2009/10/12 GPT板橋1次決勝ドラフト 菅谷 裕信(千葉)
2009年10月12日 カバレージ コメント (1) 3連休の最終日にも関わらず、会場には多くのプレインズウォーカー達が集まった。あるものは今月末に行われるGP北九州の練習として。またあるものは純粋にマジックを楽しみたくて。
参加者95人で行われた予選ラウンド7回戦。上位8人にて決勝ドラフトがおこなわれるわけだが、ここで08GPマニラチャンプ菅谷 裕信(千葉)のピックに注目したい。菅谷は前日千葉で行われたGPTも決勝に進んでいる。
◆1パック目
初手:《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
候補:《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》(フォイル)、《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
開封したパックは、「シールドでくれよ!」と言わんばかりのものだった。各色満遍なく強いカードが揃っている。考えた末《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》をピック。
2手目:《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
候補:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》
初手に合わせ黒いカードを。序盤から終盤まで攻撃に参加できる優秀な2マナクリーチャーである。
3手目:《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
候補:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
黒いカードは《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》のみ。このカードはデックの同盟者率によって強さが大きく変わる。安定パワー4上陸で飛行を得る《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》をピック。
4手目:《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
少し重いが、除去は除去である。
5手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
赤ないし黒、どちらかが被っていた時のことも考えて緑のカードをピック。白は大分カードを流してしまっているし、ドラフト前に出来れば白は避けたいと語っていた。そのため《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》ではなく《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》をピックした。
6手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》
現時点では未知数であるが、流して下に赤に参入しては欲しくない。
7手目:《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
候補:《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
我慢の時間である。返しを期待し、協調。
8手目:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
ここで《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》。悩み、結局は《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》をピックした。
9手目:《愚鈍な虚身/Mindless Null(ZEN)》
候補なし。出来れば使いたくはないが。
10手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
この順目で《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を流すのは気が重い。
順調に思われた1パック目であったが、本人は納得していない様子。というのも《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をピックするタイミングが2度あったのだが、その際別のカードをピックしていたためである。知人同士との意見交換で、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をもっと積極的にピックするべきだったと述べている。
1パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑、上(天野):白緑、下(仙波):白青、下下(斎藤):緑白というもの。
◆2パック目
初手:《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
候補:《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》、《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》
喉から手が出るほど欲しかったテンポ除去である《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》。一緒に入っていたのはサイズも能力も頼もしい《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》。考慮ののち、自身の燃え続ける心を後者に託すことに。
2手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
赤単に進むくらいの気持ちでピックしたという。単色か2色かで、強さが全く変わるカードである。
3手目:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》
4マナ域が少なかったのでちょうどよいクリーチャーである。
4手目:《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》、《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》
ここで爆弾カードが。協調が感じられる1枚である。ただこれによって赤がメインカラーのデックから、赤黒均等のデックへと意識を切り替えなければならなかった。
5手目:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
先の《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、これからピック出来るかもしれない同盟者を意識しピック。
6手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》
クリーチャーがなくてはゲームにならない。がっちりサイズである。
7手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
候補:《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper(ZEN)》
トップコモンの1枚である上陸クリーチャー。このカードは本当に止まらない。
8手目:《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
候補:《風をまとう突撃/Windborne Charge(ZEN)》
嬉しい土地カード。特に赤の土地の能力はテンポ環境と相まって、非常に強力である。
9手目:《不気味な発見/Grim Discovery(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent(ZEN)》
少しでも入りそうなカードを。
カードの質では文句なしの流れであった。《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》という爆弾カードに、クリーチャー多数。ただデックが重めになりつつあるので、軽いクリーチャーまたは除去を3パック目で如何にピックするかというところである。
2パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑黒、上(天野):白黒、下(仙波):白青、下下(斎藤):白緑。
◆3パック目
初手:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
欲しかった除去がここで。相手のライフのよってはエンドカードにもなる。
2手目:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》
ここでも同じカードがピック出来た。これでデックが引き締まった。
3手目:《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》
デックの上陸カード達と相性のよいフェッチ。
4手目:《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
候補:《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》
《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》がデックに入りそうな形でない(序盤で一気に押し切る軽い形)から、カットか。
5手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》、《コーの飛空士/Kor Aeronaut(ZEN)》
クリーチャーを補充。
6手目:《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
3マナのがっちりクリーチャー。重めな構成なので、これは嬉しい。
7手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker(ZEN)》
候補:《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel(ZEN)》
少しでも軽いクリーチャーを。
8手目:《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
同じく軽い方をピックした。
