2009/10/12 GPT板橋2次 シールドデック構築:棚橋 雅康(新潟)
2009年10月25日 カバレージ コメント (1)
来週行われるGP新潟のために、82人ものプレイヤーが参加しているGPT大山。今回は3byeを取りに新潟から遠征してきたプロプレイヤー、棚橋 雅康(新潟)のシールド構築を追ってみた。この環境はまだ数回しかシールドはしていないと語るが、その練習から見つけたストラテジーとは一体何だろうか?
◆いざ、構築
パックをチェックし、すぐさま黒いカードをレイアウトし始めた。《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》、《湿地での被災/Marsh Casualties》、といった爆弾カードのオンパレードなのだ。クリーチャーも綺麗なマナカーブを描いており、黒は確定のようである。そうなると問題はもう1色。残り4色から一体どうやって、どの色を選択するのだろうか。
先ず手に取ったのは有効色である赤。足りないマナ域のクリーチャーといくつかの追加の除去呪文があり。3マナ域こそないが、相性は良さそうに見える。だがこれで決めるのは早計と、別の色を並べ始める。
次に取ったのは緑。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》、《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》といった優秀な3マナ域に加え、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》といったゲームエンド級のファッティもある。シールドは多少遅いゲームであるため、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》、《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》もキッカー込みでプレイし易い。
青白は一瞥しただけで、ポイ。2色目は赤と緑のどちらかになりそうである。
クリーチャー、呪文のバランスを見て、赤を選んだ。バランスを見てカードいくつかのカード(《尖塔の連射/Spire Barrage》、《カルニの宝石/Khalni Gem》)といったカードをサイドボードに落とし、お試しカード《電撃力/Electropotence》を入れ、デック完成。
1色を巡る構築。最終的に決めてはなんだったのだろうか?
◆棚橋の考えるシールド論
最もやりたい色は何かと聞くと、即答で黒と帰ってきた。一体なぜだろう?
棚橋「やっぱりテンポで押したいんですよね。軽いクリーチャーに除去、理想的ですね。クリーチャーもただ序盤に強い軽いものだけでなく、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》や《血の求道者/Blood Seeker》のような後半でも強いカード、シナジーを生むカードが揃っているんです。」
実際棚橋のパックには《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》、《血の求道者/Blood Seeker》が2枚ずつ入っていたのだ。爆弾カードだけでなく、脇を固めるカードもある。納得の選択である。
では2色目はどうやって決めたのだろう?
棚橋「黒を生かす組み合わせは赤か青だと思うんです。赤にも優秀なクリーチャーや除去がありますからね。押し切りやすいです。青は回避持ち(飛行などのブロックが困難な能力)が多く《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》などの条件が満たしやすいです。それだけでゲームに勝てる可能性もありますから。」
練習から見つけ出した彼のストラテジーに狂いはない。最終的にレアパワーしかない青は諦めた形となった。
デックの出来としては80点。予選は抜けるのには十分過ぎるように感じるが、本人は
棚橋「関東のプレイヤーはレベル高いって聞きますからね。どうでしょう。0-2ドロップとか嫌だなぁ。」
と謙遜している様子。
これにて棚橋プロのシールド講座は終了となる。願わくはこのデックでもって決勝へと勝ち進んでもらいたいが、どうだろうか。
デックリスト
18土地
10《沼/Swamp》
7《山/Mountain》
1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
14クリーチャー
2《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
1《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
2《血の求道者/Blood Seeker》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
1《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
1《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》
1《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
1《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》
1《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
1《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》
8呪文
1《信頼おける山刀/Trusty Machete》
1《見栄え損ない/Disfigure》
1《湿地での被災/Marsh Casualties》
1《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
1《罰する火/Punishing Fire》
1《電撃力/Electropotence》
1《マグマの裂け目/Magma Rift》
1《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
サイドボード
1《勇敢な防御/Bold Defense》
1《精霊への挑戦/Brave the Elements》
2《隊商のハルダ/Caravan Hurda》
1《未達への旅/Journey to Nowhere》
1《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3《命拾い/Narrow Escape》
1《雨雲の翼/Nimbus Wings》
1《気高き面影/Noble Vestige》
1《落とし穴の罠/Pitfall Trap》
1《世界を鎮める者/World Queller》
2《突風の統率者/Caller of Gales》
1《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》
1《無気力の罠/Lethargy Trap》
1《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》
1《古き秘密の探索/Quest for Ancient Secrets》
1《無謀な識者/Reckless Scholar》
1《海門の伝承師/Sea Gate Loremaster》
1《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《広がりゆく海/Spreading Seas》
1《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
1《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
2《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
1《愚鈍な虚身/Mindless Null》
2《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1《吸血鬼の一噛み/Vampire’s Bite》
2《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
1《尖塔の連射/Spire Barrage》
1《不安定な足場/Unstable Footing》
1《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
1《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》
1《開拓地の先達/Frontier Guide》
1《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
1《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
1《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen》
1《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》
1《原初の怒声/Primal Bellow》
1《秘宝の破壊/Relic Crush》
1《野蛮な影法師/Savage Silhouette》
1《タジュールの射手/Tajuru Archer》
1《絡め汁/Tanglesap》
1《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》
1《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger》
1《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
1《カルニの宝石/Khalni Gem》
2《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》
1《灰色革の隠れ家/Graypelt Refuge》
1《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
◆1日を終えて
長かった7回戦も終わり、上位8名はこれから決勝ドラフトがあるわけだが、果たして棚橋の名は、そこにあるのだろうか?
