパワーとシナジーとが絶妙なバランスで構成されたフェアリーを使いトップ8に残った経歴を持つ、「新潟といえば、たなー」コト棚橋 雅康。
現在は、長岡市のコミュニティーを中心に活動しており、今回もプロツアーの権利のため、群馬県まで遠征している。
使用デックは、『ボロスミッドレンジ』。
カラーコンビネーションこそ違えど、コストパフォーマンスの良いクリーチャーを並べ、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》でクリーチャーを除去し、効率よくダメージを稼いでいくこのデックは、現環境の『青黒フェアリー』となり得るかもしれない。
さあ、プロツアーへの第一歩を歩み始めよう。
Game1
ボロスミッドレンジを使用する棚橋の先手でゲームがスタートし、前環境同様に占術ランドでドローを操作し、ゲームを進行していく。
先にダメージソースを展開したのは井田の《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》であり、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BNG)》と合わせ、墓地とライブラリーを操作し続ける。
長引かせれば不利と分かっている棚橋は、赤と白のマナベースから《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》をキャストし、ミッドレンジ宜しく横綱相撲へもっていく。
《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》は《英雄の破滅/Hero’s Downfall(THS)》、井田の《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》は《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》交換が続き、ゲームが膠着しつつある。
次の一手を打ったのは井田。《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が暴くのは、《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》2枚。
ここからドラゴンを1枚捨てさせる。井田の手札には《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》が握られている。
棚橋はそこから強引に《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》2枚目を積もって戦線を維持してくる。
《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》の+1と±0を交互に使いアドバンテージを稼ぐも、ここで井田もシディシのダイナモ、《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》がキャストし、すぐさま《女王スズメバチ/Hornet Queen(M15)》をリアニメートしてくる。
棚橋は単発除去を惜しまずトークンへ使い、《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》を維持し、墓地が肥えない井田は苦しいところ。
だがここでキャストされた《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が墓地と場へどんどんリソースを補充してくる。
1枚目は対処しても墓地を削る能力で2枚目、3枚目の《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》が増えてくる。
棚橋は《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster(M15)》と地上は捨て、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon(THS)》に最後の望みをかけるも、一度回りだした《エレボスの鞭/Whip of Erebos(THS)》と《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant(KTK)》のシナジーを凌駕することは不可能であった。
井田 1-0 棚橋
Game2
後手の井田はダブルマリガン。
《思考囲い/Thoughtseize(THS)》で《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》を捨てさせるも、棚橋は《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix(KTK)》が強烈なクロックを形成してくる。
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》は《静翼のグリフ/Hushwing Gryff(M15)》で止められ、あっという間に星を取り返す。
井田 1-1 棚橋
Game3
井田の《思考囲い/Thoughtseize(THS)》が《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》1枚と《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》という強烈なハンドから《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》を捨てさせ、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》は《悲哀まみれ/Drown in Sorrow(BNG)》と、試合をコントロールしていく。
小さいながらも《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder(BNG)》コツコツ殴り始めると、トークン対して抜群の効果がある《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》が追加のクロックとして登場する。
追い討ちをけkるように《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》をキャストし、《稲妻の一撃/Lightning Strike(THS)》を2枚使わせるとドロー手段のない棚橋は息切れ気味に。
2枚目の白マナを用意すると《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster(M15)》、《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos(BNG)》と展開し、逆転を図るも、《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》は止まらない。
《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が更なる《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant(JOU)》を導くと作り上げたトークンも吹き飛び、そのまま棚橋のライフは0を割った。
井田 2-1 棚橋
井田 Win!
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