9手目:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《召喚士の破滅/Summoner’s Bane(ZEN)》
10手目《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
連続して《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》がピック出来た。デックにいる同盟者とも噛み合う。
デッキリスト
18土地
8《沼/Swamp(ZEN)》
6《山/Mountain(ZEN)》
1《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
16クリーチャー
1《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
1《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
1《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
1《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
1《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
1《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
1《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
2《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
2《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
1《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
6呪文
2《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
1《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
1《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
1《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》
開口一番に「ラフター(《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》)に救われた。」と菅谷は語った。
色拘束がきつく、回避もちがいない。《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》も1枚しか取れずデックの出来としては50点だという。
「1パック目で取らなかった《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》がなど吸血鬼がもう少しピック出来ていたら《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》も使えた。勿体ない。」確かに。《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》はハードルは高いが、使えれば強力なカードである。
インタビューをしている際、菅谷は友人の小堺 透雄(神奈川)から「このアーキタイプはもっと軽くしないと。」との指摘を受けていた。《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》といったカードは大量の1~2マナ域があってこそ初めて生きるカードだというのだ。
菅谷も「わかっていたが、思うようにカードが来ず苦労した。」といい、彼の言葉を借りるなら「割り切ってカードパワーを重視した。」ということらしい。
デックは納得いかなかったかもしれないが、ドラフトはピックだけが全てではない。まだ“試合”の部分が残っている。こちらでは100点のプレイを期待したい。
以下に示すのは決勝ドラフトに進んだ8人の席順とデックカラーである。
仙波(白青)→斎藤(緑白)→山本(赤)→佐藤(緑青)
↑ ↓
菅谷(赤黒)←天野(白黒)←佐々木(緑黒)←宮下(青黒)
参加者95人で行われた予選ラウンド7回戦。上位8人にて決勝ドラフトがおこなわれるわけだが、ここで08GPマニラチャンプ菅谷 裕信(千葉)のピックに注目したい。菅谷は前日千葉で行われたGPTも決勝に進んでいる。
◆1パック目
初手:《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
候補:《世界を鎮める者/World Queller(ZEN)》(フォイル)、《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist(ZEN)》
開封したパックは、「シールドでくれよ!」と言わんばかりのものだった。各色満遍なく強いカードが揃っている。考えた末《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》をピック。
2手目:《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
候補:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》
初手に合わせ黒いカードを。序盤から終盤まで攻撃に参加できる優秀な2マナクリーチャーである。
3手目:《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
候補:《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》
黒いカードは《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist(ZEN)》のみ。このカードはデックの同盟者率によって強さが大きく変わる。安定パワー4上陸で飛行を得る《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》をピック。
4手目:《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
候補:《面晶体のカニ/Hedron Crab(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
少し重いが、除去は除去である。
5手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
赤ないし黒、どちらかが被っていた時のことも考えて緑のカードをピック。白は大分カードを流してしまっているし、ドラフト前に出来れば白は避けたいと語っていた。そのため《落とし穴の罠/Pitfall Trap(ZEN)》ではなく《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》をピックした。
6手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》
現時点では未知数であるが、流して下に赤に参入しては欲しくない。
7手目:《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
候補:《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
我慢の時間である。返しを期待し、協調。
8手目:《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》
ここで《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap(ZEN)》。悩み、結局は《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》をピックした。
9手目:《愚鈍な虚身/Mindless Null(ZEN)》
候補なし。出来れば使いたくはないが。
10手目:《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
候補:《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
この順目で《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》を流すのは気が重い。
順調に思われた1パック目であったが、本人は納得していない様子。というのも《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をピックするタイミングが2度あったのだが、その際別のカードをピックしていたためである。知人同士との意見交換で、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》をもっと積極的にピックするべきだったと述べている。
1パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑、上(天野):白緑、下(仙波):白青、下下(斎藤):緑白というもの。
◆2パック目
初手:《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
候補:《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost(ZEN)》、《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》
喉から手が出るほど欲しかったテンポ除去である《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》。一緒に入っていたのはサイズも能力も頼もしい《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》。考慮ののち、自身の燃え続ける心を後者に託すことに。
2手目:《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
候補:《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》、《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
赤単に進むくらいの気持ちでピックしたという。単色か2色かで、強さが全く変わるカードである。