棚橋「4-3でポンでした。」
カード自体は強そうに見えたが、残念ながら予選敗退となってしまった棚橋。傷をえぐるようで申し訳ないが、感想・反省等を聞いてみた。
棚橋「負けた原因は色事故ですかね。ボム(強力なレア)はそこまで重要ではなく、本当にスピード勝負だった感じがします。互いにノーガードの殴り合いで、気が付いたら死んでいる。だから序盤にダメージレースで後れを取ってしまうと、挽回するのは大変ですね。」
シールドにも関わらず、先手を選ぶプレイヤーは少なくないこの環境。先手の理を生かすためにも、安定したマナベースが重要なようだ。
そういえば《電撃力/Electropotence》はどうだったのだろうか?
棚橋「《電撃力/Electropotence》は空気!!すぐ抜きましたよ。」
赤マナを含む3マナを余分に払いながら、クリーチャーをキャストするには、少し環境が速すぎたようだ。やはりレアは使ってみなければ、わからない。
そういった点も含めて、家で再び構築し直してみます、と真摯な態度で去って行った棚橋。
これをバネに、彼の北九州での活躍に期待したい。
◆いざ、構築
パックをチェックし、すぐさま黒いカードをレイアウトし始めた。《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》、《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》、《湿地での被災/Marsh Casualties》、といった爆弾カードのオンパレードなのだ。クリーチャーも綺麗なマナカーブを描いており、黒は確定のようである。そうなると問題はもう1色。残り4色から一体どうやって、どの色を選択するのだろうか。
先ず手に取ったのは有効色である赤。足りないマナ域のクリーチャーといくつかの追加の除去呪文があり。3マナ域こそないが、相性は良さそうに見える。だがこれで決めるのは早計と、別の色を並べ始める。
次に取ったのは緑。《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》、《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》といった優秀な3マナ域に加え、《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》といったゲームエンド級のファッティもある。シールドは多少遅いゲームであるため、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》、《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》もキッカー込みでプレイし易い。
青白は一瞥しただけで、ポイ。2色目は赤と緑のどちらかになりそうである。
クリーチャー、呪文のバランスを見て、赤を選んだ。バランスを見てカードいくつかのカード(《尖塔の連射/Spire Barrage》、《カルニの宝石/Khalni Gem》)といったカードをサイドボードに落とし、お試しカード《電撃力/Electropotence》を入れ、デック完成。
1色を巡る構築。最終的に決めてはなんだったのだろうか?
◆棚橋の考えるシールド論
最もやりたい色は何かと聞くと、即答で黒と帰ってきた。一体なぜだろう?
棚橋「やっぱりテンポで押したいんですよね。軽いクリーチャーに除去、理想的ですね。クリーチャーもただ序盤に強い軽いものだけでなく、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》や《血の求道者/Blood Seeker》のような後半でも強いカード、シナジーを生むカードが揃っているんです。」
実際棚橋のパックには《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》、《血の求道者/Blood Seeker》が2枚ずつ入っていたのだ。爆弾カードだけでなく、脇を固めるカードもある。納得の選択である。
では2色目はどうやって決めたのだろう?