3手目:《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》
4マナ域が少なかったのでちょうどよいクリーチャーである。
4手目:《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《天空のアジサシ/Welkin Tern(ZEN)》、《無謀な識者/Reckless Scholar(ZEN)》
ここで爆弾カードが。協調が感じられる1枚である。ただこれによって赤がメインカラーのデックから、赤黒均等のデックへと意識を切り替えなければならなかった。
5手目:《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap(ZEN)》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
先の《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》、これからピック出来るかもしれない同盟者を意識しピック。
6手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》
クリーチャーがなくてはゲームにならない。がっちりサイズである。
7手目:《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
候補:《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper(ZEN)》
トップコモンの1枚である上陸クリーチャー。このカードは本当に止まらない。
8手目:《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
候補:《風をまとう突撃/Windborne Charge(ZEN)》
嬉しい土地カード。特に赤の土地の能力はテンポ環境と相まって、非常に強力である。
9手目:《不気味な発見/Grim Discovery(ZEN)》
候補:《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition(ZEN)》、《浅瀬の海蛇/Shoal Serpent(ZEN)》
少しでも入りそうなカードを。
カードの質では文句なしの流れであった。《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》という爆弾カードに、クリーチャー多数。ただデックが重めになりつつあるので、軽いクリーチャーまたは除去を3パック目で如何にピックするかというところである。
2パック目終了時点での色配置は上上(佐々木):緑黒、上(天野):白黒、下(仙波):白青、下下(斎藤):白緑。
◆3パック目
初手:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
欲しかった除去がここで。相手のライフのよってはエンドカードにもなる。
2手目:《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
候補:《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager(ZEN)》、《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》、《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers(ZEN)》
ここでも同じカードがピック出来た。これでデックが引き締まった。
3手目:《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
候補:《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito(ZEN)》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap(ZEN)》
デックの上陸カード達と相性のよいフェッチ。
4手目:《光輝王の昇天/Luminarch Ascension(ZEN)》
候補:《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》
《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》がデックに入りそうな形でない(序盤で一気に押し切る軽い形)から、カットか。
5手目:《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
候補:《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》、《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster(ZEN)》、《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》、《コーの飛空士/Kor Aeronaut(ZEN)》
クリーチャーを補充。
6手目:《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
3マナのがっちりクリーチャー。重めな構成なので、これは嬉しい。
7手目:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker(ZEN)》
候補:《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel(ZEN)》
少しでも軽いクリーチャーを。
8手目:《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
候補:《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》
同じく軽い方をピックした。
9手目:《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
候補:《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》、《召喚士の破滅/Summoner’s Bane(ZEN)》
10手目《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
連続して《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》がピック出来た。デックにいる同盟者とも噛み合う。
デッキリスト
18土地
8《沼/Swamp(ZEN)》
6《山/Mountain(ZEN)》
1《アクームの隠れ家/Akoum Refuge(ZEN)》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》
16クリーチャー
1《巨大蠍/Giant Scorpion(ZEN)》
1《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
1《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》
1《光輪狩り/Halo Hunter(ZEN)》
1《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword(ZEN)》
1《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》
1《噴火滑り/Geyser Glider(ZEN)》
1《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》
1《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》
1《黒曜石の火心/Obsidian Fireheart(ZEN)》
1《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》
2《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant(ZEN)》
2《タクタクの唸り屋/Tuktuk Grunts(ZEN)》
1《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》
6呪文
2《忌まわしい最期/Hideous End(ZEN)》
1《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》
1《精神ヘドロ/Mind Sludge(ZEN)》
1《業火の罠/Inferno Trap(ZEN)》
1《殺戮の叫び/Slaughter Cry(ZEN)》
開口一番に「ラフター(《湿地での被災/Marsh Casualties(ZEN)》)に救われた。」と菅谷は語った。
色拘束がきつく、回避もちがいない。《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》も1枚しか取れずデックの出来としては50点だという。
「1パック目で取らなかった《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》がなど吸血鬼がもう少しピック出来ていたら《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》も使えた。勿体ない。」確かに。《血の饗宴/Feast of Blood(ZEN)》はハードルは高いが、使えれば強力なカードである。
インタビューをしている際、菅谷は友人の小堺 透雄(神奈川)から「このアーキタイプはもっと軽くしないと。」との指摘を受けていた。《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile(ZEN)》といったカードは大量の1~2マナ域があってこそ初めて生きるカードだというのだ。
菅谷も「わかっていたが、思うようにカードが来ず苦労した。」といい、彼の言葉を借りるなら「割り切ってカードパワーを重視した。」ということらしい。
デックは納得いかなかったかもしれないが、ドラフトはピックだけが全てではない。まだ“試合”の部分が残っている。こちらでは100点のプレイを期待したい。
以下に示すのは決勝ドラフトに進んだ8人の席順とデックカラーである。
仙波(白青)→斎藤(緑白)→山本(赤)→佐藤(緑青)
↑ ↓
菅谷(赤黒)←天野(白黒)←佐々木(緑黒)←宮下(青黒)
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