棚橋「黒を生かす組み合わせは赤か青だと思うんです。赤にも優秀なクリーチャーや除去がありますからね。押し切りやすいです。青は回避持ち(飛行などのブロックが困難な能力)が多く《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》などの条件が満たしやすいです。それだけでゲームに勝てる可能性もありますから。」
練習から見つけ出した彼のストラテジーに狂いはない。最終的にレアパワーしかない青は諦めた形となった。
デックの出来としては80点。予選は抜けるのには十分過ぎるように感じるが、本人は
棚橋「関東のプレイヤーはレベル高いって聞きますからね。どうでしょう。0-2ドロップとか嫌だなぁ。」
と謙遜している様子。
これにて棚橋プロのシールド講座は終了となる。願わくはこのデックでもって決勝へと勝ち進んでもらいたいが、どうだろうか。
デックリスト
18土地
10《沼/Swamp》
7《山/Mountain》
1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
14クリーチャー
2《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
1《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
2《血の求道者/Blood Seeker》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》
1《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
1《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter》
1《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
1《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》
1《刃牙の猪/Bladetusk Boar》
1《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts》
8呪文
1《信頼おける山刀/Trusty Machete》
1《見栄え損ない/Disfigure》
1《湿地での被災/Marsh Casualties》
1《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
1《罰する火/Punishing Fire》
1《電撃力/Electropotence》
1《マグマの裂け目/Magma Rift》
1《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
サイドボード
1《勇敢な防御/Bold Defense》
1《精霊への挑戦/Brave the Elements》
2《隊商のハルダ/Caravan Hurda》
1《未達への旅/Journey to Nowhere》
1《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3《命拾い/Narrow Escape》
1《雨雲の翼/Nimbus Wings》
1《気高き面影/Noble Vestige》
1《落とし穴の罠/Pitfall Trap》
1《世界を鎮める者/World Queller》
2《突風の統率者/Caller of Gales》
1《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》
1《無気力の罠/Lethargy Trap》
1《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》
1《古き秘密の探索/Quest for Ancient Secrets》
1《無謀な識者/Reckless Scholar》
1《海門の伝承師/Sea Gate Loremaster》
1《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《広がりゆく海/Spreading Seas》
1《嵐のフクロウ/Tempest Owl》
1《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
2《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
1《愚鈍な虚身/Mindless Null》
2《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1《吸血鬼の一噛み/Vampire’s Bite》
2《ゴブリンの戦化粧/Goblin War Paint》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker》
1《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
1《尖塔の連射/Spire Barrage》
1《不安定な足場/Unstable Footing》
1《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》
1《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher》
1《開拓地の先達/Frontier Guide》
1《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
1《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
1《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen》
1《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》
1《原初の怒声/Primal Bellow》
1《秘宝の破壊/Relic Crush》
1《野蛮な影法師/Savage Silhouette》
1《タジュールの射手/Tajuru Archer》
1《絡め汁/Tanglesap》
1《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk》
1《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger》
1《面晶体集め/Hedron Scrabbler》
1《カルニの宝石/Khalni Gem》
2《蜘蛛糸の網/Spidersilk Net》
1《灰色革の隠れ家/Graypelt Refuge》
1《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》
◆1日を終えて
長かった7回戦も終わり、上位8名はこれから決勝ドラフトがあるわけだが、果たして棚橋の名は、そこにあるのだろうか?
棚橋「4-3でポンでした。」
カード自体は強そうに見えたが、残念ながら予選敗退となってしまった棚橋。傷をえぐるようで申し訳ないが、感想・反省等を聞いてみた。
棚橋「負けた原因は色事故ですかね。ボム(強力なレア)はそこまで重要ではなく、本当にスピード勝負だった感じがします。互いにノーガードの殴り合いで、気が付いたら死んでいる。だから序盤にダメージレースで後れを取ってしまうと、挽回するのは大変ですね。」
シールドにも関わらず、先手を選ぶプレイヤーは少なくないこの環境。先手の理を生かすためにも、安定したマナベースが重要なようだ。
そういえば《電撃力/Electropotence》はどうだったのだろうか?
棚橋「《電撃力/Electropotence》は空気!!すぐ抜きましたよ。」
赤マナを含む3マナを余分に払いながら、クリーチャーをキャストするには、少し環境が速すぎたようだ。やはりレアは使ってみなければ、わからない。
そういった点も含めて、家で再び構築し直してみます、と真摯な態度で去って行った棚橋。
これをバネに、彼の北九州での活躍に期待したい。
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